薬膳の世界から見たコンニャク
薬膳の世界でコンニャクは、五気は「寒」、五味は「辛苦」の食べ物です。コンニャクの漢名は魔芋といい、別名「コンニャクイモ」とも呼ばれています。そもそもコンニャクというのは、コンニャクイモを加工したもの。コンニャクイモは紅茶で有名なインドのセイロン原産のサトイモ科の植物です。
コンニャクで砂払い
コンニャクは古くから、「砂払い」と呼ばれて腸の掃除をしてくれる作用があると言われてきました。
実際、宝永4年の富士山の大噴火の時には、吸い込んだ火山灰を「砂払い」と呼ばれるコンニャクで体の外に出すために、コンニャクが飛ぶように売れたというエピソードもあります。
その状況を詠んだのが、江戸時代の「宝永四年コンニャクの値が上がり」という川柳なのだとか。
ヘルシーで優秀なダイエット食材
低カロリーのヘルシー食材としてコンニャクを食べている人も多いと思います。でも、イモで出来ているんじゃないの?と疑問に思う方もいるでしょう。
実はコンニャクの成分の97パーセントは水で、残りがグルコマンナンと呼ばれる食物繊維で出来ています。水と食物繊維なんて、ダイエットには最適ですね。この食物繊維は腸を刺激し、便通を促してくれる作用があります。そして、腸でのコレステロールの吸収を抑えてくれる働きがあるということで近年注目を集めています。
もちろん低カロリーなので、ダイエットに気を使っている方や、高コレステロールにお悩みの方には積極的にとっていただきたい食材です。
利尿作用があるコンニャク
日本では昔から、コンニャクには利尿作用があると言い伝えられてきました。コンニャクを食べると改善が期待できます。
コンニャクの薬膳的利用法
常食したい健康食品
コンニャクを常食することで、肥満防止や、便秘解消、痰切りに良いと言われています。まさに健康食品といっても過言ではありません。
薬膳料理に挑戦「コンニャクのくるみ和え」レシピ
今回、紹介するコンニャクのレシピは「美しくなる薬膳」です。肌に良い働き、肥満や便秘の解消など、女性に嬉しい美容をサポートする働きがあるレシピです。
材料(2人分)
・コンニャク 1/2丁
・地骨皮(※1)5グラム
・だし汁 1カップ
・くるみ(殻を剥いたもの)30グラム
・ハチミツ 小さじ2
・セリ(ミツバでも可)1/2束
・枸杞子(※2)大さじ1
・赤ワイン 1/2カップ
・塩、醤油 各適量
作り方
1.まずはコンニャクの下ごしらえ。塩もみして、すりこ木で叩き、水洗いします。
2.下ごしらえしたコンニャクは7ミリ幅の拍子木切りか、短冊切りにしてから鍋に入れ、醤油少々を加えて乾煎りしてざるに取り、冷まします。
3.地骨皮は、だし汁に入れて、半分の量になるまで煎じておきます。
4.クルミは熱湯に浸してから竹串を使って薄皮を剥がし、砕いてから、すり鉢で油がにじみ出るまで擦ります。油がにじみ出てきたら先ほど作った地骨皮入りだし汁でのばし、ハチミツと塩少々も入れて擦り混ぜ、冷ましておいたコンニャクを加えます。
5.セリは塩をひとつまみ加えた熱湯でサッとゆで、水にとって絞り、2センチほどに切り分けます。
6.枸杞子はワイン漬けにします。枸杞子をサッと水洗いして水気をしっかりと拭き取り、カップ1/2の赤ワインに漬け込みます。
7.器にコンニャクを盛り付け、セリを天盛りにしたら、枸杞子のワイン漬けを適量散らして完成です。
(※1)地骨皮…クコまたはナガバクコの根皮を乾燥したもの
(※2)枸杞子…枸杞の果実
ダイエットや生活習慣病対策に積極的に常食したい健康食品・コンニャクを紹介しました。レシピで紹介した枸杞子のワイン漬けは、薬膳料理の必需品です。薬膳料理では使う機会がとても多いので、小瓶などに入れて冷蔵庫で保存すると便利です。また、デザートにもぴったりです。
参考書籍:『台所薬膳 身近な食べ物135種の薬効を活かす』(万来社)