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デコポンとは? 名前の由来や気になる栄養・カロリー、切り方や食べ方も

デコポンとは? 名前の由来や気になる栄養・カロリー、切り方や食べ方も

一度聞くと忘れられない、インパクトのある名前をもつデコポン。数ある柑橘(かんきつ)類の中でも特に人気で、お好きな方も多いのではないでしょうか? 今回はそんなデコポンの名前の由来や旬、産地などの基礎知識に加え、切り方やおいしい食べ方・レシピなども紹介します。

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デコポンの基礎知識

デコポンは「清見(きよみ)」と「ポンカン」を掛け合わせてできた柑橘の愛称で、上部がこぶのようにぽっこりと盛り上がっているユニークな見た目がチャームポイントです。「デコのある清見ポンカン」を縮めてデコポンと名付けられたといわれています。果実はミカンやポンカンよりも大きく200~300g程度。外皮はゴツゴツとしていてやや粗いのですが、その割にはやわらかく手でむくことができます。果肉はオレンジ色で果汁たっぷり。プチプチとはじける食感も魅力です。薄皮がやわらかく、種もほとんど入らないのでそのまま食べられます。甘みと酸味のバランスに優れ、味が濃いため数ある果物の中でも特に人気の高い柑橘です。

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旬の時期

大きく分けてハウス栽培と露地栽培があり、出回り期が異なります。
ハウス栽培ものは12~2月。手間や経費がかかる分、最適な栽培環境をコントロールすることが可能で、雨風や鳥、虫の被害も避けられます。そのため傷が少なく、見た目が美しく仕上がり、安定した品質で形も揃っていて贈答品に最適です。
一方、露地栽培ものは2~6月に出回ります。ピークは3~4月。収穫後貯蔵したものが出荷されるため、3月後半になってくると酸が抜けて甘みを強く感じるものが多いです。価格も安定してくるので自宅用にぴったりです。

柑橘のハウス栽培の様子

主な産地

生産量日本一は熊本県で、全国の生産量の約30%を占めています。次いで愛媛県が約20%、和歌山県が約10%と続きます。柑橘類の中でも特に人気が高く、全国のミカンの産地で生産されています。

カロリーの目安

デコポン100gのエネルギーは51kcal。1個に換算すると約80kcalと低カロリーです。お菓子の置き換えに甘いデコポンはおすすめです。ただし、糖度が高いため糖質も高めです。食べ過ぎには注意して適量をとるように心がけましょう。

よく聞く不知火とデコポンの違いとは?

実は「デコポン」という名称は商標で、品種名ではありません。品種名は「不知火(しらぬい)」といい、この不知火の中で厳しい基準を満たしたものがデコポンの名を名乗ることができるのです。1972年に長崎県の農林水産果樹試験場でこの柑橘は誕生しましたが、この時にはまだ名もない柑橘のひとつでした。その後、味のよさや皮のむきやすさに着目した熊本県果樹試験場が不知火町(現、宇城町)に導入、育成に成功し1990年に品種名が「不知火」と命名されました。

厳しい基準を満たしたデコポン

そして、その不知火の中で糖度13度以上、酸度1.0%以下という基準をクリアしたものだけがデコポンとして出荷されます。糖度の基準がある果物は多いですが、酸度まで基準を決めているものは大変めずらしく、とりわけ柑橘類は糖度と酸度のバランスが味に大きく関わってくるので、デコポンの名が付いた商品は品質保証されているといってよいでしょう。

デコポンの商標は熊本県果実農業協同組合連合会が所有し、日園連という団体の傘下の農業団体(JA)に限り使用することができます。熊本県に限らず、他県産でもここに加盟していて基準を満たせばデコポンとして出荷可能です。ただし、加盟していない場合は使用することができないため、生産者によっては品質の高いものでも不知火として、または独自のブランド名で出荷しているというケースもあります。

デコポンに含まれる主な栄養素

ビタミンC

デコポンはビタミンCを100g中に48mgとミカンやポンカンよりも多く含みます。ビタミンCには抗酸化作用があり、風邪の予防や、免疫力アップなどが期待できます。

β-クリプトキサンチン(カロテン)

ミカンやデコポンに含まれるβ-クリプトキサンチンはオレンジ色の色素成分であるカロテノイドの一種です。体内で必要な分だけビタミンAに変わる他、最近の研究でさまざまな機能性があることが明らかになっています。 

クエン酸

デコポンの酸味の主体はクエン酸で、このクエン酸には疲労回復効果が期待できます。

ペクチン(水溶性食物繊維)

ペクチンは外皮や薄皮に多く含まれる水溶性食物繊維の一種で、腸内細菌のエサとなり整腸効果が期待できます。薄皮はむかずに袋ごと食べるとよいでしょう。

ヘスペリジン(ビタミンP)

