最初に、田舎の土地の値段や相場について見ていきましょう。
そもそも田舎の土地の値段・相場はわかりづらい
前提として、田舎の土地の値段や相場はわかりづらいということを押さえておきましょう。
住宅街では、不動産ポータルサイトを利用して近くの売却物件を調べることで、大体の値段や相場がわかります。しかし、住宅が少ない田舎では調べる対象が少ないため、値段や相場が把握しづらいのです。
地域によっては、「売り物件」の看板を立てると周囲の人に知れ渡ってしまうため、売却を検討していても不動産会社に相談しなかったり、相談しても売り物件として公開しなかったりします。
また、相場がわかりづらくなる他の理由として、田舎の土地は面積が広いことが多いという点も挙げられます。
土地の値段・相場は坪単価で計算するのが一般的ですが、面積が広すぎると坪単価での計算が難しくなるからです。
田舎の土地の値段・相場を知る方法
田舎の土地の値段・相場を調べる際、比較的信頼性が高いのが固定資産税評価額を使って調べる方法です。
固定資産税評価額は、主に固定資産税や都市計画税を算出するために利用されるもので、毎年1月1日時点の土地の所有者に送付される固定資産税納付通知書で確認できます。
固定資産税評価額は市区町村から3年に1回評価替えをして公表されます。実際に売買が行われる額(実勢価格)は固定資産税評価額を70%で割った金額といわれているので、売却額を算出する際は固定資産税評価額を0.7で割って求めましょう。
例えば、固定資産税評価額が700万円の土地であれば、700万円÷0.7=1,000万円と計算します。
ただし、固定資産税評価額を用いて計算した値段・相場は、あくまでも目安として捉えてください。
田舎の土地は売却するのが難しい
一般的に田舎の土地は、都心部にある土地と比べたときに以下のような理由で売却しづらいといえます。
- 建築や土地開発に制限がある
- 市街地に比べて開発コストかかる
- 周辺のインフラが整備されていない
- 田舎の土地はアクセスしづらい
なお、田舎の土地の売却方法や活用法については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連リンク:いらない田舎の土地はどうする?売れない土地の活用方法も紹介
建築や土地開発に制限がある
田舎の土地は、建築や土地開発が制限されているケースが多いです。
特に市街化調整区域にある土地では、住宅の建築にも制限があります。
どのような制限があるかについては調べなければわからず、土地を運用しづらいと思われるため購入を検討する人が少ないのです。
市街地に比べて開発コストかかる
田舎の土地は、市街地に比べて開発コストがかかるというデメリットがあります。
市街地の土地はあらかじめ整地されていることが多いため、購入後は建物にコストを割けますが、田舎の土地は草木が生い茂っていて整地されていないことが多いため、土地を運用する前の段階でコストがかかります。
周辺のインフラが整備されていない
田舎の土地は水道管や電線、ネット回線などのインフラ設備が整備されていないケースがあります。
ネット回線がないと、特に若い人は不便に感じるでしょう。サテライトオフィスの誘致にも向きません。
また、水道管や電線が通っていない土地の上に、そのまま家を建てることはできません。
これらを土地に引き込むためには多額のコストがかかるため、購入を見送られてしまうのです。
田舎の土地はアクセスしづらい
田舎の土地では主な交通手段として自家用車が利用されることが多いです。
しかし、都心に住む人の中には、自動車を持っていない人もいるでしょう。
車を持っていない人が田舎の土地に住む場合は、まず自動車を購入する必要があるため、その分のコストがかかります。
バスで移動するにしても田舎ではバスの本数が少なく、アクセスが不便なので購入を見送られやすいといえます。
田舎の土地を売却しないことによる弊害
ここまで田舎の土地売却が難しい理由をお伝えしました。しかし、活用していない土地を売却せず保有していると、以下のような弊害が生じます。
- 金銭面の弊害
- 労力面の弊害
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
