北海道の主要農産物
北海道は言わずとしれた農産物の一大生産地ですが、中でも生乳・ばれいしょ・タマネギ・小麦は全国順位1位を誇ります。さらにこれらの全てが5割前後のシェアを持っているというから驚きです。食用農林水産物は、約13653億円と、もちろん日本一。北海道はまさに日本の胃袋を支えているといえます。
ウニの塩水パック
「ウニの塩水パック」の特徴
日本有数のウニの漁場である奥尻では、例年ウニ漁は7月中旬から8月中旬までのおよそ1カ月の間行われ、主に生産が上がるのはキタムラサキウニです。9月にはウニの深浅移植事業(※)を行っており、漁獲量の拡大に勤めています。また同時にエサとなる昆布の飼育・管理も徹底しており、漁獲量拡大とおいしさを守るため日々研究されています。
※深浅移植 身入りが悪いウニを、沖側(深所)から岸川(浅所)の藻場へ移し、海藻を食べさせて身が肥ったあとに、再び漁獲すること。
おいしい食べ方
簡単に水切りができ、生のままで採れたてのようなウニが食べられると評判です。滅菌塩水を使用しているため、新鮮なウニ本来の甘さが口のなかで広がります。
ふらの和牛
「ふらの和牛」の特徴
ふらの和牛は、富良野市上富良野町で生産されるブランド和牛です。北海道の屋根といわれる大雪山国立公園十勝岳のすそ野に広がる富良野盆地で一頭一頭大切に育てられた黒毛和牛。ふらの和牛を生産しているのは、上富良野町の「谷口ファーム」一軒だけというとても希少な和牛です。生産量は年間およそ2,700頭です。
名前の由来
富良野市の特産品は、ワインをはじめとし、ひらがなの「ふらの」を頭につけることで統一してブランディングを行なっています。
シシャモ(柳葉魚)
「シシャモ」の特徴
シシャモはサケと同じように産卵のために毎年母なる川である、「鵡川(むかわ)」に遡上してきます。現在、鵡川に遡上してくる本物のシシャモは北海道は太平洋沿岸の一部の地域でしか取れないとても貴重な魚となっています。
一般的に市場に「シシャモ」として流通しているのは、キャベリンという品種の魚です。見た目は似ているものの、本物の味と風味にはかないません。ぜひ本物の柳葉魚を食べたいところ。鵡川漁業組合では、鵡川の加工業者が加工したものを「鵡川ししゃも」として商標登録しています。
名前の由来
シシャモ(柳葉魚)は、アイヌ語で「柳の葉の魚」を意味する「スス・ハモ」が語源といわれています。これは、柳葉魚がアイヌの神様によって柳の葉から作られたという伝説にもとづいているのです。
シシャモ のおいしい食べ方
塩水につけて生干ししたものを、軽く炙って食べるのが一般的で、シシャモ本来のおいしさをもっとも味わうことができます。生のシシャモは天ぷらやフライにしてもおいしく食べられます。そのほか、地元ではシシャモ寿司やシシャモ鍋などの郷土料理を味わうことができます。
生産状況
母なる川「鵡川」の環境変化などによって、シシャモは激減してしまいましたが、現在漁業者などを中心に資源の回復に向けた活動が行われています。年間漁獲量は変化が非常に大きく、30〜140トンほどです。
サチク赤豚
「サチク赤豚」の特徴
北海道は斜里郡斜里町の広々とした環境で徹底した衛生管理のもと、大麦を主体とした植物性の特別飼料を与えられ丁寧に育てられるのが、ブランド豚「サチク赤豚」です。
通常豚は生後5カ月で出荷されますが、増体を抑えながら生後6カ月まで安全に肥育しているため、豚肉独特の臭みがなく、筋繊維質がきめ細かい豚を作ることができます。脂質の質があっさりとしていて、ビタミンB1を豊富に含むのもサチク赤豚の特徴です。
名前の由来
社名「有限会社佐々木種畜牧場」の一部と、赤毛の豚デュロック種を合わせてつけられたのが「サチク赤豚」という名前です。
生産状況
三國清三氏がオーナーシェフを務めるフレンチレストラン「ミクニ・サッポロ」を始め、道内はもちろん、全国の高級ホテル、専門店などに提供されているブランド豚です。その品質の高さとおいしさから、需要は増え続ける一方で、それに応えるため、年間出荷頭数5,000頭を達成。近年、北海道で注目されている豚の一つです。
※ 各品目の内容は、本調査時点(2014年9月~2015年)のものをベースに作成しています。一つの目安としてご理解下さい。
参考:『日本の地域食材2015年版』(NPO法人 良い食材を伝える会)