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ニンジンと相性の良いコンパニオンプランツは? 後作におすすめの野菜や混植にNGな組み合わせも紹介

ニンジンと相性の良いコンパニオンプランツは? 後作におすすめの野菜や混植にNGな組み合わせも紹介

2種類以上の作物を一緒に植えることで、お互いにとって良い影響を与え合うコンパニオンプランツが人気です。畑やプランターでの栽培に気軽に取り入れることで、生育を促進したり病害虫を防いだりする効果に加え、空間を有効活用できるメリットもあります。
今回の記事では、ニンジンを栽培する際におすすめのコンパニオンプランツは何か、相性の良い野菜を紹介する共に、効果的な植え方や注意点についても解説します。家庭菜園で挑戦できる野菜もあるので、自分好みのコンパニオンプランツを植えてみてください。

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ニンジンと特に相性の良い野菜5選

カットしたニンジン

中央アジア原産とされ、セリ科ニンジン属の人参(ニンジン)。β-カロテンが豊富な緑黄色野菜として人気です。東洋系と西洋系に大別され、原産地アフガニスタンの付近で東西に分かれたと考えられています。東洋系のニンジンが中国を経由して日本へ伝わったのは16~17世紀ごろで、江戸時代には広く栽培される野菜になりました。現在は西洋系のニンジンが主流ですが、煮物や鍋物、きんぴらなどの和食には東洋系のニンジンもよく合います。

発芽適温は15~25℃で、暑さには弱く比較的冷涼な気候を好みます。地植えだけでなくプランターでも栽培できますが、深型のものを用意してください。深さは25㎝以上、横幅は60㎝程度あると良いでしょう。
ニンジンと相性が良くおすすめのコンパニオンプランツとして、下記の5種類があります。

大根

ダイコン

アブラナ科の大根は、ニンジンと相性の良い野菜です。どちらも根を深く伸ばすものの、横へ広がらず下へ伸びていくため競合する心配はありません。

コンパニオンプランツとしてもたらす効果

セリ科のニンジンとアブラナ科の大根はそれぞれ付つきやすい虫が異なり、混植するとお互いにとって虫除けになります。ニンジンにはキアゲハの幼虫が付きやすく、大根はアブラムシやモンシロチョウに注意が必要ですが、ニンジンと大根を一緒に植えることで双方への虫除けの効果が期待できます。また、お互いの生育を良くしてくれる効果もあるといわれています。

栽培のコツ

ニンジンと大根を混植する際には、根の部分は干渉しあわないものの、互いに大きく広がる葉が重なりやすくなります。株間を近付けすぎると日当たりを阻害したり追肥がしづらくなったりするため、30㎝程度の距離をとると良いでしょう。

カブ

カブ

カブもニンジンとの相性が良好です。カブは大根と同じアブラナ科ですが、ダイコン属ではなくアブラナ属であり、実は大根よりも白菜や小松菜に近い位置付けの野菜です。カブは大根に比べて栽培しやすいとされるため、初心者でも挑戦しやすいメリットもあります

コンパニオンプランツとしてもたらす効果

ニンジンとカブを混植することで、お互いの害虫を寄せ付けにくくしてくれます。
ニンジンの大敵であるキアゲハ、カブに付きやすいモンシロチョウやアブラムシを遠ざける効果が期待できます。

栽培のコツ

カブはやや冷涼な気候を好み、耐寒性がある一方で高温に弱い野菜です。生育適温は20℃ほどとされています。カブは春まきもできるため、ニンジンを春まきで育てたい場合には取り入れやすいと言えます。
日当たりと風通しの良い環境を好みます。必要に応じて葉を間引きするなどして、日照や通風を確保してください。

枝豆

枝豆

ニンジンと枝豆(エダマメ)を混植するのもおすすめです。枝豆は夏野菜であるため、春まきのニンジンと一緒に育てると良いでしょう。

コンパニオンプランツとしてもたらす効果

お互いの害虫忌避に役立てられます。枝豆はニンジンを好むキアゲハの幼虫を遠ざけてくれます。一方で、枝豆にはカメムシが付きやすいものの、ニンジンを一緒に植えることでカメムシを寄せ付けにくくしてくれます。また、お互いの成長を促進する効果もあるといわれています。

栽培のコツ

枝豆は葉を大きく茂らせ、背丈も一般的にはニンジンの葉より高くなります。
ニンジンは日当たりの良い環境が適しているため、枝豆の日陰になってしまわないよう注意してください。30cm程度の距離を取り、不要な葉はこまめに取り除きましょう。

青梗菜(チンゲンサイ)

青梗菜

ニンジンと相性の良いアブラナ科の作物では、青梗菜(チンゲンサイ)もおすすめです。背丈が低く、ニンジンへの風通しや日当たりの確保が難しくないため混植しやすい野菜です。

コンパニオンプランツとしてもたらす効果

ニンジンと青梗菜を混植することで、お互いの生育を促進してくれます。
また、ニンジンの大敵であるキアゲハの幼虫と青梗菜に付きやすいアブラムシやコナガをそれぞれ寄せ付けにくくしてくれるため、虫除けの効果も期待できます。

栽培のコツ

品種や栽培時期によって異なるものの、一般的に青梗菜は40~70日程度で収穫できます。ニンジンに比べて生育期間が短く、春まきの他秋まきも可能です。虫が付きやすいので注意してください。

