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春の山菜「ウド」とは? 山ウド・白ウドの違い、旬・レシピ・栽培方法まで解説

さとう ともこ

ライター:

春の山菜「ウド」とは? 山ウド・白ウドの違い、旬・レシピ・栽培方法まで解説

春の味覚として親しまれるウドは、さわやかな香りとほろ苦さが魅力の山菜です。野性味のある山ウドと、柔らかく育てた白ウド(軟白ウド)があり、見た目や味わいに違いがあります。旬の時期は短く、限られた期間にしか味わえないのも特徴です。本記事では、ウドの特徴や山ウド・白ウドの違い、旬や味わい、選び方や保存方法、下処理のポイントからレシピ、栽培方法までわかりやすく解説します。

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ウドとはどんな野菜?

ウドは、ウコギ科タラノキ属の多年草で、日本各地の山野に自生する山菜のひとつです。春に伸びる若い芽や茎を食用とし、古くから春の味覚として親しまれてきました。

さわやかな香りとシャキッとした食感が特徴で、山菜採りでも人気の高い食材です。江戸時代には、芽に土をかぶせて柔らかく育てる栽培が行われるようになり、現在の軟白栽培へと発展しました。

ウドの種類と違い

ウドには大きく分けて「山ウド」と「軟白ウド(白ウド)」があります。

山ウド

山ウド

山ウドは天然もののほか、根株に土をかぶせるなどの方法で栽培されたものがあり、地上部の茎や葉、芽は光を受けて緑色に育ちます。地下に伸びた白い部分も食用となり、部位ごとの味わいの違いを楽しめます。香りや風味が強く、山菜らしい野性味を感じられるのが特徴です。

軟白ウド(白ウド)

軟白ウド(白ウド)

一方、軟白ウドは光を当てずに育てる軟白栽培によって、全体が白く柔らかく仕上がります。アクや苦みが比較的少なく、くせのない味わいで食べやすいのが特徴です。

ウドの旬と産地

ウドの旬は春です。軟白ウドは関東地方で栽培が盛んで、1月から4月に出荷の最盛期を迎えます。東京都では立川市を中心とする多摩地区で江戸末期から良質のウドが栽培され、「東京ウド」として江戸東京野菜に認定されています。

山ウドは1月から5月にかけて出回ります。そのうち天然ものは4月から5月に旬を迎えます。雪解け後に芽吹くため、地域によって収穫時期に差はありますが、短い期間にしか味わえない季節限定の食材です。

天然の山ウドは、山形県や秋田県、岩手県などの東北地方、新潟県や北海道など寒冷地で採れたものが良質とされています。一方、栽培ものは栃木県、群馬県、茨城県など北関東を中心に生産されており、安定した流通を支えています。秋田県の「白神山うど」は、白神山地のミネラル豊富な水で栽培された白系の山ウドで、アクが少なく上品な味わいが高く評価されています。

ウドの栄養と効能

ウドは水分が多く、低カロリーでさっぱりと食べられるのが特長です。栄養価は特別に高いわけではありませんが、食物繊維やカリウム、アミノ酸の一種であるアスパラギン酸などを含みます。苦み成分のクロロゲン酸はポリフェノールの一種で、抗酸化作用があるとされています。香り成分のリモネンには、食欲を促し、気分をリフレッシュさせる働きが期待されます。山ウドは軟白ウドと比べて若干栄養価が高い傾向があります。

カリウム

体内の余分な塩分を排出し、体内バランスを整える働きがあります。ウドのみずみずしく、すっきりとした味わいとも相性のよい成分です。

アスパラギン酸

アミノ酸の一種でエネルギー代謝に関わり、疲労回復をサポートするとされています。春先の体が重く感じやすい時期に取り入れたい成分です。

クロロゲン酸

ポリフェノールの一種で抗酸化作用があるとされています。適度な苦みは山菜の持ち味で、風味とともに代謝促進によるデトックスも期待できます。

ウドの選び方

できるだけ太くてみずみずしいものを選びましょう。持ったときにずっしりと重みがあり、若芽にハリのあるものが新鮮です。

表面に産毛が残っているものは鮮度が高く、収穫から時間が経っていない目安になります。また、切り口が変色していないか、乾いていないかも確認しましょう。

ウドの保存方法

ウドは乾燥に弱いため、湿らせた新聞紙などで包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。鮮度が落ちやすい野菜のため、入手後は1〜2日以内を目安に、できるだけ早めに食べるのが基本です。

