宮城県のブランド食材の主な取り組み
宮城県の主要農産物は、肉用牛・米・大豆・ソラマメ・リンゴなどです。しかし、現在宮城県が最も力を入れているといっても過言ではないのが、「仙台いちご」です。
「仙台いちご」
仙台いちごのブランド名で親しまれているのが、宮城県産のいちごです。主な品種は「とちおとめ」と「もういっこ」で、一定の生産・品質基準を満たしたものだけが「仙台いちご」として出荷されることが許されるのです。
「なぜ宮城でイチゴ?」と思われるかもしれませんが、実は宮城県は東北の中でも冬が比較的暖かく、夏は冷涼な気候なため、一年中イチゴを生産することができる全国でも数少ない地域なのです。
仙台いちごの主要品種「もういっこ」
2005に誕生した宮城育成品種の「もういっこ」は、ついつい、もう一個食べてしまうというほどおいしいことから命名されました。大粒のイチゴで糖度と酸度のバランスがよくジューシーなのが特徴です。
ソラマメ
ソラマメの特徴
ソラマメは、宮城県の主要農産物です。生産地は柴田郡村田町や刈田郡蔵王町。宮城県のソラマメは、遅だしの産地の「終わり初物(※)」として珍重されています。出荷時期は6~7月初旬です。
ソラマメの名前の由来は、サヤが空をむいてつくためといわれています。ビールのつまみや料理の素材として使用されるほか、近年ではアイスクリーム、うどん、クッキーなどのお菓子の原料にも採用され、加工品にもなっています。
生産状況
宮城県でのソラマメの栽培は、仙南の村田町で、1930年代後半に始まったといわれています。従来品種の「打越一寸」に加えて「緑陵西一寸」も生産されています。ソラマメに付加価値をつけた加工品も開発されるようになり、村田町では毎年「そら豆祭り」が行われるなど、地域活性に一役買っています。
※ 野菜や果物で、多く出回る時期が過ぎてから成熟したものを、初物と同様に珍重していう。
仙台牛
仙台牛の特徴
仙台牛は、宮城県内全域で生産されている高級ブランド牛です。宮城県で肥育される多くの黒毛和牛の中でも、肉の格付けが最高位の「A-5」「B-5」ランクのものだけが「仙台牛」として出荷されることを許されています。「A-3~4」、「B-3~4」、「C-5」のものは「仙台黒毛和牛」と呼ばれます。
仙台牛は、口当たりがよく柔らか、まろやかでジューシーといわれています。なかでも特に優れているといわれているのが、霜降りと赤身の絶妙なバランスです。
生産状況
宮城県と、畜産関係団体により、仙台牛銘柄推進委員会が組織され、銘柄の確率と販売促進が図られています。
凍り豆腐
「凍り豆腐」の特徴
大崎市岩出山で生産されているのが、宮城の名産品「凍り豆腐」です。凍り豆腐は、寒さの厳しい日に豆腐を手札型にきり、水解凍し、イグサで編んでさらに凍らせながら、天日に当てて乾かして作り上げたものです。
大崎市岩出山の凍り豆腐の特徴は、質実剛健と称されるほどのしっかりとした食感です。現在広く出回っている大量生産の早煮凍り豆腐とは全く違う魅力があります。近年出回っている工場での大量生産のものに対して、昔ながらの手作りで、添加物を一切使用していない宮城の凍り豆腐は、お土産としても最適です。豆腐が干されている様子は冬の宮城の風物詩ともなっています。
凍り豆腐のおいしい食べ方
凍り豆腐を熱めのぬるま湯に4〜5分間、柔らかくなるまで漬けます。水気を軽く絞ったら、あらゆる料理に利用できます。シンプルな味付けの煮物から、野菜や肉を煮込んだり、すき焼き鍋などの冬の鍋にも活用できます。凍り豆腐で有名な地区、岩出山では、「祝い汁」や「かしわと凍り豆腐のたんざく汁」などの郷土料理にも利用されています。
生ガキ
宮城県、松島湾より北の沿岸部で生産される生ガキ。川からたっぷりの栄養が注ぎ込まれる宮城の海は、カキが育つのに最適な環境です。宮城県産生ガキは生食用として全国的なブランドになっています。「海のミルク」と呼ばれるほど栄養満点で、生食はもちろん、酢ガキやフライ、カキ鍋、天ぷらなど、様々な料理で楽しめます。
衛生管理の強化や食品表示の徹底が進められているため、品質はますます向上しています。
※ 各品目の内容は、本調査時点(2014年9月~2015年)のものをベースに作成しています。一つの目安としてご理解下さい。
参考:『日本の地域食材2015年版』(NPO法人 良い食材を伝える会)