長崎県の特徴
江戸時代に唯一、海外との貿易が行われていた長崎県では、独特の文化が発展し、外国から伝来した野菜も多くあります。また、地域特有の品種として栽培されてきた伝統野菜の栽培もあります。
県土が離島・半島地域が大部分を占めていることから、平坦な土地が少なく、耕地条件には恵まれてはいませんが、その複雑な地形を生かした農産物が生産されています。
主要品目は、ビワ、ジャガイモ、イチゴ、アスパラガス、温州みかんなどです。
長崎じゃが(ジャガイモ)
長崎じゃがは、主に島原半島や諫早(いさはや)市、五島市において生産されています。煮物、ポテトサラダ、カレー、スープなどを中心に幅広い料理において利用されています。
長崎県の気候は温暖であることから、春と秋の2期作を基本にさまざまな作型が行われています。新品種も県の農林技術開発センター馬鈴薯研究所において研究が進められています。
長崎アスパラ
長崎アスパラは、春夏と年に2回の旬があり、2月から10月の長期間に渡って収穫されます。じっくり成長する春アスパラは、ビタミンCやミネラル類が豊富で甘い味わいです。
また太陽の恵みを昼に受け、夜に一気に成長する夏アスパラは、根本付近までやわらかいことが特徴です。
長崎さちのか、長崎ゆめのか(イチゴ)
長崎県を代表するイチゴ「長崎さちのか」は、ビタミン含有量が豊富で糖度の高い品種です。色や光沢も優れていて、香りとおいしさが長持ちする品種です。
「長崎ゆめのか」は、大玉でジューシーな果肉が特徴で、果汁をたっぷり含み、甘くて程よい酸味が特徴です。
長崎みかん
大村湾から佐世保湾に面した一帯で生産されるミカン。糖度が高く、皮の色が濃いのが特徴です。
味が濃く、旨みの強いミカンとなるよう、シートで太陽の光を反射させ、根からの水分吸収を抑えるシートマルチ栽培を採用しています。ミカンゼリー、ミカンジュースなどの加工品もあります。
長崎びわ
長崎市の東南部である橘湾沿岸エリアが主な産地です。江戸時代の終わりに栽培が開始されてから、長崎県では栽培面積が増加し、現在は日本一の生産量を誇っています。(※)初夏の便りを届ける、本県を代表する果実です。ビワゼリー、ビワワイン、ビワ茶などの加工品もあります。
長崎和牛
長崎県内で生産された和牛を総称して長崎和牛としています。長崎で育てられた長崎和牛は、大自然の潮風を受けて、塩分やミネラルが豊富な牧草で育てられています。ステーキ、焼き肉、しゃぶしゃぶ、すき焼きなどで食べられています。
旬あじ(ときアジ)
五島・対馬海峡のアジは、日本最高水準の味と品質を誇ります。4月から8月の間にまき網でとる100グラム以上のアジを「旬(とき)あじ」としています。旬あじの開き、アジフライ、アジミリンなどの加工品も生産されています。
長崎あご(トビウオ)
五島、平戸などで漁獲されるトビウオの稚魚はアゴと呼ばれています。長崎県で昔から使われている焼きアゴは、特有のコクがある優しい味わいの出汁として有名です。
刺身のほか、つみれや吸い物用の出汁として調理されています。焼きアゴ、塩アゴ、出汁パック、粉末スープなどの加工品があります。
旬さば(ときサバ)
旬である10月から翌2月にかけて、五島・対馬海峡でとれる400グラム以上のマサバを「旬さば」と呼んでいます。
刺身、締めサバ、焼き魚などで食べられています。加工品には、旬しめさば、旬さばフィレなどがあります。
長崎県では貿易が盛んで、海外文化の交流によって育まれた食文化があります。他県とは違う特有の地域や風土から、産地ごとの工夫が感じられます。長崎県に足を運んだときには特産品を試してみてはいかがでしょうか。
※ 各品目の内容は、本調査時点(2014年9月~2015年)のものをベースに作成しています。一つの目安としてご理解下さい。
※画像はイメージです。
参考:『日本の地域食材2015年版』(NPO法人 良い食材を伝える会)