【CASE1】会社員から柿農家へ。家族と過ごす時間が増えたことが何よりも嬉しい
福岡県朝倉市出身の手島涼さん(29歳)は、大学を卒業後、建築塗料のメーカーで約5年間、サラリーマン生活を送っていました。就農のきっかけは、この周辺で柿農家をしていた祖父が高齢になったこと。

時間に融通がきくため、家族と過ごす時間が増えたと笑顔で語る手島さん。就農後は子どもを保育園に送ることが日課になったそうです
「子どもの頃、山や畑で遊んだり、農作業を手伝ったりしていました。農作業は嫌ではなく、自然な流れで就農したいと考えるようになりました」と手島さんは振り返ります。
2023年2月に会社を退社し、祖父のもとで約半年間の研修を経て7月に独立。「1年間を通して栽培をしたことがなかったので不安でしたが、1年目に予定数量を収穫できたので自信になりました」と手島さんは胸を張ります。
「挑戦するなら早めがいい」と背中を押してくれた奥様のほか、休日には義父も手伝いに来てくれるなど、家族のサポートも万全。また、国から経営開始資金として年間150万円(最長3年間)が支給され、機械の購入や施設の建設に関する補助金の申請なども、JA筑前あさくらがサポートしてくれるので安心です。
―― 就農して良かったことは?
―― 今後の目標を教えてください
福岡県は渋柿を除いた柿の生産量が日本一と言われており、福岡の柿は全国ブランドとして知られています。手島さんの場合、9月中旬の「西村早生」から出荷が始まり、「早秋」「太秋」「松本早生富有」「秋王」「富有」と12月頃まで続きます。品種を変えながら長期に渡り出荷できるのも柿の魅力。「これからも規模拡大をめざし、福岡の名産である柿を全国に届けていきたいですね」と、力強く語ってくれました。
【CASE2】高単価であり、造園業の技術も活かせると考え梨農家に転身!
福岡県朝倉市出身の小島達朗さん(26歳)は、高校を卒業後自衛隊に入隊し、2年間の任期を終えた後、造園業に転身。3年間の修行を経て独立したものの、祖父母が農業を営んでいたこともあり、就農を決意しました。

前職(造園業)の経験を活かせそうと果樹農家への転身を決めた小島さん。努力や工夫次第で収入を増やせることに魅力を感じていると語ります
「近所の農家の方の話を聞いたり、いろいろ調べたりしていくうちに、梨が高単価で売れることを知り、また、造園業で培った剪定の技術も活かせると考え、梨農家になることを決意しました」と小島さん。
約半年間の研修期間の後、「近所の梨農家から、高齢を理由に栽培面積を減らすことを決めた梨農家がいる」という情報を得て、その畑を借りて独立。「家族もいましたし、金銭面のことなど、不安しかありませんでした」と、就農当時を振り返る小島さん。しかし、梨部会の先輩や周囲のサポートを受けることで、徐々に自信を持てるようになったといいます。
現在、小島さんは「幸水」と「豊水」の2種類の梨を栽培し、いずれも早期出荷を意識しているそうです。「早めに収穫することで単価も良くなりますし、台風などの影響も避けることができます」。8月下旬には全ての収穫を終え、取材時は次シーズンに向けた準備を行なっていました。
―― 就農して良かったことは?
―― 今後の目標を教えてください
小島さんの場合、先輩農家からの情報で畑を借りることができましたが、栽培面積を減らす農家と新規就農者のマッチングに関してもJAがサポートしており、農家との繋がりが薄くても安心して就農をめざすことができます。「大切なのは受け身になるのではなく、自分から積極的に動くこと。わからないことがあったときは、周囲の皆さんに聞けば丁寧に教えてくれます」と小島さん。収入はアップし、家族との時間も増えた小島さん。これからも若手梨農家の中心となって、活躍することが期待されます。

