デコポン
デコポンは、ヘタの部分がデベソのように出ているミカンの仲間で、JA熊本果実連の登録商標です。品種としては、清見とポンカンを交配した「不知火(しらぬい)」ですが、不知火の中で糖度が13度以上、クエン酸が1%以下をクリアした甘いものがデコポンです。
ミカンと同じように皮がむきやすくジューシーなのが特徴で、糖度が高くさっぱりとした味が人気です。皮をむいて房に分けて冷凍し、一口シャーベットとして食べるのもオススメ。基本的に保存は常温で、温度が高い時期は野菜室で保存しましょう。
旬は12月から翌年4月です。
伊予柑
伊予柑は、赤味が強い皮が特徴のミカンの仲間。明治時代に現在の山口県萩市で発見されたと言われています。現在、生産量のシェアは8割が愛媛県産となっています。皮は手でむきやすく、果汁たっぷりでジューシーなのが特徴です。しおれ、浮皮、色代わりの発生が多いので購入したら早めに食べるのがおすすめ。旬は年明けから3月頃で、中晩柑類の主力として定着しています。
夏ミカン
夏ミカンは果皮に凹凸が少なく、なめらかで、切り口が黄色っぽいのが特徴です。味は爽やかな甘味と苦味あり、独特の清涼感を楽しむことができます。1700年頃に日本で誕生した品種だと考えられており、文旦の血を引いています。夏みかんの中には、「川野夏橙(甘夏)」「新甘夏(サンフルーツ、田浦オレンジ)」「紅甘夏」などがあります。
夏みかんはフルーツとして味わうだけでなく、お料理にもオススメです。
爽やかな酸味と甘みで、サラダに加えてもいいですし、ワカメとしらす干しに添えたり、白身魚のカルパッチョに加えるなどオシャレでおいしいレシピに大活躍です。
夏みかんの苦味は凍結や加熱、また強い力で絞ることで出てしまうことがあるので注意してください。夏ミカンといっても旬は3月から5月です。
ハッサク
ハッサクはすっきり爽やかな酸味が特徴のミカンの仲間です。果皮がやや硬く、果汁はやや少なめです。江戸時代末期頃から栽培されはじめ、旧暦の8月1日頃に食べることから、「八朔」と命名されたと言われています。さっぱりした酸味はしつこい油を中和してくれるので、鶏肉の煮込みなどに加えても最適です。サクサクした食感を持っているのでサラダに加えるのもおすすめです。
皮は固くむきにくいので、ピーラーを使うといいでしょう。硬い皮は砂糖煮するとオレンジピールとしておいしくいただけます。旬の時期は12月から3月頃です。
ポンカン
少しボコボコした果皮が特徴のポンカンは豊かな芳香と糖度が高く、上品な甘さが特徴です。皮が柔らかくそのまま口に入れられる手軽さが人気。インド原産だと言われており、ポンカンのポンはインドの地名プーナに由来します。糖度が高いので、ジャムにするときはお砂糖を控えめにしましょう。薄皮もそのまま食べることができます。
収穫は12月ですが、出回るのは1月か2月です。
清見
ミカン界のサラブレッドとも言われる清見(きよみ)は、温州ミカンの甘さとオレンジの芳香が自慢です。せとかや不知火(しらぬい)の親としても知られる優秀な品種。タネがなく、果肉は非常に柔らかく果汁もたっぷりでジューシーです。果皮は少しむきにくいので、オレンジのように包丁で櫛形にカットするのがおすすめです。手で剥く場合はヘタのところから剥くとむきやすいです。ハウス栽培のものは1月から3月、露地栽培は3月から5月が旬です。
文旦
文旦(ぶんたん)は爽やかな香りとシャキシャキとした歯ごたえがおいしいミカンの仲間です。果皮は黄色で厚く、種が多いのが特徴です。淡白な風味があとを引く通好みなフルーツ。カブや大根と合わせたサラダにもおすすめです。和風の味付けにもぴったり合います。文旦は色々な品種が栽培されていますが、高知県原産の土佐文旦が有名です。乾燥に弱いので、保存するときはラップにくるんで野菜室へ入れましょう。旬の時期は10月から4月頃です。
河内晩柑
河内晩柑(かわちばんかん)は日本のグレープフルーツと呼ばれているミカンの仲間です。味は甘くすっきりとして苦味がないグレープフルーツのような印象です。収穫時期によって味や食感が変わるのが特徴です。4月から5月はジューシーで、6月以降は水分が程良く抜けてサクサクとした食感を楽しめます。ジューシーオレンジ、美生柑(みしょうかん)や宇和ゴールドとして出回っているものも、河内晩柑です。皮が厚いので、白い部分とともに砂糖漬けやオレンジピールにしてもおいしく食べられます。
タンカン、はるみ、日向夏、キンカン、セミノール、シークワーサー、せとか、晩白柚などについては、「おいしいミカン科の仲間たち!柑橘フルーツガイド その2」をご参照ください。
参考:「野菜と果物の品目ガイド〜野菜ソムリエEDITION」(農経新聞社)