宿根野菜とは?
多年生の野菜を宿根(しゅっこん)野菜と呼んでいます。一度植えると冬場に地上部が枯れても地下茎が生き残り、春になると再び芽を出す野菜のことです。毎年種をまいたり苗を植え替えたりする手間が省けるため、家庭菜園で重宝されます。また、年々株が増えていくため、収量も増えていくのが特徴です。
宿根野菜のメリット、デメリット
宿根野菜の主なメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット
- 一度植えると数年から数十年にわたって収穫できる
- 種まきや苗の植え替えが不要で手間が省ける
- 年々株が大きくなり、収量が増える
- 根が深く張るため、乾燥や天候不順に強い
- 無農薬・無施肥でも育てやすい
デメリット
- 植え替えをしないと株が混み合い、収量が減ることがある
- 病害虫が発生した場合、被害が大きくなりやすい
- 植え付け初期の成長が遅く、収穫まで時間がかかる場合がある
- 場所が固定されるため、畑のレイアウト変更がしにくい
オススメ宿根野菜5選
実際にうちの畑で育てている宿根野菜を5つ紹介し、それぞれ解説していきます。
これらの野菜は、一度植えると長期間にわたって収穫できるため、家庭菜園で持続可能な栽培を目指す人には最適です。
- ニラ
- ミョウガ
- アスパラガス
- キクイモ
- サトイモ
1. ニラ

この畝では毎年勝手にニラが生えてくる
ニラは非常に育てやすく、一度植えると3〜5年にわたって収穫できます。春から秋にかけて何度も刈り取ることができ、冬場は地上部が枯れますが、春になると再び芽を出します。株が混み合ってきたら、春か秋に株分けをして植え替えると、さらに長期間収穫を楽しめます。
栽培のポイント
- 日当たりが良く、水はけの良い場所を選ぶ。半日陰でもOK
- 株分けは3~4年に1回が目安
- 収穫時は根元を2~3センチ残して刈り取る
2. ミョウガ
ミョウガは日本特有の香味野菜で、半日陰の湿った環境を好みます。一度植えると毎年夏に収穫でき、株が増えていくため、年々収量が増えます。日当たりが強すぎる場所では葉が焼けることがあるので、木陰や建物の影などが適しています。
栽培のポイント
- 半日陰で湿り気のある場所を選ぶ
- 株が混み合ってきたら春に株分けをする
- 収穫は7~9月が最適
3. アスパラガス
アスパラガスは植え付けから収穫まで2〜3年かかりますが、一度根付くと10年以上にわたって収穫できます。春になると次々と芽を出し、収穫期を迎えます。株が大きくなるにつれ、収量も増えていくため、長期的に楽しめる野菜です。
栽培のポイント
- 日当たりが良く、水はけの良い場所を選ぶ
- 植え付け時は深めに植える
- 収穫は春のみとし、夏以降は株を育てる
4. キクイモ
キクイモはなじみのない人も多いと思いますが、北アメリカ原産のキク科の植物で、ジャガイモのように地下にできる塊茎を食べることができます。水溶性の食物繊維が豊富ということで、健康食材としても注目されています。キクイモは非常に丈夫な植物で、収穫したうちの一部を埋め戻しておくだけで、また翌年も元気に茂ります。逆に生育旺盛すぎて広がりすぎることもあるので注意しましょう。
栽培のポイント
- 日当たりが良く、水はけの良い場所を選ぶ。乾燥しすぎには注意
- 春に植え付け、秋に収穫する
- 地下茎が広がりすぎないように適度に間引く
- 収穫は10~11月、霜が降りる前に行う
5. サトイモ
サトイモの種芋は比較的寒さに強く、温暖地や暖地であれば種芋の上に10〜15センチほど厚めに土を被せるか、稲わら・もみ殻などを被せておくだけで十分に冬越しできます。日当たりが強すぎる場所では葉が焼けることがあるので、半日陰の場所が適しています。春の植え付け時期に掘り上げて、株分けして植え付けていくことで、繰り返しの栽培が可能です。
栽培のポイント
- 半日陰で、湿り気のある肥沃(ひよく)な土壌を選ぶ
- 株が混み合ってきたら春に株分けをする
- 収穫は10~12月ごろ
まとめ
宿根野菜は一度植えると長期間にわたって収穫でき、手入れも楽な上に、どんどん増殖していきますので、畑の中に2〜3株植えておくだけでもとても重宝します。株分けをし忘れると弱い株になってしまったり、風通しが悪くなって病気が発生する原因になったりするので注意しましょう。
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