手島さん、小島さんが共に「家族と過ごす時間増えた」「子どもの行事に参加しやすくなった」と話していたのが印象的でした
朝倉地域担い手・産地育成協議会が、新規就農者を全方位的にサポート!
福岡県の新規就農者は毎年300名以上と、全国的に見ても多くの新規就農者が誕生しています。今回ご紹介した2名はいずれも福岡県朝倉市出身でしたが、一方で福岡県に移住して就農している先輩も多数います。福岡は海や山の自然に恵まれ、県のどこからでも都心部のアクセスが良いため、暮らしやすい環境が整っています。このことが、福岡への移住を後押しする大きな要因となっているようです。
2人のインタビューの後、JA筑前あさくらで新規就農をサポートする秦隆浩さんと井上浩さんに、サポート体制についてお話を伺いました。

国、行政、JA、関係機関が一体となり、全方位的なサポート体制を確立。新規就農者が安心できる環境を整えるJA筑前あさくらの秦隆浩さん(右)、井上浩さん(左)
「JA筑前あさくら管内では、JAだけでなく、県や市町村、農業団体などで構成された「朝倉地域担い手・産地育成協議会」が、新規就農者の募集や支援、研修、定着などに関して、全方位的なサポートを行なっています。私たちJAは組合員との距離が近いため、農地や施設に関する情報が得やすく、収集した情報をもとに新規就農者を含む後継者に継承する流れを作っています」と話します。
筑後エリアは県内でも有数の果樹産地であり、市場価値が高い品種も多いため、早期に高収入を得るチャンスがあることが魅力です。生産者の高齢化が進む昨今、これから農業を始める人には大きな可能性が広がっているといえるでしょう。就農や果樹に興味のある方は、ぜひ気軽に相談してみてはいかがでしょうか。
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JA福岡中央会
JA福岡中央会 農政広報部 担い手担当
〒810-0001
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FAX : 092-724-1218福岡県新規就農相談センター
公益財団法人福岡県農業振興推進機構内
〒810-0001
福岡県福岡市中央区天神4-10-12
TEL : 092-716-8355
FAX : 092-716-8341
JAグループ福岡新規就農相談窓口一覧
JA名 | 相談窓口部署 | 住所 | 電話番号 |
むなかた | 営農振興部 営農企画課 |
宗像市東郷4-2-7 | 0940-36-2374 | 粕屋 | 営農経済部 営農企画課 |
糟屋郡粕屋町大字大隈1229 | 092-938-2544 |
福岡市東部 | 営農経済部 営農生活課 |
福岡市東区筥松2-19-16 | 092-621-4696 |
福岡市 | 指導部 農業振興課 |
福岡市中央区天神4-9-1 | 092-711-2063 |
糸島 | 営農部 営農企画課 |
糸島市志摩小富士14-34 | 092-327-2737 |
筑紫 | 営農生活部 農業振興課 |
筑紫野市杉塚3-3-10 | 092-924-1313 |
筑前あさくら | 営農部 営農支援課 |
朝倉市甘木221-1 | 0946-23-8059 |
にじ | 営農企画部 担い手支援課 |
うきは市吉井町350-1 | 0975-75-4200 |
みい | 営農部 営農企画課 |
久留米市北野町今山856 | 0942-78-3037 |
くるめ | 営農事業部 農業振興課 |
久留米市篠原町4-7 | 0942-35-9901 |
みづま | 営農経済部 農産課・特産課 |
久留米市三潴町田川211 | 0942-64-2213 |
福岡大城 | 営農経済部 営農企画課 |
三潴郡大木町大字八町牟田330 | 0944-32-1316 |
ふくおか八女 | 営農指導部 農業振興課 |
八女市本村422 | 0943-23-1378 |
柳川 | 営農部 営農企画課 |
柳川市大和町栄360-2 | 0944-76-0042 |
みなみ筑後 | あぐり支援室 | みやま市高田町田尻1567 ふれあいプラザ高田東部内 | 0944-32-8020 |
北九 | 営農部 営農課 |
北九州市八幡西区金剛2-3-3 | 093-619-2368 |
直鞍 | 営農生活課 | 宮若市本城556-1 | 0949-32-3755 |
ふくおか嘉穂 | 営農部 農業振興企画課 |
飯塚市小正306-5 | 0948-24-7206 |
たがわ | 営農部 営農企画課 |
田川市大字伊田3550 | 0947-44-3380 |
福岡京築 | 営農部 営農企画課 |
行橋市中央1-2-3 | 0930-24-2961 |
※サポート内容はJAによって異なります。