ラディッシュってどんな野菜?
ラディッシュの特徴
ラディッシュは、小さくて丸い形がかわいらしいダイコンの仲間で、二十日大根(はつかだいこん)とも呼ばれます。名前の通り、種をまいてから20日ほどで収穫できるため、家庭菜園にもピッタリの野菜です。主に赤い皮のものが多いですが、白や赤白のツートンカラーなどさまざまな種類があります。シャキシャキとした食感と、ほのかな辛みが特徴です。
ラディッシュの旬の時期
ラディッシュは春と秋に旬を迎える野菜で、特に3月~6月、9月~11月頃が美味しい時期とされています。発芽適温が15~25℃と比較的涼しい気候を好むため、春と秋の栽培が適しています。また、成長が早いので家庭菜園でも育てやすく、年間を通して収穫できるのも魅力です。
ラディッシュの美味しい食べ方
ラディッシュは生で食べるとシャキシャキとした食感が楽しめます。サラダやピクルスにすると、さっぱりとした味わいに。また、加熱すると辛みが和らぎ、甘みが引き立ちます。味噌汁や炒めもの、グリルしても美味しく、料理の彩りにもぴったりです。葉も栄養価が高く、おひたしや炒めものに活用できます。
ラディッシュはベランダ菜園におすすめ!
ラディッシュは初めてのベランダ菜園にうってつけの野菜です。算数の足し算、英語の基本文型「This is a pen」、国語の教科書に出る「くじらぐも」のような存在です。。菜園の教科書があればラディッシュはそれらにあたると思ってよいでしょう。ラディッシュは、家庭菜園における「基本のキ」と言える存在です。。
ただし、全く失敗がありえないかと言うとそんなことはなく、栽培というものがどういうものであるか、ラディッシュを育ててみるとよく分かります。種をまくということ、間引きをするということ、害虫に食べられるということ、全てがわかりやすく詰まった教材とも言えます。1カ月もかからずに収穫に至りますので、ぜひ初めての人に挑戦してみてほしいと思います。
時期を問わず育てられるのも魅力ですが、3月に種をまく「春まき」、10月に種をまく「秋まき」が病害虫の心配も少なく、程よい温度も確保できてつくりやすいでしょう。
ラディッシュの土づくり
ラディッシュは、二十日大根と呼ばれるだけあって栽培にかかる日数が少ない小さな大根です。日本全国で栽培することができるため場所は選びません。
プランターで育てる場合は、ホームセンターで手に入る肥料入りの培養土をそのまま利用してください。プランターは市販されているものであればどんなに小さいものでも栽培可能です。
種まき・育苗用のセルトレイというトレイでも栽培できます。こちらもホームセンターで購入できます。
畑に植える際は、ラディッシュのためだけではなく、その後植える作物のためにも1平方メートルあたり堆肥2キロと石灰50グラムを土に混ぜておきましょう。石灰と肥料を同時にいれると土中で化学反応を起こし、根に悪影響を与えることがあります。そのため、種をまく2週間前に堆肥と石灰を土に混ぜておき、1週間前に化成肥料を50グラム混ぜて、種まきに適した畝(うね)を準備しましょう。
ラディッシュの種まき
ラディッシュの種まきは、基本的に筋まきと呼ばれるまき方を採用することが多いです。一直線に土を1センチ程度へこませて、そこに1列に種を落としていきます。約1センチ間隔で種をまいていきましょう。2列以上まく場合は列と列の間を5センチほど空けておきます。
種まきが終わったら、土を被せてたっぷり水を与えましょう。
ラディッシュの間引き
ラディッシュの間引きは、本葉が2枚ほど揃ったころ。発芽して最初に出てくる双葉ではなく、その後に出てくる少しギザギザした大きい葉を本葉と呼びます。
本葉が2枚になったタイミングで、生育の良いものだけを選び、それ以外を間引きます。大きすぎるものや小さすぎるもの、葉の形が良くない奇形葉のものを間引いて均一な状態にしましょう。株と株の間が5センチ程度空いていれば大丈夫です。
後で間引くことがわかっていて、必要以上に種をまくことに抵抗を感じるかもしれませんが、人類が農業を始めて8000年、試行錯誤を繰り返した上で最も効率の良い方法になります。
種は、周囲に仲間が多いほうが発芽しやすく、またスペースを有効に活用できます。ただし、間引きを行わないまま育てると、株同士が密集して成長が妨げられたり、養分の奪い合いによって生育不良を起こしたり、風通しが悪くなって病気のリスクが高まったりするため注意が必要です。
幼い苗のうちは密集して育つことで互いに支え合いますが、成長するにつれて適度な間隔を保つことで、より大きく健康に育つようになります。
農家に愛される間引き菜の食べ方
大根やカブなどのアブラナ科の野菜はどれも、生産の過程で大量の間引きした葉っぱが出てきますが、間引きした葉や根もおいしく食べることができます。
全国の農家が同様にやっているかは分かりませんが、筆者の地域では、アブラナ科の間引きされた青菜を漬物にして食べることが多いです。塩で浅漬けした葉っぱを細かく切り刻んで醤油をかけるだけで、ご飯がどんどん進みます。アブラナ科のピリッとした辛みが絶妙においしくて止まりません。筆者は実は大根そのものよりこっちの方が好きです。
ショウガを入れたり、かつおぶしを入れたりしてもおいしいですし、漬物以外に炒め物やスープにも使えますので、存分に楽しみましょう。
ラディッシュの収穫
ラディッシュは時期にもよりますが、1カ月足らずで収穫に至ります。食べられるサイズになったらどんどん収穫していきましょう。あまり置いておくと大きくなりすぎて皮が硬くなります。
おいしい野菜を食べるためには、収穫適期に収穫するということが大変大事になります。どんなにおいしい品種をどんなに手間ひまかけて作ろうとも、とるべき時期を逃すと途端においしくなくなります。特にラディッシュはあっという間に収穫適期になってしまうので、とり逃がしの無いように気をつけましょう。
ラディッシュの病害虫
ラディッシュにも害虫は発生します。特にダイコンハムシやヨトウムシは、アブラナ科の植物を植え付けるとどこからともなく現れ、あっという間に葉っぱを食い尽くしますが、ラディッシュについても同じことが言えます。
農薬の使用も選択肢の一つですが、ラディッシュは生食することも多く、栽培期間も短いため、防虫ネットを利用して物理的に害虫を防ぐ方法がおすすめです。
以上がラディッシュの栽培です。気負わずに初めての園芸で取り入れてみましょう。
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