八百屋とは? 語源や由来などの基礎知識から現在の流通の仕組みまで解説!

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八百屋とは? 語源や由来などの基礎知識から現在の流通の仕組みまで解説!

八百屋とは? 語源や由来などの基礎知識から現在の流通の仕組みまで解説!
最終更新日:2020年07月01日

八百屋は、私たちの食を昔から支え続けています。店主に調理方法を聞いたり、旬の野菜を教えてもらったりと、ただ野菜を買うだけではなく、そこでのやりとりが愛される理由かもしれません。今回は八百屋について、その由来や歴史、現在の流通の仕組みについて、ご紹介したいと思います!

八百屋の歴史

広辞苑には、八百屋について「野菜類を売る商家。また、その人。青物屋」と記載されています。「青物(あおもの)」とは野菜の総称のことで、「青物屋」とは「野菜や果物を売る店」のことを言います。

日本での八百屋の始まりは平安時代の10世紀ごろで、当時は自分で作った野菜類を町で売り歩いていたようです。江戸時代の17世紀に、店での野菜類の販売がはじまり、そのころは野菜類以外の物も売られていたと言います。

そして18世紀に入ると、商品は野菜類に限られて、葉菜類、根菜類、果菜類だけが店頭で売られるようになりました。この頃には流通の流れもできていて、都市の青物市場に野菜類が集荷されて、八百屋はそれを仕入れて小売りしていたそうです。

19世紀後半になると、八百屋では果物も販売されるようになります。さらに第二次世界大戦後はスーパーマーケットや産地直売が普及しはじめ、八百屋でも缶詰や瓶詰類も置かれるようになりました。そして現在、八百屋はその形や販売経路を変えながら、私たちの生活の身近な存在であり続けています。

八百屋の語源は諸説あり!

それでは、なぜ「八百屋」と呼ばれているのでしょうか。

記事の冒頭にもあったように、江戸時代、八百屋は「青物屋」とも呼ばれていました。これが「青屋」と略されて、さらに「やおや」と呼ばれるようになったというのが一説です。

一方、日本大百科全書では、語源について「そこではいっさいの精進の調菜(副食物)、乾物、海藻、木の実、草根などを扱っていたので八百屋といった」と説明されています。店で野菜販売が始まった17世紀当時は、野菜類以外のさまざまな食材も一緒に売られていたことから、物事の数が多いことを表す「八百」という言葉が当てられて「八百屋」と呼ばれるようになったという説もあるようです。

八百屋になるには?

八百屋になるために、資格は特に必要ありません。ただ、市場での取引をするためには「売買参加者」としての資格が必要になります。「売買参加者」とは、卸売市場において卸売業者から卸売りを受けることについて、市場や取扱品目の部類ごとに、開設者の承認を受けた人のことです。市場ごとに承認基準は異なりますが、例えば沖縄県中央卸売市場では、「取扱品目の取引業務に現に従事し、かつ、満3年以上の経験を有する者であること」や「当市場における年間買付金額が、青果部においては1,000万円以上、花き部においては100万円以上見込まれる者であること」という項目があり、とても厳しい条件であることがわかります。

また、「売買参加者」になるために八百屋が組織する組合への加入登録が義務付けられている場合もあり、そのための加盟費用や出資金も必要です。八百屋の組合に入ることで、他の組合員からいろいろなことを教えてもらえたり、仲間ができて協力しあったりできるというメリットもありそうです。さらに、店で加工食品をあつかう場合には、保健所に食品衛生法上の営業許可の手続きを行う必要があります。

八百屋は、朝早くから市場に出向き、安くて新鮮な野菜や果物を仕入れます。そして、店に戻り、仕入れた野菜や果物を並べて売る準備をします。お客さんに買ってもらうためにどんな風に並べるか、そこも八百屋の腕の見せどころです。

他にも、商品を売るためにSNSで発信したりチラシを作ったり、お客さんに直接珍しい野菜の調理方法について説明したりと、さまざまな仕事をこなさなければなりません。近頃では、野菜や果物を売る小売業だけでなく、農業や飲食業などと兼業する八百屋も多く、その仕事内容は多様化していると言えそうです。

野菜の流通を支える八百屋のこれから

農産物は、主に生産者から農協などの出荷団体へ出荷され、卸売市場から小売業者を経て、消費者の元に届けられています。農林水産省の推計では、2016年時点で国産の野菜と果物の79.5%が卸売市場を経由して流通していて、卸売市場は生鮮食料品などの流通のインフラとして、大きな役割を担っていると言えます。

一方で、卸売市場を通さずに、生産者や出荷団体が直接スーパーマーケットなどに出荷するという販路も開拓されていて、農産物の流通には変化の兆しも見られます。生産者が直売所やマルシェなどに出荷したり、宅配便を使って消費者に農産物を発送したりと、生産者が消費者に農産物を直接届ける販路も一部で確立されつつあります。

経産省の経済センサスによると「野菜・果実小売店」の数は、1991年には46700店だったのに比べて、2016年には18397店まで減少していて、八百屋の数は減り続けています。スーパーマーケットやコンビニ、ショッピングモールが台頭してきたことや、商店街自体の衰退も影響しているのかもしれません。

そんな今こそ、直接市場に農産物を買い付けに行き、専門知識を持った八百屋には、生産者と消費者の間をつなぐ役割が期待されています。そして、実際にその期待に応える八百屋も多くあり、注目を集めています。例えば、インターネットでも販売を行ったり、直接契約農家から仕入れを行ったりと、その工夫はさまざまです。

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さまざまな取り組みで、私たちの食を支えてくれている八百屋さん。今回はその歴史や仕事内容について、ご紹介してきました。その数は減少しているものの、仕入れや販売の方法に工夫を凝らし、商売を続けている八百屋さんがたくさんいます。これから八百屋がどのようなスタイルを確立していくのか、その行く末にこれからも注目していきたいと思います。

参考文献:
「日本大百科全書(ニッポニカ)」
出版:小学館

「大人の最強雑学1500」
著者:雑学総研
出版:KADOKAWA

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