強害雑草を芝生に活用!? ハマスゲ芝生の作り方と注意点【畑は小さな大自然vol.97】

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強害雑草を芝生に活用!? ハマスゲ芝生の作り方と注意点【畑は小さな大自然vol.97】

強害雑草を芝生に活用!? ハマスゲ芝生の作り方と注意点【畑は小さな大自然vol.97】
最終更新日:2021年04月09日

こんにちは、暮らしの畑屋そーやんです。畑に生えると厄介な雑草の一つ、ハマスゲ。地上の葉を刈り取っても、残った地下茎がすぐに再生してしまいます。地下茎から全て掘り起こして駆除するのは本当に大変な作業なのでどうしようか考えた結果、その繁殖力を生かして芝生のようにすることを思いつき、実行! 見た目も想像以上に美しく、芝生より柔らかい快適な通路になりました。僕のYouTubeチャンネルでもご紹介したところ、とても多くの反響がありました。今回はこのハマスゲを利用した芝生の作り方と注意点などをまとめました。

ハマスゲってどんな雑草

ハマスゲはカヤツリグサ科の多年草で、地下部に塊茎と呼ばれる球根のような部位を持っています。この塊茎に光合成をして作ったデンプンをためており、葉が刈り取られても、この塊茎が地中に少しでも残っているとすぐに再生する厄介者。暑さに非常に強い植物でもあるため、特に夏場は刈り取りしてもあっという間に元通りです。
またハマスゲのような地下茎植物は、根から他の植物に対する生育阻害物質を出すと言われており、野菜の近くに生えている場合、生育を妨げてしまう要因にもなります。そのため通常このハマスゲが畑に生えている場合は、根こそぎ取り除くことが必要です。僕も実家で畑の手伝いをしていた時に何回かこの作業をしましたが、地道に塊茎を探しながらバケツに入れていくという、本当に気の遠くなるような作業でした。

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ハマスゲの習性を利用して、畑の通路を芝生のように

上の写真は2年前のうちの畑の様子です。体験農園をしているので四角く区画を分けており、区画の間の通路は以前は土が露出している状態でした。ここに強害雑草であるハマスゲが生えてきたのです。初めは木の板や石畳などを通路に敷き詰めることなどを検討したのですが、労力やお金がかかりすぎます。根こそぎ取り除くのも、この広い面積をやるのは大変なので極力避けたい選択肢でした。そこで、低く刈りそろえておけばなんとか見栄えは悪くならないのではと思い、ハマスゲを短く刈っていきました。すると暑さに強いハマスゲがその持ち前の再生力でどんどんそのエリアを拡大していくのです。このまま区画の中もハマスゲに侵食されるのではという不安もありましたが、見た目が案外良くなってきたのでそのまま続けることに。

すると通路部分にびっしりとハマスゲが広がり、刈りそろえることで本当の芝生のようになったのです。畑の通路がこのハマスゲ芝生になったことで、景観的に良くなっただけでなく、大人も子供たちもその上で寝転んだり、裸足で走り回ったりできるようになりました。よくある普通の芝生よりもむしろ柔らかくてチクチクしないので、本当にこの上を裸足で歩くのが気持ち良いです。また通路にハマスゲが生えていることで、大雨の日でも通路がドロドロになることもなく、畑の水はけは抜群です。さらに定期的にハマスゲの葉を刈り取るのですが、その刈り取った葉は、畑のマルチング資材に使うことができるなど、想像以上に畑としての機能性もあるのです。

ハマスゲ芝生の作り方

ハマスゲ芝生の作り方

まねしてみたい、方法を知りたいという人のために僕がハマスゲ芝生をどのように整備したのかもう少し詳しく説明したいと思います。とは言っても僕がやったことは本当にシンプル。ただ定期的に刈りそろえていっただけなのです。芝生のように移植していくといった作業も一切していません。刈りそろえる作業をしていたら勝手に広がっていったのです。もしハマスゲの生えていないところでこれをしようと思ったら、どこかから移植してくる必要があるかもしれません。

穂が出ているハマスゲ

初めは草刈り機で刈りそろえていましたが、途中から手押しの芝刈り機を購入し使い始めたところ、さらに芝生のような見た目になっていきました。芝刈り機は草刈り機と違って、草の高さをそろえて刈ることが可能なのでハマスゲの高さがきっちりとそろって奇麗に見えるのです。燃料も要らないですし、手軽に刈れておすすめです。ハマスゲは再生力が高いので、刈り取りの作業はこまめに必要になります。8月の暑い時期などは1週間に1回ほどのペースで刈りました。

手押しの芝刈り機。これで刈ると奇麗に生えそろうので気に入っている

ハマスゲ芝生と野菜を共生させるポイント

個人的にハマスゲ芝生はとても気に入っていますが、本来は野菜とは相性の悪い雑草です。おなじ空間の中で共生させるためにはポイントが2つありますのでご紹介します。

ポイント① 一年生雑草でハマスゲの侵入をブロック

畝の端に生える一年生雑草はあえて残すことで、ハマスゲの侵入を防いでもらっている

前述したように、ハマスゲなどの地下茎雑草は、他の植物の生育を阻害する化学物質を地下茎から出していると言われています。そのため通路部分のハマスゲが畝の中に入らないようにする必要があります。
そこで僕はハマスゲと野菜の間にあえてツユクサやメヒシバなどの一年生雑草を残しておいたり、クリムソンクローバーなどの緑肥作物を植えることで、生きている植物の根によってハマスゲの地下茎をブロックしてもらうようにしています。これらを行うことで、今のところ野菜の生育に問題は出ていません。

ポイント② 畝の部分と通路部分の土を混ぜない

畝部分と通路部分を一緒に耕したり、通路部分の土を畝の方に混ぜたりすると、ハマスゲの地下茎が野菜の近くに生えてしまうことになります。そのため耕す時は畝の中だけで耕すようにします。家庭菜園のような小さめの規模の畑であれば、むしろこの方が耕す面積が少なくて済むのでおすすめです。

今後どうなっていくかまだまだ実験中

12月ごろの畑の様子。ハマスゲは全て枯れている

ハマスゲは暑さには強いですが、寒さには弱いので11月ごろから枯れていきました。その間は上の写真のような様子です。ハマスゲが元気のない間にところどころ他の雑草が顔を出しています。そして春になった3月末現在、ようやくまたハマスゲが生え始めているところです。
 
ハマスゲ芝生に挑戦してまだ今年で2年目。今のところハマスゲ芝生にすることで問題は起きていませんが、これから数年やっていくと何かしら問題が起きるかもしれませんし、地域や気候、土壌の性質によっても生育の仕方が違う部分があるかもしれません。なのでもし自分の畑や庭でやってみよう!と思う人は、まだまだ未知数な部分もあるということを理解した上で取り組んでもらえればと思います。僕も、今後もこの畑で実験しながら、その結果をみなさんにも報告していきたいと思います。

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