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10年以上にわたり自然農法を探求したハーブ「マリアアザミ」とは?(2/3)

10年以上にわたり自然農法を探求したハーブ「マリアアザミ」とは?

2017年9月より「マリアアザミ(ミルクシスル)」の本格栽培を開始したのが、株式会社ノウカス。日本ではあまりなじみのないハーブですが、ヨーロッパでは古くから飲酒・喫煙愛好家や健康志向の人に親しまれてきたのだそうです。マリアアザミとはどのようなハーブなのか、またこだわっている野菜の生命力を引き出す栽培方法や、自然に優しい農法について、代表を務める鈴木孝幸(すずきたかゆき)さんに話をうかがいました。

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10年を超える有機栽培研究の成果

キバナオウギ

鈴木さんの無農薬・無化学肥料農業の研究は、10年以上にわたります。

・空気中の有機窒素を活用した農法
・光合成によって酸素を生み出すジアノバクテリアや、無農薬の目安となるカブトエビの活用
・混植栽培
・微生物、有機物による害虫駆除
・発芽率の上昇方法
・耕作放棄地の再生
・土壌環境の改善
・液肥の開発

このような、生物、植物、地球環境すべてに優しい農法を追い求めています。2018年は、ビーツ、グァー豆(クラスタ豆)、パースニップ、マリアアザミ、キャンサーブッシュ、フェヌグリーク(コロハ)、キバナオウギなどの野菜とハーブを育てる予定だそうです。聞き慣れないものもあれば、スーパーフードとして注目を集めているものや、すでにおなじみの野菜などもあるかもしれません。

聖母マリアのミルク「マリアアザミ」

マリアアザミ

2017年9月より本格的に栽培を始めたハーブに、マリアアザミがあります。マリアアザミは、地中海沿岸部が原産の植物で、ピンク色の花弁と葉に白いまだら模様があるのが特徴です。その白い模様が、聖母マリアのミルクがこぼれたように見えるため、マリアアザミと呼ばれるようになったといわれています。

全てが食用となり、葉は天ぷらやサラダに、茎はアスパラガスと同様に、根はごぼうと同じように調理して食べることができ、種子はハーブティーとして利用できます。マリアアザミは、ヨーロッパでは2,000年以上も前から肝臓に良いとして民間療法で用いられてきたそうです。その特徴的な成分が「シリマリン」というフラボノイドで、種子に含まれています。

シリマリンは、肝臓の保護作用や肝機能を改善するとされ、現在でも民間療法の一つとして利用されています。

このマリアアザミは、今後ハーブティーはもちろん、クッキーやパン、お酢などに加工される予定で、6月頃に販売開始となるそうです。

マリアアザミのパン

「2018年は、栽培品種を絞って、加工品の開発に取り組みたい」という鈴木さん。ノウカスで作られているクッキーは、国産小麦、発酵バター、きび砂糖、アーモンドプードル、卵など、厳選した食材を使用。さらに、野菜・ハーブを丁寧に時間をかけて天日干しして粉末にしたものを贅沢に加えます。もちろん野菜もハーブも無農薬、無化学肥料で栽培しています。体にやさしいおやつとして、また飲む前の習慣として、マリアアザミのクッキーが楽しみです。

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