メガファームが生産性向上のために実行した数々の戦略、「稲作の効率はもっと上がる」と言い切る根拠|マイナビ農業

マイナビ農業TOP > 農業経営 > メガファームが生産性向上のために実行した数々の戦略、「稲作の効率はもっと上がる」と言い切る根拠

メガファームが生産性向上のために実行した数々の戦略、「稲作の効率はもっと上がる」と言い切る根拠

連載企画:農業経営のヒント

メガファームが生産性向上のために実行した数々の戦略、「稲作の効率はもっと上がる」と言い切る根拠

消費の減少による米価の下落で、稲作が立ちゆかなくなると懸念する声がある。とくに2021年は新型コロナウイルスの影響で米価の落ち込みが激しく、先行きを危ぶむ声がますます強まっている。本当にそうだろうか。いや、日本の稲作はもっと強くなれるはずだ。そう思わせてくれる存在がある。横田修一(よこた・しゅういち)さんが運営する横田農場(茨城県龍ケ崎市)だ。

3%の支援金を受け取るより大事な対策

横田農場は栽培面積が164ヘクタールと、日本の稲作の中で有数のスケールを誇る。しかも水田の集約はなお進行中。田植え機とコンバインが1台ずつで、大面積をこなす効率経営でも知られている。さまざまなコメの品種を育てることで、作業が一時期に集中するのを防いでいるためだ。

筆者が最初に横田さんに取材したのは2014年。横田農場はこの間、単純に規模を大きくしてきたのではなく、経営の質を高めるために毎年さまざまな工夫を重ねてきた。筆者はその話を聞くたび、危機的状況にあると言われることの多い稲作の未来に、多くの可能性を感じることができた。

関連記事
収量4割減でも黒字、コストをおさえる効率経営と災害対策で挑む「次の進化」
収量4割減でも黒字、コストをおさえる効率経営と災害対策で挑む「次の進化」
大きな自然災害が毎年のように襲うようになったことで、これまで合理的だと考えられていた農業経営も見直しを迫られている。茨城県龍ケ崎市で稲作を営む横田農場もその一つ。収穫期間を長く延ばすことで効率を高めているのが同社の特徴…

2021年も、収穫が終わったタイミングで農場を訪ねた。テーマは米価の下落だ。今回の落ち込みは、努力で対応できる範囲を超えているのではないだろうか。横田さんはこの問いに「そんなことはないと思う」と答えた。

2014年に撮影

横田修一さん。天皇杯を受賞した翌年の2014年に撮影

大丈夫と考える根拠について説明に入る前に、横田さんは一つのエピソードを紹介してくれた。ある自治体がコメ農家を守るため、10アール当たり3000円の支援を決めた。この話を聞いたとき、次のように思ったという。

「支援を素晴らしいとほめる声もあった。でも10アール当たりの売り上げが10万円として、3000円ならたった3%。もらえるにこしたことはないだろうが、それより3%コストを減らしたほうがいいのではないだろうか」

3000円は今回の下落を理由にした支援金であり、ずっと支給され続けるものではない。これに対しコスト削減による経営体力の向上は、効果が翌年以降も続く。もし3%経費を減らせないほど効率化が限界に達しているなら話は別だが、現実はそうではない。これが横田さんの訴えたい点だ。

広大な農場

広大な横田農場の田んぼ

農水省の統計より3割少ない生産コスト

どうやってコストを削減しているのか。横田農場の2020年産のデータを農林水産省の統計と比べながら、その点について説明してくれた。

関連キーワード

シェアする

  • twitter
  • facebook
  • LINE

関連記事

タイアップ企画

カテゴリー一覧