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江戸東京野菜だけじゃない! 東京都の農産物や特産品【47都道府県の地域食材】

連載企画:47都道府県の地域食材

江戸東京野菜だけじゃない! 東京都の農産物や特産品【47都道府県の地域食材】

東京都で穫れる食材として代表的なのが、練馬大根やコマツナといった「江戸野菜」です。しかし、他にも水産や畜産といった分野においても、東京都の名産品とされている食材があります。ここでは、東京都の名産品やご当地食材について紹介します。

東京都の概要と主な取り組み

都内の各地域で栽培されてきた伝統野菜の「江戸東京野菜」は、東京JAグループによって地域団体商標取得と認知度アップへ向けた取り組みが進められています。

2017年12月時点では、「江戸東京野菜推進委員会」によって、48品目の江戸東京野菜が指定されています。江戸東京野菜も含めて、東京都の主な特産品をいくつかみていきましょう。

明日葉(アシタバ)

アシタバ

セリ科の植物で、黄色の樹液が特徴的なアシタバ。この黄色の樹液は「カルコン化合物」と呼ばれ、様々なパワーを持つといわれています。伊豆諸島全域で生産されており、一般野菜と同じく、様々な料理に用いることができます。また、飲用・茶用品として加工販売もされています。

「明日葉」という名前は、「今日、葉を摘んでも明日には葉を出すほどに生命力が強い」とされていうことに由来しています。伊豆諸島の各島に生産組織があり、安定的に生産されています。その一方でアシタバは市場価値の変動が激しいため、消費を啓発するためのPRの需要も高まっています。

コマツナ

コマツナ

東京都全域で生産されているコマツナ。特に江戸川区・葛飾区・足立区での生産が盛んです。

「小松菜」という名前は、江戸時代の8代将軍である徳川吉宗が、鷹狩で当時の小松川村(現在の江戸川区)に訪れた際に献上されたため、その地名にちなんで名付けられたとされています。

コマツナは、都内の野菜作付面積1位を誇る野菜です。メディアでコマツナのカルシウム含有量の高さが話題となったこともあり、人気が上がっています。そのため、特産地である江戸川区以外にも、区部や多摩エリアでの栽培面積が増えています。

練馬大根

練馬大根

練馬区で生産される練馬大根は、60~80センチとダイコンのなかでも長大な品種です。区が農家に栽培を委託し、生産されています。農業祭などにおける生ダイコン販売や、区民向けの収穫体験などにも用いられています。また、たくあん漬けに加工して販売もされています。

練馬大根は農地減少や病虫害などによって一時栽培が衰退したものの、平成元年からの農家・農協と区の連携によって生産本数は年々増加しています。サイズが大きい品種で収穫時の負担が大きいため、栽培農家の確保が課題としてあげられています。

ワサビ

ワサビ

西多摩郡奥多摩町・檜原村で生産されるワサビは、奥多摩の清流と冷涼な気候を活かして生産された品質の良さが特徴です。おろして刺身や茶漬け、ステーキといった料理に添えて食べます。また、ワサビ漬けや茎醤油漬け、茎三杯酢漬けなどに加工されても販売されています。

市場への出荷と共に、直売所や土産物店などでも販売されています。高齢化により、栽培面積が年々減少しているという課題もあります。

稲城(いなぎ)のナシ

ナシ

稲城(いなぎ)は、多摩川梨の生産地である稲城市の代表的なナシです。稲城市の生産者によって育成された大玉の高級ナシで、500グラム~1キログラムと極大玉な点が特徴的です。糖度も高く、ジューシーで高い品質を誇ります。8月下旬から9月上旬にかけて収穫されます。

稲城市のナシのなかでも主力品種として、生産に力が注がれています。しかし、贈答用などのニーズも伸びているため、注文に追い付いていない状況になっているという面もあります。

東京うこっけい(鶏卵・鶏肉)

東村山市や立川市、八王子市などで育てられている東京うこっけい。東京うこっけいのタマゴは淡い桜色で、30~40グラムくらいの重さです。一般的な鶏卵よりも卵黄の割合が大きいのが特徴です。

本来、うこっけいは年間50個程度しかタマゴを産みませんが、東京都畜産試験場(現在の東京都農林水産振興財団)で改良されたことで、東京うこっけいは年間180個ほど産卵するようになりました。

直販をメインとして、卵が販売されています。また、これまで東京うこっけいの肉の部分はあまり利用されていなかったものの、最近は加工品としても販売されるようになりました。

カツオ

カツオ

八丈島を中心とした伊豆・小笠原諸島全域で獲れるカツオ。伊豆諸島のカツオは、ひき縄で1匹1匹が丁寧に釣り上げられます。他の方法と比較して魚体が傷みにくいため、市場で高い評価を得ており、「八丈たるカツオ」として市場でブランド化されています。

刺身やたたき、鮨種などでの食べ方が定番です。また、残った刺身をしょうが醤油に漬けて冷蔵庫で保管し、翌日ご飯に乗せてお湯を注いで「かつお茶漬け」としてもおいしく食べられます。

ここまで、東京都の代表的な食材について紹介してきました。ここで紹介した他にも、様々な食材が東京都の特産・名産品として親しまれています。東京都の土産物店などに寄る際には、特産品にも注目してみてはいかがでしょうか。

※ 各品目の内容は、本調査時点(2014年9月~2015年)のものをベースに作成しています。一つの目安としてご理解下さい。

参考:『日本の地域食材2015年版』(NPO法人 良い食材を伝える会)
 
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