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規格外野菜をヒット商品に 6次化と販路拡大を実現したブランディング戦略

規格外野菜をヒット商品に 6次化と販路拡大を実現したブランディング戦略

“ママが子どもに食べさせたい手づくりのおやつ”をコンセプトに、全国へドーナツを販売する石川県金沢市の「ウフフドーナチュ」。すべて手づくりで、旬の野菜やフルーツを使用した保存料無添加のドーナツが特徴です。生産者と連携し、規格外野菜を活用したブランドづくりにも成功しました。女性が働きやすい職場をつくりたいという思いから起業した、株式会社ウフフ代表・志賀嘉子(しが・よしこ)さん。一人の母であり、起業家でもあるその素顔に迫ります。

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自らの妊娠中に起業 ママが活躍できる職場づくりへ

ウェディングプランナーや出版社のグルメ本編集長を経て起業し、ドーナツの製造・販売を始めた志賀さん。現在は金沢市の本店に加え、長野県・軽井沢にも出店し、全国の小売店や百貨店へ商品を出荷しています。ドーナツ店を立ち上げたきっかけは何だったのでしょうか。

「出版社で給与未払いの問題があり、それを機に『人に雇われず、自分で事業をしたい』と考えるようになりました。同時に、出産後も働きやすい環境をつくりたいという思いが以前からありました。ドーナツを選んだ理由はシンプルで、子どもが喜び、誰もが親しみのある食べ物だからです」と志賀さんは語ります。
2018年に「ウフフドーナチュ」としてブランド化し、規格外野菜を活用した手づくりをコンセプトに、ドーナツやスコーン、スープなどの商品を展開しています。

会社設立時に志賀さんが重視したのは、「(土日・祝日に休める)スタッフの働きやすさ最優先の職場」と「誰かが休んでも業務が回る仕組み」の構築でした。こうした工夫により、現在は約30人のスタッフが働く組織へと成長しています。
「スタッフそれぞれに価値観があり、『家庭を優先したい人』もいれば『仕事に注力したい人』もいます。そこで外部のコーチング講師によるオンライン研修を導入し、勤務中でも受講できるようにしました。当初は意見の違いもありましたが、今では互いの考え方を理解し合い、『それぞれのライフスタイルを尊重する配慮が自然にできるようになりました」

さらに、休みを取りやすい仕組みづくりにも力を入れています。
「休みたい日はカレンダーに記入するだけでOKという仕組みにしました。(必要人数よりやや多めにシフトを組み)複数人が同じ仕事を担える体制にすることで、急な欠勤にも対応できるようにしています」

なぜ売れる?バイヤーが評価したブランドの共通点

規格外野菜を活用したドーナツで、着実にファンを増やしている「ウフフドーナチュ」。地元の卵やお水を使用し、オリジナルブレンドの油で揚げた後、「焼成冷凍」という製法で品質を保っています。
「少しでも農家の力になりたいという思いから、規格外野菜を仕入れてドーナツに使わせていただいています。金沢春菊やブルーベリー、かぼちゃ、ゆずなど、旬の素材を使った商品が人気です。自然解凍するだけで、ふんわりとした食感を楽しんでいただけます」
ブランド名のキャッチーさに加え、ウェブサイトやSNSのデザインも人気の要因の一つです。創業当初は志賀さん自ら営業を行い、徐々に販路を拡大。転機となったのは東京での展示会でした。
「展示会で大手高品質スーパーの副社長に声をかけていただき、大きな売り場で販売されることになりました。それを見た他地域のバイヤーからも引き合いがあり、一気に販路が広がりました」
バイヤーが評価したのは、手づくりでありながら大量ロットに対応できる体制と、明確なブランドコンセプトだったといいます。「販売店さまにとっても、お客様にコンセプトを伝えやすい商品の方が取り扱いやすいのだと思います」

6次産業化成功の鍵はブランディング PRはプロに任せる

現在、同社のドーナツは中国や香港、シンガポール、オーストラリア、米国などへも輸出されています。海外展開のきっかけは、香港のバイヤーからのアプローチでした。
「海外向け商談会の際にウェブサイトを見た香港のバイヤーが視察に訪れたことがきっかけで、輸出が始まりました。その後、各国へと販路が広がっていきました。海外では『女性が活躍する会社』という点も評価されたようです」

志賀さんは、6次産業化においてはブランディングが不可欠だと強調します。
「商品を売るためには、ブランディングが欠かせません。当社でもパッケージやウェブサイト、販促物はプロのデザイナーに依頼しています。重要なのは、何を伝えるか以上に『何を伝えないか』を整理すること。情報を絞り込み、メッセージを明確にすることで、消費者にしっかり届くようになります。無理に自分たちだけで抱え込まず、専門家の力を借りるべきです。補助金なども活用しながら、PRには積極的に投資してほしいですね」
今後は、冷凍に加えて常温商品の開発にも取り組み、海外展開をさらに強化していく考えです。志賀さんとスタッフたちが描く未来は、着実に形になりつつあります。

(編集協力:ウイルパブリシティ 佐久間厚志)

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