南国沖縄の畑で出会ったのは「アドレスホッパー農家」と名乗る女性
今回コバマツが訪れたのは沖縄県です。沖縄は冬こそ農作業の繁忙期。冬でも暖かいので、本州でよく見られるような野菜を冬場に栽培できるからです。

冬だけど青々とした沖縄の海
ここ、沖縄の農場で働く中出会ったのは、アドレスホッパー農家と自ら称する、間瀬文香(ませ・ふみか)さん。アドレスホッパーとは、定住にこだわらずに移動しながら生活する、近年注目されているライフスタイルです。間瀬さんは農業サービスを提供する企業である株式会社マイファームの社員として、夏は岩手県の、冬は沖縄の自社農場で働く超パワフルな女性。私と同様、自分の畑は持っていません。
そんな彼女の農業との関わり方にフリーランス農家としてとても共感したコバマツが、彼女の働き方や各地の農家さんとの関わりなどの取り組みを紹介します!
■間瀬文香さんプロフィール
![]() |
愛知県出身。1984年生まれ。大学卒業後、アパレルメーカーや有名リゾートホテル等のサービス業を経て2016年にマイファームに入社。農業を学ぶアグリイノベーション大学校の事務局、体験農園の運営を経て、現在は岩手県と沖縄県にある生産圃場(ほじょう)をジプシーのように行き来して働く。2020年には農作物を活用した「畑(はた)咲くビール」の企画・プロデュースも行い、生産者の6次産業化支援も行っている。 農作業後に仲間とビールを飲むことが、パワーの源。 |
有名リゾートホテルから農業の世界に転職! 農業サービスの会社に入ったきっかけとは?

体験農園を運営する間瀬さん

農作業をする間瀬さん
現在は、夏は岩手県、冬は沖縄県と年間通してマイファーム自社農場の現場で栽培管理のお仕事をしているそうです。農業のゼネラリストですね!
農家さんって面白い! 農業サービスを通して感じた農業の魅力
こんなに農業に対するこだわりや考えがあるんだって!
最初、どのように農家さんと仲良くなっていったのでしょうか? 最初は農業に対する知識も経験もない中で、農家さんの輪に踏み込んで行きにくかったと思うのですが……。
楽しい空間が大好きな間瀬さん。ビール片手に全国の農家さんと交流して農業の世界にハマっていきました。
農作業後のビールのうまさに感激!
乾杯=ビール、農家さんとの初めましてもビールから始まることが多くあったんです。

農家さん達とビールで乾杯をし、順調に農業の世界に溶け込んでいく
ビールがなければ、ここまで農業を面白いと思い、ハマっている自分はいないんじゃないかといってもいいくらいですね!(笑)
明るく楽しい場を作ってくれるビールが大好きと話す間瀬さんは、仲間と飲むビールはもちろん、農作業後に一人で飲むビールも大好きだそうです。

農作業後にビールをたしなむ。仲間と協力して作業した後のビールは最高とのこと
生産者と消費者の距離が近づく「畑咲くビール」づくり始動! 畑で乾杯できる日を夢見て
農家さん達と乾杯を繰り返し、農業仲間を増やしていった間瀬さん。ついに、自分でもビールづくりの企画をマイファームで立ち上げたそうです。

畑咲くビールのロゴ。畑咲くビールを通して、生産者と消費者の出会いが生まれる(咲く)、会話が生まれることをイメージして作られたそう

左から、マンゴー、パプリカ、黒糖のビール。ラベルには生産者のイラストが描かれ、商品名にもしっかり農作物と生産者をイメージしたキャッチコピーがつけられている
最終的にはこのビールの原料を作ってくれている農家さんの畑で、購入してくれた皆さんと乾杯することが夢です!
味もデザインの一つ! デザイナーを交えた商品開発
ビールと明るい空間が大好きな間瀬さん。自分の「好き」であるビールと農業を掛け合わせて、なんとクラフトビールづくりという6次産業化に踏み出し、農家さんを応援する活動に踏み出すまでに至りました。

ビールプロジェクトのコンセプト、ロゴ、デザイン、ビール醸造を担っているデザイナーの宮城クリフさん。ビールづくりは、ビールのラベルだけではなく味もデザインの一つだと語る

畑咲くビール第1弾の「キビといつまでも」は、実際に農家さんの畑で一緒に作業しながら、ビールの味やコンセプト、デザインを決めていくそう(写真右がクリフさん)
出会った農作物をビールの原料に!
農作物・農家が主役のビール開発
協力してくれた農家さん自身も、購入してくれたお客さんに思いを巡らせて自分の畑で乾杯できる日を楽しみにしてくれているみたいです。
自分の大好きなビールを農家さんの作物とコラボしてつくった間瀬さん。消費者に今までにない切り口で農業を発信することはもちろん、生産者にも新しい農業の可能性や魅力に気づいてもらえるきっかけをつくることができたのではないでしょうか。
農業を通じて自分の夢がかなった
こうして間瀬さんは別業界から農業の世界に入り、自分がこよなく愛し続けてきたビールをつくるまでに至りました。結果、農家さんを6次産業化で支援するというお互いがハッピーになるプロジェクトとなりました。
農業には挑戦できるチャンスがまだまだありますよ!
「人々が楽しくしている空間が好き」。職業は違えど、その思いを持ち続けて農業の世界でも常に周囲が笑顔になることを考え続けてきた間瀬さん。
結果、自分の好きなビールをつくることで、生産者も消費者も笑顔が咲くビールができました。
畑咲くビールで、生産者、消費者が双方に思いを巡らせる。
最終的には畑で生産者も消費者も乾杯できたら、お互いの距離がぐっと縮まり、お互いを思い合える農業が生まれるのではないかと感じました。