山口県の概要と主な取り組み
山口県では、山口県で生産される農林水産物や、主となる原材料が山口県産100%の加工品を対象に、消費者目線でのわかりやすい客観基準で味や品質を審査して、「やまぐちブランド」の認定・登録の取り組みを行っています。
やまぐちブランドの認定によって、県外へ山口県の魅力を伝えることができるのはもちろん、山口県民の意識が大きく変化したという調査結果があります。県政世論調査によると「意識して山口県産農水物を購入するようにしている」と答えた県民は平成17年度では約25%だったのに対し、平成27年には約47%になるなど、着実に「やまぐちブランド」が定着・拡大しつつあります。
ブロッコリー「はなっこりー」
はなっこりーの特徴
平成2年に山口県農業試験場で中国野菜のサイシンを母親、ブロッコリーを花粉親として交配して、胚培養によって完成された山口県オリジナルの野菜です。「やまぐちブランド」にも登録されています。
名前の由来は、公募によって決定しましたが、花まで食べられ、ブロッコリーが混ざっていることに由来していることから。和風・洋風・中華、どんな料理でもおいしく食べることができます。簡単に調理することができ、見た目も歯ざわりも良いのが特徴です
岩国れんこん
岩国れんこんの特徴
岩国れんこんは、山口県岩国市の温暖な気候、有機質を主体にした土作りと、カジカも住む清流錦川の豊かな水によって育てられます。
肉質が厚く、シャキシャキと歯切れがよい上に、糸を引くほど粘りを合わせ持ち、非常に味が良いのが特徴です。そのため、サラダやきんぴらなどはもちろんのこと、レンコンを主役にしたレンコンステーキや、煮しめ、寿司などのお料理にも最適です。
岩国市では、岩国れんこんを加工したレンコンそうめん、ハス餅なども生産しています。
岩国れんこんの歴史
岩国れんこんの栽培の歴史は非常に古く、1796年、寛政8年にまでさかのぼり、200年以上の歴史を誇っています。主流の品種は「支那白花種」で、レンコンの穴は通常8つつところ、岩国れんこんは9つの穴を持ちます。そのため、藩主・吉川公の「九曜紋」を連想させるとして、古くから珍重されてきました。
柑橘類「長門ゆずきち」
長門ゆずきちの特徴
長門ゆずきちは、山口県の日本海側の地域で古くから栽培されている香酸柑橘(※)で、ゴルフボールよりやや大きめの緑色の果実です。カボスやスダチよりも早い8月中旬から収穫できるのが特徴。県のオリジナル柑橘として、やまぐちブランドにも認定されています。収穫時期は8月から10月頃です。
※香酸柑橘(こうさんかんきつ) 温州みかんなどとは違い、実を食べるのではなく、果汁の酸味や果皮の香りを楽しむ柑橘類。
長門ゆずきちのおいしい食べ方
長門ゆずきちは主に果汁を酢として利用します。酢の物の調理のほか、唐揚げや焼き魚に振りかけたりはもちろん、ドレッシングにしたり、焼酎の湯割りなどに利用して楽しむこともできます。醤油との相性が非常に良く、醤油と混ぜて酢醤油にすると最高の味と称されています。
長門ゆずきちは、果実酢、ジュース、ドレッシング、ポン酢や各種お菓子にも加工されています。日持ちするものもあるので、土産やギフトにも最適です。
鶏肉「長州黒かしわ」
長州黒かしわの特徴
長州黒かしわは、国の天然記念物「黒柏鶏」をベースに山口県が開発したオリジナル地鶏です。地鶏ならではの適度な歯ごたえを残しながらも、柔らかさも両立しており非常にジューシーで、噛めば噛むほど味が出てくると評判です。
旨味成分であるイノシン酸を多く含み、臭みのない上品な肉質が特徴で、「やまぐちブランド」にも登録されています。
ホテル、旅館、料理専門店などへおろされるほか、贈答用、ギフト用としてネット販売も行われています。焼き鳥・水炊き鍋セットなどにも加工されています。
やまぐちの瀬つきアジ
山口県外海の日本海には、エサが豊富な恵まれた環境の天然礁(瀬)がたくさんあります。そこに住み着いたマアジはプランクトンやシラスなどの良質なエサをを食べて成長し、おいしい瀬つきアジとなるのです。
中型まき網漁業によって、漁獲され、脂質10%以上のものは「やまぐちブランド」の名を冠して出荷されます。瀬に住み着くことから、「やまぐちの瀬つきアジ」と名前が付けられています。
県民の特産品への意識も向上し、着々と「やまぐちブランド」を定着させている山口県。山口といえばフグが有名ですが、今回ご紹介したようにおいしい食材がたくさんあります。県が独自に開発した特産品は個性豊かなものばかり。ぜひ試されてはいかがでしょうか。
※ 各品目の内容は、本調査時点(2014年9月~2015年)のものをベースに作成しています。一つの目安としてご理解下さい。
※画像はイメージとなります。
参考:『日本の地域食材2015年版』(NPO法人 良い食材を伝える会)