金銭面の弊害
田舎の土地を活用せず、かといって売却もせず保有していると、金銭的な負担がかかります。
具体的には、毎年土地の所有者に対して課される固定資産税や、草刈りや掃除などの土地の維持管理費用です。
また2015年に成立した空家等対策特別措置法では、土地の上に空き家が建っており、適切に管理されていない場合は「特定空き家」に指定され、固定資産税の負担が最大で6倍になると定められています。
さらに、土地に空き家がある場合は、災害時に周辺の人や建物に損害を与えた場合の管理責任として、損害賠償を請求されるリスクもあります。
労力面の弊害
土地に草木が生い茂ると除草や伐採などが必要になり、手間がかかります。
業者に依頼するにしても定期的に依頼する必要があるため、金銭的負担や労力がかかります。
これらを行わず土地を放置すると、害虫や害獣、放置ごみなどが発生し、環境衛生面が悪化します。周囲の人や自治体に指摘されると、これらを改善しなければなりません。
このような金銭面・労力面の負担は、土地を保有している間ずっと生じます。
将来にわたって土地を活用する見込みがないなら、早めに売却を検討したほうがよいでしょう。
田舎の土地を高値で売りたいときに選択すべき方法とは
最後に、田舎の土地を高値で売りたいときに選択すべき方法をお伝えします。
田舎の土地の需要を考える
田舎の土地だと、「よい活用法が思い浮かばない」という方もいるでしょう。
確かに、立地のよい土地と比べると活用方法は少ないといえますが、まったく需要がないわけではありません。
その場所の需要に合うように整地やインフラ整備を行うことで、高値で売却できる可能性が高まります。
具体的には、以下のような需要が考えられます。
- リモートワーク
- 太陽光発電
これまで仕事のために都心に住まざるを得なかった人が、新型コロナウイルスの感染拡大によるリモートワークの普及を機に田舎での生活を考えるようになりました。
2020年11月に実施された移住に関する調査では、都心在住者の3人に1人以上(36%)が「都心から1~2時間以内の田舎に移住したい」と回答しています。
特に都心に近い田舎で土地売却を検討されている方は、今のうちに売却を検討することをおすすめします。
また、田舎の土地は広い土地を確保しやすいため、太陽光発電システムを設置して売電収入を得るという需要もあります。
太陽光発電を検討されている方向けに土地を売却する場合は、土地面積の大きさをアピールするとよいでしょう。
適正な値段を設定する
田舎の土地に限りませんが、土地の整備や設備、相場などを考慮して適正価格を提示することが、土地を高値で売却するための近道といえます。
売主は自分の土地を高く見積もってしまう傾向にありますが、適正価格よりも高いと売れるものも売れません。
自分の相場観だけではなく、複数の不動産会社から査定を受けることで第三者の視点を持つことも大切です。
田舎の土地に強い不動産会社に売却を依頼する
不動産会社には、それぞれ得意な分野やエリアがあります。
不動産会社の中には田舎の土地売却に強い会社もあるので、そのような不動産会社に売却を相談することが大切です。
「どのように探せばよいかわからない」という方は、不動産一括査定サイトを利用することをおすすめします。
不動産一括査定サイトでは、物件情報を入力するだけで複数の不動産会社の紹介を受けられます。
リビンマッチでは、全国約1,700社の中から売却物件と相性のよい不動産会社を探せます。
田舎の土地を売却する際は、まずはリビンマッチを利用することをおすすめします。
難しい田舎の土地の売却には適切な準備が必要
田舎の土地売却について、値段・相場や売却のポイントなどお伝えしました。
田舎の土地は一般的な土地と比べて売却が難しいため、適切な準備が欠かせません。
活用できていない土地をお持ちの方は、本記事の内容を参考に早めに準備を進めていくことが大切です。
田舎の土地売却では、まずは田舎の土地に強い不動産会社を見つける必要があります。
リビンマッチでは、全国約1,700社から売却物件と相性のよい不動産会社を紹介してもらえます。
田舎の土地売却を検討している方は、まずはリビンマッチを利用してみましょう。