へスぺリジンは柑橘類の皮や白い筋に多く含まれるポリフェノールの一種。ビタミンPとも呼ばれ、ビタミン類と似た働きをする成分です。ビタミンCとともに働き、毛細血管のメンテナンスをする作用があります。

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デコポンの切り方・むき方

ゴツゴツとした見た目から、皮がかたくてむきにくそうな印象がありますが、実は簡単に手でむけるのもデコポンの魅力です。手でむく方法と包丁で切る方法を紹介します。

手でむく方法

1. デコの部分に指を入れ、皮をむく
デコの付け根に親指を入れます。この部分はすきまがあるので簡単に指が差し込めます。そのままデコを持ち上げ、あとはミカンのようにむいていきます。上部からむくことで、白い筋は取れやすくなります。

2. ふさをばらす
外皮がむけたら、ひとふさごとにばらします。薄皮はミカンと同じくらいやわらかいので袋ごと食べられます。

デコの部分に親指を入れると簡単にむけます

包丁で切る方法

1. デコとおしりを切る
厚みのある上下の部分を切り落とします。

2. 8等分に切る
縦に半分にしたものをそれぞれ4等分にします。

3. 内側にある白い筋を切り落とす
中心部分には太く白い筋があることが多いので、切り落とします。また、皮と身の間に包丁で切り込みを入れるとより食べやすいでしょう。

デコポンの食べ方・簡単レシピ

そのままでもおいしいデコポンですが、コクのある濃い味がスイーツや料理にも向いています。簡単なアレンジレシピをいくつか紹介します。

デコポンゼリーのレシピ

【材料(2人分)】
デコポン…3個
粉ゼラチン…4g
砂糖…大さじ1

【作り方】
1. 粉ゼラチンは水でふやかしておく。デコポンは横半分に切り、搾り機で搾る。
2. 鍋に搾ったデコポンの果汁と砂糖を入れて火にかけ、アクを取り除く。
3. 2にゼラチンを加えてよく混ぜる。
4. 3を容器に移して粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やし固める。

デコポンジャムのレシピ

【材料(作りやすい分量)】
デコポン…1個(約250g)
砂糖…120g

【作り方】
1. デコポンの皮はよく洗い、千切りにして2~3回ゆでこぼし、1~2時間程度水につけてアクを抜く。
2. 鍋に水気を切った1と筋を取ったデコポンの果肉、砂糖を入れてひたひたになるくらいの水を加え、火にかける。
3. ゆっくりとかき混ぜながら、とろとろになるまで煮詰める(煮詰めすぎるとかたくなるので注意)。

デコポンピールのレシピ

【材料(作りやすい分量)】
デコポンの皮…2個分(約100g)
グラニュー糖…80g
グラニュー糖(仕上げ用)…20g

【作り方】
1. デコポンの皮はよく洗い、5ミリ幅に切って2~3回ゆでこぼし、1~2時間程度水につけてアクを抜く。
2. 鍋に水気を切った1と砂糖を入れてひたひたになるくらいの水を加えて火にかけ、水分を飛ばしながら煮詰める。
3. クッキングシートを敷いた天板に重ならないように広げ、100℃に予熱したオーブンで30分程加熱して粗熱をとる。
4. 仕上げ用のグラニュー糖をまぶす。

デコポンキャロットラペのレシピ

【材料(作りやすい分量)】
ニンジン…1本
デコポン…3~4ふさ
レモン汁…小さじ1
オリーブオイル…大さじ1
塩…適量

【作り方】
1. ニンジンはスライサーまたは手で千切りにして塩をふり、水気をよく搾る。
2. デコポンは薄皮を取り除き、細かくほぐす。
3. 1のニンジンにしっかり塩をふり、味を決めておく。
4. 3にレモン汁とオリーブオイルをまわしかけ、2を加えて軽く混ぜる。

デコポンの保存方法

デコポンはしっかりとした皮に包まれているため比較的日持ちする柑橘です。状態がよければ2週間以上保存することもできますが、できれば1週間から10日を目安に食べきりましょう。寒い時期には直射日光の当たらない冷暗所で保存。気温が上がり暖かくなってきたら、乾燥しないようにポリ袋などに入れて野菜室で保存するのがよいでしょう。

意外と知らないデコポンの知識。甘さだけじゃない魅力を知ろう

一度聞いたら忘れられないインパクトのある名前で、多くの人から愛される柑橘となったデコポン。おいしさの秘密や旬を知って、より深く味わってくださいね。

ふるさと納税でデコポンを探す

監修:日本野菜ソムリエ協会

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