兵庫県の概要と主な取り組み
兵庫県は、その恵まれた環境から「日本の縮図」とも呼ばれています。北は日本海、南は瀬戸内海に面し、土地は広大で、変化に富んだ地形です。このため、歴史的に特色のある摂津・播磨・丹波・淡路・但馬の5つの地域それぞれに気候や風土に根ざした特有の農林水産業が営まれ、また個性的な野菜もたくさん生まれてきました。
そのような野菜の中で、1.地域の人々が自らの手で種取りから生産のサイクルを続け、2.全国的に流通している品種とは違う、地域に根ざした個性のある野菜を「ひょうごのふるさと野菜」と読んでPRしています。
ひょうごのふるさと野菜と呼ばれる個性豊かな野菜たちは、そのほとんどが明治以降に導入されたもので歴史は浅いですが、それぞれの地域で大切に守られ、現代に伝わりました。
兵庫県の主要農産物
兵庫県では、出荷量で全国順位の上位を占めるものも多く、農産物としては大豆、アズキ、タマネギ、レタス、モヤシ。他にもイチジクやカーネーションなどの生産も盛んです。水産物では、ズワイガニ、イカナゴが有名です。
今や世界的に有名となった「神戸ビーフ」や、「明石だい」など、優れたブランドも多く存在します。
淡路産キャベツ
淡路産キャベツの特徴
南あわじ市は、温暖な気候と肥沃な土壌を生かし、水田裏作の野菜として、秋から冬、春にかけてキャベツを栽培しています。特に春季には豊富な生産量を誇り、全国市場で販売されています。
春日大納言
春日大納言の特徴
丹波市全域で生産されており、地域の特産品として全国的にその名を知られているのが、丹波産アズキの「春日大納言」です。大粒で色が赤く、鮮やかで味も良いと評判です。煮ても外皮が破れないことから大納言と名前がつけられました。
赤花(あかばな)そば
赤花そばの特徴
豊岡市但東町に古くから伝わる在来種のソバで、ソバ粉100パーセントでソバ打ちができるのが特徴です。村おこしの一貫として復興とPRを行ったのがきっかけでその名が知られるようになりました。蕎麦の原料となるほか、ソバ米、ソバ菓子、ソバハチミツなどに利用されています。
赤花そばを使ったメニューのうち、玄ソバを水に浸して甘みを増加させた「水ソバ」が人気となっています。
神戸ビーフ
神戸ビーフの特徴
今や日本だけには止まらず、世界的にその名が知られている神戸を代表する特産品が「神戸ビーフ」です。優れた品質を誇る但馬牛(たじまうし)の中で、さらに厳しい基準を満たした牛肉だけが神戸ビーフを称することができます。
神戸ビーフのおいしさの秘密はサシの入り方にあり、脂肪が筋肉の中に細かく入ることで口の中に入れるとまるでとろけるような食感と風味を楽しむことができます。
ステーキやすき焼きはもちろんのこと、肉の部位によってはカレーやシチューなどに入れてもその味わいを楽しむことができます。
明石だい
明石だいの特徴
明石だいは、5月の産卵の時期に明石海峡周辺にやってきて、晩秋に南下する性質を持っています。最も脂の乗ったおいしい時期を明石海峡で過ごす魚です。
恵まれた環境で質の高いエサを食べ、激しい海流に揉まれて成長することから、身が引き締まり、色合いがいいのが特徴です。その品質の高さからブランド魚として全国的に知られています。
名前の由来
春の産卵の時期に紀伊水道周辺の越冬場所から瀬戸内海を回遊し、明石海峡で漁獲されます。最も明石海峡で漁れるものが最も味がいいことから、「明石だい」として知られるようになりました。
明石だいのおいしい食べ方
刺身や塩焼きはもちろんのこと、あら煮や骨蒸し、鯛めしなどとして美味しく食べることができます。
神戸のグルメといえば、やはり一番にイメージされるのは神戸ビーフ。日本で一番有名なお肉と言っても過言ではありません。神戸ビーフの他に、春日大納言や赤花そばなど、特産品が数多くあるので「ひょうごのふるさと野菜」や特産品を見かけたらぜひ試してみてはいかがでしょうか。
※ 各品目の内容は、本調査時点(2014年9月~2015年)のものをベースに作成しています。一つの目安としてご理解下さい。
※画像はイメージとなります。
参考:『日本の地域食材2015年版』(NPO法人 良い食材を伝える会)