下処理後、軽く下ゆでしたウドは冷凍保存も可能です。使いやすい大きさに切って冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて保存します。使う際は解凍せず、そのまま調理に使えます。

ウドの下処理の方法

ウドは調理前に下処理(アク抜き)を行うことで、えぐみをやわらげ、切り口の変色も防ぐことができます。

ウドの切り方

まず、ボウルに酢水を用意します。水400ccに対して酢小さじ1程度が目安です。ウドはよく洗い、根元の茶色い部分を切り落として芽と茎に切り分けます。茎の産毛は包丁の背でこそげ取ります。

太い茎は節ごとに分け、皮をむきます。断面の内側の線を目安に厚めにむくと、アクが抜けやすく口当たりがよくなります。

茎は用途に応じて斜め切りや短冊切りにし、すぐに酢水に浸けます。浸ける時間は5分程度が目安です。皮はアクが強いため10分ほど、芽はアクが少ないためそのまま使うか、さっとくぐらせる程度で十分です。水気をしっかり切ってから調理に使いましょう。

ウドの食べ方とレシピ5選

ウドは、芽から茎、皮まで余すことなく食べられる山菜です。生食も加熱調理も可能で、部位ごとに異なる食感や風味があり、さまざまな料理で楽しめます。若芽は天ぷらにすると香りが際立ち、茎は和え物や炒め物にすると歯ざわりが良く、皮はきんぴらにすると無駄なく使い切ることができます。ここでは、山ウドを使ったレシピを紹介します。

山ウドの天ぷら

芽の柔らかな食感と香りを楽しむ一品。衣の軽やかな食感とともに、山ウド特有のほろ苦さが際立ちます。揚げたてを塩でシンプルに味わえば、春の訪れを感じるひと皿として食卓を彩ります。

材料(作りやすい分量)

  • 山ウドの芽 2〜3本分
  • 天ぷら粉 適量
  • 水 適量
  • 揚げ油 適量

作り方

  1. 芽は食べやすい大きさに分ける
  2. 天ぷら粉を水で溶いた衣をつけ、170〜180℃の油で揚げる
  3. 軽く色づいたら取り出して油を切る

山ウドの酢みそ和え

山ウドの香りとほろ苦さを引き立てる、春の定番の一品。シャキッとした食感と、酢みそのほどよい甘みと酸味が調和し、食卓に軽やかな季節感を添えます。副菜としてはもちろん、食事のはじまりや箸休めにもぴったりです。

材料(2人分)

  • 山ウドの茎 1本分(約100g)
  • みそ 小さじ2
  • 酢  小さじ2
  • 砂糖 小さじ1

作り方

  1. 山ウドは下処理して短冊に切る
  2. みそ、酢、砂糖を混ぜ、ウドと和える

山ウドの皮とニンジンのきんぴら

山ウドの皮を無駄なく使い、ごま油の風味と甘辛い味付けがほろ苦さをやわらげます。ごはんに合うおかずとして、作り置きやお弁当のおかずにも重宝します。

材料(2人分)

  • 山ウドの皮 1~2本分
  • ニンジン 1/3本
  • ごま油 小さじ1
  • しょうゆ 小さじ1
  • みりん 小さじ1
  • 砂糖 小さじ1/2
  • 白ごま 適量

作り方

  1. 山ウドの皮とニンジンを細切りにする
  2. ごま油で炒め、しょうゆ、みりん、砂糖を加えて炒め煮にする
  3. 仕上げに白ごまをふる

山ウドと豚肉のみそ炒め

山ウドの茎と若芽のシャキッとした食感に、豚肉のうまみ、みそのコクが重なる主菜。ほろ苦さをやさしく包み込み、ごはんによく合う満足感のある味わいに仕上がります。

材料(2人分)

