<お話をお伺いした方>
MKVアドバンス株式会社
顧問 吉本和宏さん

住化積水フィルム株式会社
営業本部 高橋佑太さん

変化し続ける日本の気候。長く暑く、そして厳しい夏場が与える農業への悪影響とは。
「日本の気候は四季ではなく二季になりつつある」
そう言われるほど、変化の激しい昨今の気候。中でも顕著な変化が気温の上昇です。春から秋にかけて、夏のような高い気温の時期が長く続くようになりました。
具体的にどれくらい日本の気温が上昇しているかご存知ですか?2025年の夏(6~8月)は、1898年の統計開始以来で最も暑く、1991年~2020年の30年間の平均値と比べ2.36℃も高い酷暑となっていたのです。(※気象庁「日本の季節平均気温」より)
そんな状況下、ニーズが高まっているのが、高温対策機能を持った農業資材です。
今回は、日本で初めて農業用ビニールフィルムを開発、販売した「農業用フィルムのパイオニア」であるMKVアドバンス株式会社(以下:MKVアドバンス)と、その親会社である住化積水フィルム株式会社(以下:住化積水フィルム)の高温対策製品をご紹介します。
ハウス内の環境を夏は遮熱し、冬は保温してくれる『クールON』と夏の遮熱機能に特化した『メガクール・ネット』
近年では、早ければ3月頃から高温になる日が発生します。そのせいで、ハウス栽培ではハウス内の気温が急激に上がり、葉物野菜、トマト、キュウリといった作物に、枯れる、病気になるといった被害が出てしまいます。また、病害虫の発生が早くなるのも問題です。そのほか、イチゴは実が大きくなる前に熟してしまい収量が減るといったケースも。そこで、ハウス栽培にオススメなのが、MKVアドバンスの塗布無滴遮熱農POフィルム『クールON』です。

太陽光の中でも熱エネルギーの高い波長域である近赤外線域を反射、吸収できるのが特長。通常の農業用フィルムの代わりに『クールON』をハウスに展張するだけで、ハウス内の温度を2~3℃下げる効果を得られます。熱エネルギーを持つ近赤外線は遮断しますが、可視光線は透過させるため、光合成を妨げることはありません。耐久性は通常の農業用フィルムと同等です。

フィルムが吸熱してハウス内温度を抑制します。(フィルム自体の温度が高くなります)換気効率が高いほど遮熱効果が得られやすくなります。
MKVアドバンスで長らく営業を担当してきた吉本和宏さんは
「高温による生育障害は、近年の気候変動により、ハウス内の温度が栽培可能な限界温度を超えてしまったことによると考えられます。そういうケースなら、『クールON』を使っていただくことで、大きな効果を感じていただけるはずです」
と話します。
MKVアドバンスでは九州から北海道まで、多くの生産者と共に実証実験を行っていますが、「通常のビニールのハウスでは、気温上昇でハウス内の温度が作物の生育適温を少し超えてしまう」というエリアにおいて、『クールON』が高い効果を発揮した事例が多いそうです。具体的には、夏から秋にかけて収穫を行う葉菜類のほか、春先のイチゴやカブ、夏のトマトなどで高温障害から作物を守れたという結果が出ているそうです。

MKVアドバンスの耐久無滴農POフィルム『ダイヤスター』と比較し、『クールON』を使用した場合に最高気温が3.2℃も抑えられています。
また、吉本さんのオススメは、『メガクール・ネット』との併用。販売から20年以上の歴史を誇る『メガクール・ネット』は、ハウスのフィルムの上に掛けるタイプの遮熱ネットです。その遮熱性の高さから、春から夏にかけて出荷のピークを迎えるトマト、花や夏に育苗を行うイチゴ等の苗の生産者に愛用されているそうです。
「ハウスに『メガクール・ネット』を掛けるだけでも、熱線を吸収してハウス内の気温上昇を2~3℃抑制できます。気温が特に上昇する際にサッと掛けていただければ『クールON』との相乗効果で、4℃以上の抑制効果を発揮します。通常のハウスと比べていただければ、ハウス内の温度がかなり抑えられているのがはっきりわかるはずです。」

ハウスの外側に展張することで遮熱効果が得られやすくなります。
『メガクール・ネット』は暑さの厳しい期間のみハウスの外張りフィルムの上から展張することで、数年間は使うことができる耐久性があるとのこと。2つの製品を合わせることで、気温上昇を4℃以上も抑えることができるということは、ここ数年で3℃近く上昇した気温を、30年前の平均気温の状態にまで戻せるということ。これまで通りの栽培方法で、これまで通りの収量を確保できるようにしてくれる資材と言えます。
「夏の遮熱性だけでなく、『クールON』は冬の保温性も高いのが特長です。冬場はハウス内の熱を逃さないため、植物を低温の被害から守れるほか、暖房費を抑えることができます」

