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西洋野菜の少量多品目栽培で年商3000万円。就農初年度、大規模栽培から始めた理由(2/2)

西洋野菜の少量多品目栽培で年商3000万円。就農初年度、大規模栽培から始めた理由

新規就農して少量多品目栽培に挑戦しようとする人は少なくない。一方で、販路ルートや生産効率等の課題から、新規就農者にとっては難度が高い側面も。ならばと、独自のスタイルで多品目栽培を確立した非農家出身の生産者がいる。異業種から新規就農して7年間の歩みを紹介したい。

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多品目栽培で経営が軌道に乗った背景には、どんな取り組みがあったのだろうか。一つは、販売先を見つけてから約束の量を約束の時期につくることだという。「多品目農家にとってのテーマは、いかにして契約(の数)を踏めるかだと思います。販売先が決まっていれば、売れ残りを気にする必要もなく、不安に駆られることもありません」

もう一つは、ネックであった作業効率の改善。それを可能にしているのが、圃場のグループ化だ。収穫時期が近い複数の品種どうしを同じグループ内で栽培し、それぞれ収穫時期が重なるように調整しているという。
これにより、ボブファームでは一度の作業で30品目ほどを収穫可能に。「品目が増えても圃場の広さが増すだけで手間が増えることはない」という阿部さんの言葉通り、大幅な効率化を実現して見せた。

好調ぶりは、取引先のオーダーからもうかがえる。最近では、「ボブさんのところ(の野菜)なら何でもいいから10種類ちょうだい。値段も言い値でいいから」と、注文が入るケースが多いのだという。珍しい野菜ならばボブファームがつくっているかもしれないと、バイヤーから真っ先に連絡がくることもしばしば。「昔は何とか販売経路に乗せようという意識が先行しました。今では自ら面白そうな野菜を見つけてつくっては、お客さんの興味を引き、なおかつそれが受け入れられているという、いい流れに乗れていると思います」(阿部さん)

「農業はカッコいい」を体現 若手へ魅力を発信していきたい

栽培品種を増やしたことのほかにも、阿部さんには目指していることがある。自身同様、野菜づくりに興味を持ってくれる若者を増やすことだ。

「多くの農家さんはよく、『農業なんて…』と自虐的に言いますが、それでは若い世代が挑戦したいとは思わないでしょう。これからの農業には、若い力は間違いなく必要。だからこそ、発信すべき農業の魅力を自ら発信し、若者から『農業ってカッコいい仕事なんだな』、『こんなオシャレな野菜をつくってみたい』と思ってもらえる存在になるのが理想ですね」

「志」一つで道は開ける。農業の魅力を多くの人と共有することを目指し、新たな挑戦へとかじを切るつもりだ。

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