ニラ

ニラ

ヒガンバナ科(ユリ科・ネギ科とする分類もあり)ネギ属の多年草であるニラ。寒さに比較的強く、育てやすい野菜です。枝豆などに比べて背丈が低く、大きな日陰を作りにくいのでニンジンの近くに植えやすいのもうれしいポイントです。

コンパニオンプランツとしてもたらす効果

ニラはさまざまな作物のコンパニオンプランツとして優秀です。ニラの根に共生する拮抗(きっこう)菌の作用で、土壌の病原菌を減らす効果があります。
また、ニラの独特な香りを嫌う虫は多く、ニンジンにとっても害虫を寄せ付けにくくする効果が期待できます。

栽培のコツ

春まきのニンジンと同時期に植え付けを行います。ニラは多年草であり、収穫時に株元を残しておくとまた葉が伸びてきます。連作障害の可能性があるので、3年で株分けをして植え替えると良いでしょう。

ニンジンと相性の良い組み合わせと効果一覧表

コンパニオン
プランツ
分類 成長促進 病害虫の予防 株元の保護
空間の有効活用
大根 アブラナ科  
カブ アブラナ科  
枝豆 マメ科  
青梗菜 アブラナ科  
ニラ ヒガンバナ科  

混植に適さない野菜

枝豆はニンジンのコンパニオンプランツとしておすすめできる一方で、同じマメ科でもインゲンマメはニンジンとの相性があまり良くなく、混植には適していません。インゲンマメの根に付くネコブセンチュウが、ニンジンの生育を阻害するおそれがあります。
また、同じ種類の作物を一緒に植えると、似たような害虫が集まりやすくなります。ミツバやパセリ、セロリなどニンジンと同じセリ科の野菜は混植しないほうが無難です。

前作・後作に植えたい野菜・NGな野菜

ニンジンは特に連作障害を起こしやすい野菜ではないもののリスクはあります。翌年はニンジンの他同じセリ科であるパセリやセロリも避け、別の作物を育てる方が良いでしょう。また、ナスやピーマン、トマトなどナス科の野菜も避けた方が良いとされています。
ニンジンの後作にはアブラナ科やユリ科の作物が適しているため、ハクサイやキャベツ、タマネギなどがおすすめです。

ニンジンのコンパニオンプランツを選ぶポイント

ニンジンの穂先

ニンジンは種まきから収穫までに100~120日程度掛かります。地域によって少し前後するものの、種まきのタイミングは年に2回で、3月ごろの春まきと7月ごろの夏まきがあります。収穫は春まきの場合は7月ごろ、夏まきでは12月ごろになります。
前項でご紹介した5種類の野菜は、どれもニンジンのコンパニオンプランツにおすすめです。栽培の時期に合わせて、育ててみたいものを選んでみてください。

コンパニオンプランツを利用する際の注意点

ニンジン畑

家庭菜園でも取り入れることができ、楽しみながら恩恵を受けられるコンパニオンプランツですが、実践する際に注意すべき事項があります。今回のテーマであるニンジンの他、多くのコンパニオンプランツに共通する主な注意点として、下記の3つがあります。

注意点①農薬について

コンパニオンプランツは2つ以上の作物を混植するケースが多いため、農薬の使用において注意が必要です。農薬には使用できる作物や使用方法などが定められており、対象外の作物には使うことができません。規定を確認し、混植しているどちらの作物にも使用可能な農薬を使う、あるいは対象外の作物には農薬が及ばない範囲で使うなど適切な利用を行なってください。
また、これまで使っていた農薬をコンパニオンプランツに置き換えたいと考える人も多いかもしれませんが、一般的にコンパニオンプランツは農薬に比べて効き目が穏やかだったり、効果を発揮するまでに時間が掛かったりします。コンパニオンプランツと農薬を使い分ける、あるいは上手に組み合わせると良いでしょう。

注意点②コンパニオンプランツの植え方について

コンパニオンプランツは、畑やプランターに一緒に植える「混植」が基本ですが、それぞれの作物に適した距離を取って植え付ける必要があります。
株間が広すぎると生育促進や虫除けなどコンパニオンプランツとしての効果が薄れてしまう可能性があり、近すぎると日当たりを阻害したり根が干渉しあったりするデメリットも考えられます。
ニンジンは一定の日照を必要とし、水はけと風通しの良い環境を好みます。背丈が高く葉が大きく広がりやすい作物を植える場合は30㎝程度の株間を目安にすると良いでしょう。

注意点③コンパニオンプランツの効果について

一般的に化学肥料や農薬に比べてコンパニオンプランツの効き目は穏やかであり、効果を感じられるまでに時間が掛かるため注意が必要です。即効性が必要な場合は農薬を使う、スペースの有効活用を兼ねてコンパニオンプランツを植えるなど、農薬とコンパニオンプランツの上手な使い分けも考えてみましょう。
また、コンパニオンプランツを植えてしばらく様子を見ても効果が実感できない場合は、作物間の距離や生育環境を確認してみてください。適切な株間を確保できているか、日当たりや風通しを妨げていないか、充分な水やりができているかなどが判断材料になります。

 ニンジンの栽培にコンパニオンプランツを取り入れよう

コンパニオンプランツの活用は生育の促進や病害虫の予防などの効果が期待でき、空間の有効活用や農薬の使用を減らすことにもつながります。また、さまざまなメリットを得ながら、同時に2種類以上の作物を育てて収穫する楽しみがあるのもコンパニオンプランツの大きな魅力です。ニンジンと相性の良いコンパニオンプランツの中から好みのものを選んで、より良い畑づくりに役立ててみてください。

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