ゼリー状で覆われ、キラキラと光に反射することから「食べるエメラルド」と呼ばれるじゅんさい。あまり食卓になじみがないかもしれませんが、下ごしらえの方法から、手軽な食べ方まで、じゅんさいを栽培している安藤食品の安藤賢相(あんどうけんすけ)さんに教えていただきました。
さらに、フランス料理レストラン「ARGILE」の村島輝樹(むらしまてるき)シェフの技で、じゅんさいが素敵な一皿に仕上がりました。今回はその様子をご紹介します。
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生じゅんさいの下ごしらえ
「じゅんさいは、とても繊細です。ぬめりを損なわないよう、優しく丁寧に扱ってください」と安藤さん。洗うときや茹でるときも、たっぷりの水を使いましょう。茹でた後、手早く冷水で冷やすことで、美しいエメラルド色が長く持続します。事前に、ボウルなどに冷水を忘れずに用意しておきましょう。
(1)ボウルなどにたっぷりの水を入れ、じゅんさいを水の中で揺らすようにして、洗います。
(2)じゅんさいをそっとざるにあけて、水を切ります。
(3)沸騰した湯に(2)のじゅんさいを入れます。1、2分でじゅんさいの色が鮮やかなグリーンに変わります。
(4)グリーンに変わったタイミングで素早くざるにあげ、予め用意しておいた冷水の中に入れ、一気に冷まし色止めします。これで食べる時に美しい色が楽しめます。
安藤食品が薦める生じゅんさいの食べ方

写真提供:近藤大樹さん
下ごしらえしたじゅんさいは、すぐに食べることができます。じゅんさいのおいしさを知り尽くした安藤さんに、おいしい食べ方をうかがいました。
「まず一番大事なのは、新鮮なものを選ぶこと。生じゅんさいの賞味期限は1週間ほどですが、新しければ新しいほどおいしいですよ。食べ方は、手軽に楽しんでいただくのなら、茹でて冷水で締めたじゅんさいの水をよく切って、そのまま召し上がってください。わさび、生姜を薬味に添えて、醤油、出汁、ポン酢などをかけて、チュルチュルっとどうぞ」。
じゅんさいは熱々の汁の具にも大活躍。お味噌汁やおすましに、下ごしらえしたじゅんさいを、さっと火を通す程度に入れてください。つるんとして、歯切れのいいじゅんさいが楽しめます。
また、見た目の美しさと食感の良さを活かして、トッピングにするのもオススメです。冷やし中華や蕎麦、そうめん、冷麦など冷たい麺との相性は抜群です。冷奴にじゅんさいを乗せれば、ステキな一品になりますね。胡麻豆腐やたまご豆腐にもよく合います。
和の食材じゅんさいが、フランス料理で大活躍!
じゅんさいは、フランス料理の食材としても使われています。安藤さんが育てたじゅんさいを、食材として採用しているのが、フランス料理のレストラン「ARGILE」のシェフ、村島さん。
絶妙な火入れで、皮目は香ばしく、身はしっとりふっくらと焼き上げた、まながつおの一品に村島さんがソースとして使ったのが、じゅんさいです。ソースには、じゅんさいのほかにも花ズッキーニ、オクラ、ソラマメなど初夏の野菜も使われています。
「おいしさの余韻を楽しんでいただくために、じゅんさいが必要でした」と村島さん。
料理全体をまとめ上げる琥珀色のソースには、おいしさの余韻を長くする工夫がされています。これに、じゅんさいの特長のぬめりを活用しました。ぬめりがあることで、舌の上に味をとどめておくことができるのです。
村島さんが安藤さんのじゅんさいを選ぶのは、雑味がないおいしさに惹かれたから。世界自然遺産の白神山地と出羽丘陵に囲まれ、清らかな伏流水に恵まれる秋田県三種町で、「自然こそが宝であり、守るべきもの」と、この地で根ざすことを決めた安藤さんの取り組みが、じゅんさいの品質に表れているのかもしれません。

安藤さん(右)と共にじゅんさいの様子をうかがう村島シェフ(左)
和食だけでなく、フランス料理の食材にも使われている、じゅんさい。さまざまな食べ方を楽しんで、今まであまりなじみのなかったじゅんさいの魅力を見つけてみてはいかがでしょうか。
※写真提供:安藤食品、近藤大樹、まぎぃ
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レストランARGILE
住所:〒104-0061 東京都中央区銀座5丁目4-6ロイヤルクリスタル銀座7F
電話:TEL03-5537-5580
店休日:水曜日
株式会社 安藤食品
住所:秋田県山本郡三種町森岳泉八日138
電話: 0185-83-2165