  • 山ウド 2本(約200g)
  • 豚バラ肉 150g
  • みそ  小さじ2
  • みりん 小さじ2
  • 酒 小さじ2
  • しょうゆ 小さじ1
  • 砂糖 小さじ1/2
  • 油 小さじ1

作り方

  1. 山ウドの茎は下処理で斜め切りに、芽・葉は食べやすい大きさに切る
  2. 豚肉を炒め、火が通ったら山ウドを加える
  3. みそ、みりん、酒、しょうゆ、砂糖を加えて手早く炒め合わせる

山ウドとスナップえんどうの和風マヨサラダ

山ウドのさわやかな香りとほろ苦さに、スナップえんどうの甘みと彩りを合わせた春らしい一皿。和風マヨのコクにほのかな酸味を効かせ、軽やかな味わいで食卓を彩り、季節を感じる副菜に。

材料(2人分)

  • 山ウドの茎 1本(100g)
  • スナップえんどう 6〜8本
  • マヨネーズ 大さじ2
  • しょうゆ 小さじ1
  • 酢 小さじ1
  • 塩 少々

作り方

  1. 下処理した山ウドを細めに切る
  2. スナップえんどうはゆでて冷まし、斜め半分に切る
  3. 調味料を混ぜ、全体をさっと和える

山ウドの栽培方法

山ウドは山菜狩りで採取されることが多いものの、根株(苗)を植え付けて家庭でも栽培できます。地植えが基本ですが、深さのあるプランターを使えばベランダなどでも育てることが可能です。植え付けは4月中旬から5月中旬頃に行い、収穫は2年目以降となります。適切に管理すれば、毎年春の味覚を楽しめます。

準備・土づくり

半日陰から日なたの、水はけがよく適度に湿り気のある場所を選びます。有機質に富んだ土壌を好むため、落ち葉の多い林床のような環境が適しています。植え付け前に土をよく耕し、腐葉土や堆肥を混ぜ込んで土壌を整えましょう。プランター栽培の場合は、深さ30cm以上のものを用い、市販の培養土に腐葉土を加えると育ちやすくなります。

植え付け

一般的には根株を植え付けて育てます。株間は50cmほど確保し、直径20cm程度の植穴に芽が上を向くように植え付け、5cm程度覆土して水をたっぷり与えます。プランターの場合も1株ずつゆとりを持たせて植えましょう。

管理・水やり

乾燥に弱いため、土の表面が乾いたら適度に水やりを行います。特にプランター栽培では水切れに注意が必要です。夏場は直射日光を避け、敷きわらやマルチで乾燥を防ぎます。複数の芽が出た場合は草丈30cmほどで太い芽を残して間引きます。寒くなり葉が枯れたら地上部を切り取り、株を休ませて越冬させます。休眠期の水やりは不要です。

収穫

1年目は収穫せず、2年目の春に芽が20〜30cmほどに伸びたら収穫適期です。根元から引き抜かず、株元を残してカットすることで翌年以降も収穫できます。収穫後は葉を育てて株を充実させることで翌年の生育がよくなります。

注意したい病害虫と対策

山ウドは比較的丈夫で大きな病害虫被害は少ないものの、菌核病やセンノカミキリによる被害が見られることがあります。菌核病は高温多湿で発生しやすいため、風通しをよく保ち、発生した株は抜き取って処分します。センノカミキリは成虫が茎、幼虫が根を食害するため、成虫は見つけ次第取り除き、被害株は早めに処分します。

まるごと余さず春を味わう山の幸

ウドは数少ない日本原産の野菜のひとつで、雪解けの山野に芽吹く春の山菜です。さわやかな香りとほろ苦さは、里山の息吹とともに春の訪れを感じさせてくれます。旬の時期は短いものの、その分だけ特別な味わいを楽しめるのも魅力です。

栽培が広がり軟白栽培が確立された背景には、食味を追求してきた歴史があります。栽培ものは春の野菜として、天然ものは山の幸として、季節の食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。水煮やしょうゆ漬けなどの加工品で楽しむ方法もありますが、旬の時期にはぜひ生のウドならではの食感と風味を味わってみてください。

道の駅で見かけた山ウドの加工品

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