MKVアドバンスの紫外線カットPOフィルム『ダイヤスターUVカット』と比較し、『クールON』を使用した場合、最低気温が0.3℃、最低地温が0.6℃高く保たれています。
夏の高温と冬の低温を抑制できるというのは、作物にとってはもちろん、中で働く人間にとっても良い環境を提供できるということ。熱中症対策はじめ温度による作業効率低下を防ぐ効果もあります、と吉本さんは話します。
容赦なく照りつける太陽光を強力に反射し、地温上昇を抑制。より効果が高まった『ツインホワイトクール』
気温の上昇はハウス内だけでなく、露地栽培の作物にとっても深刻です。大気の上昇に加え、強い太陽光線で地温が上がり、作物がバテたり枯れてしまうといった被害を受けやすいのが、葉菜類。高原野菜など冷涼な環境で育てる作物では特に深刻です。気象庁の統計では(※気象庁「長野県の気候変化」より)、長野県などでも気温上昇だけでなく、猛暑日・熱帯夜となる日数も増加しています。日中の気温が高温になるだけでなく、温められた地中の温度が夜も下がることがない、作物にとってストレスの大きい環境に変化しているのです。
そんな厳しい環境で地温上昇を抑える効果が期待できるのが、マルチフィルム。太陽光を反射する目的で、白色のフィルムが使われるのが一般的。ですが昨今の気候変動では、従来の白色マルチフィルムでは対応しきれないケースも出てきているといいます。
「そこで改良品として、新たな顔料を配合して作られたのが『ツインホワイトクール』です。白色濃度をアップし、従来の製品と比べ、より太陽光を強力に反射できるようになりました」
そう話すのは、住化積水フィルムの高橋佑太さん。

『ツインホワイトクール』を張ったレタス畑
「私が担当している茨城エリアでは、レタスや白菜などの葉菜類の栽培で『ツインホワイト』を利用いただいています。茨城県は平地が多く、それもあって農業が盛んなのですが、日光を遮る物が少ないため、太陽光の照射を地面がまともに受ける環境でもあるのです。そのため、近年の酷暑では、夏から秋にかけての強い太陽光で上昇する地温に、『ツインホワイト』で対応しきれないケースも出てきていたのです」
そこで住化積水フィルムでは、生産者に協力してもらい、『ツインホワイト』と『ツインホワイトクール』で地温の変化を比較。結果、『ツインホワイトクール』では地下10cmの地温を『ツインホワイト』より2~3℃低下させることが可能だとわかりました。ちょうど根が張る部分の温度を下げることができると実証されたのです。

「高温期の栽培であっても『ツインホワイトクール』なら収量のアップが期待できます。夏から秋にかけては『ツインホワイト』、特に高温となるお盆すぎの定植には『ツインホワイトクール』といったように、気候状況に合わせて使い分けていただけるよう提案をしています」
『ツインホワイトクール』は、表面の白色で太陽光を強力に反射して地温上昇を抑制するほか、黒色の裏面にも様々な効果があります。黒色面は光を遮断するため、雑草の発芽を防止するほか、土壌水分の蒸発を抑え、また肥料の流出を防止してくれます。そのため、散水や施肥の回数を減らして、高効率化・省コストで栽培を行うことができるという効果も期待できます。
露地栽培で高温障害に悩まれている方には、より強力な地温抑制効果を備えた『ツインホワイトクール』を試してほしい、と高橋さんは話します。
MKVアドバンスと住化積水フィルムが誇る高温対策製品の実力を、『GPEC』で見て・触れて体感!
高温対策に有用な資材として、2種類のフィルムと遮熱ネットをご紹介しました。どれも単体で2~3℃の温度抑制効果があり、『クールON』と『メガクール・ネット』は重ねて使うことで相乗効果を発揮して4~6℃の抑制効果が期待できる製品です。いわば、昨今の気候変動で上昇した気温・地温をリセットし、以前の温度環境を圃場に再現してくれる、作物に対してはもちろん、圃場で働く人にもやさしい環境を実現してくれる製品といえるでしょう。
とはいえ「他製品と比べて2~3℃の抑制効果」というものが、どれほどの差となるのかは、やはり他製品と同時に比べて体験しなければ実感しづらいかもしれません。それを実際に体感してもらうため、MKVアドバンスと住化積水フィルムは、7月15日から17日に東京ビッグサイトで開催される、施設園芸と植物工場を専門に扱う国内唯一の展示会『GPEC』に出展します。展示ブースに設置されたデモ装置で、それぞれの製品がどれほど温度上昇を抑制するかを温度計で実際に確認することができます。

写真左:『クールON』と、『メガクール・ネット』を併用した『クールON』の温度比較
写真右:『ツインホワイト』と『ツインホワイトクール』の温度比較
実はMKVアドバンスと住化積水フィルムがイベントに合同出展するのは今回が初めてのこと。そこで出展のテーマとして「共に創る、作物と人にやさしい環境」を掲げ、製品の特長をデモ装置を通じて確認できるだけでなく、これまで生産者さんと共に実施した実証実験の様子やデータを知ることや、訪れた生産者さんが気軽に質問や相談などもできる空間を目指しています。
「私たちの展示ブースにお見えいただければ、フィルムの効果が実感できますよ」と笑顔で話す吉本さんと高橋さん。昨今の気温上昇に悩みを抱えている方は、その解決のカギが見つかるはずです。今年の夏だけでなく、これから先も続くと予想される日本の気候の変動にいち早く対応できるよう、ぜひご参加ください。

お問い合わせ
MKVアドバンス株式会社
農業資材営業部
TEL:03-4334-4636
MKVアドバンスへのお問い合わせはこちら住化積水フィルム株式会社
農材東日本営業部 関東営業グループ
TEL:03-5809-3608
住化積水フィルムへのお問い合わせはこちら
















