薬膳の世界から見たパクチー
薬膳の世界でパクチーは、五気は温、五味は辛に分類される食べ物です。パクチーの漢名は香菜(シャンツァイ)、胡蕊(コヅイ)といい、別名「コエンドロ」「コリアンダー」とも呼ばれています。
パクチーを食べることで、おもに発汗作用を促す働きが期待できます。
パクチーがよく肉や魚に添えられているのは、食べ物の消化・吸収をよくする働きが期待できるためです。添えられているものも残さず食べるようにしましょう。
パクチーの香り、好き嫌いが分かれるかもしれませんが、この香りの成分が胃に適度な刺激を与えて消化を良くする働きがあります。そのためパクチーは食欲不振にも良いと言われています。
胃が冷えやすい人や、体が弱っている人は、少しずつ毎日食べるようにすると徐々に体に改善がみられるでしょう。
ヨーロッパでは、パクチーの種を薬膳として利用します。種を煎じて飲むことで、腸内に溜まったガスの排出を促すとされています。そして、お腹がパンパンで苦しい状態を和らげてくれる働きがあります。
パクチーの薬膳的利用法
食欲がない時は生食を
パクチーの独特な香りには、食欲増進させる働きが期待できます。夏バテなどで食欲が出ない時には、生のパクチーを食べるとよいでしょう。
パクチーの薬膳的注意点
パクチーは胃に適度の刺激を与える食べ物です。そのため体の調子をみながら食べ過ぎに注意しましょう。
薬膳料理に挑戦「エスニックサラダ・パクチー添え」レシピ
レンコンのシャキシャキとした食感と、パクチーの独特な香り、ライムのさわやかな酸味が食欲をそそり暑い時期や気分転換にぴったりの薬膳レシピを紹介します。
材料(2人分)
・レンコン 80グラム
・合わせ調味料A:水100ミリリットル 酢 大さじ2 砂糖20グラム 塩少々
・生パクチー 3、4本
・むき海老 40グラム
・タマネギ 20グラム
・ニンジン 10グラム
・黒ごま 大さじ1
・合わせ調味料B:チリソース 小さじ1、はちみつ 大さじ2、ライム果汁大さじ2、ニンニク1かけ、生の赤唐辛子少々 ナンプラー(魚醤)小さじ2
作り方
1.レンコンの皮をむいて、暑さ2ミリほどの輪切りにします。
2.レンコンをさっと茹でたら素早く冷水に取り、しっかりと水気を切ります。
3.合わせ調味料Aをボウルに入れ、レンコンを30分ほど漬けておきます。
4.むき海老は塩少々を入れた熱湯でさっと湯洗いをして、水気を切っておきます。
5.タマネギは薄切り、ニンジンは千切りにして、パクチーは食べやすい大きさに切り分けましょう。
6.黒ごまは香りが出るまで軽く炒ります。
7.合わせ調味料Bのニンニクと赤唐辛子をみじん切りにして、Bの他の材料と合わせておきます。
8.別のボウルを用意し、むき海老とタマネギ、ニンジンを入れましょう。
9.むき海老のボウルに、Bの調味料を合わせて全体をさっくり混ぜ合わせます。
10.レンコンをつけ汁から取り出して、水気をよく切って器に並べたら上からむき海老のボウルの具材を彩りよく盛り付けます。
11.最後に黒ごまとパクチーを載せれば完成です。
近年人気急上昇中、パクチーの薬膳の働きについて紹介しました。パクチーは香りが苦手という方もいますが、ハマると夢中になってしまう人も多い食材。薬膳の働きも高いので積極的に摂取していきたい野菜です。苦手意識がある方は一度、「パクチーがおいしいお店」にいってみては。まずは、本当においしいパクチーを食べてみることをオススメします。
参考書籍:『台所薬膳 身近な食べ物135種の薬効を活かす』(万来社)