在来品種も多い野菜、エダマメ
エダマメは大豆の未熟な種子です。白毛系、茶豆系、黒豆など様々な品種があります。その中で主流なのは、サヤあたりの粒数が3粒の白毛系です。また「だだちゃ豆」などの在来品種も多く栽培されています。在来品種は各地域で根強い人気を誇り、近年では都市圏にも進出しています。
国産の他、冷凍された輸入物も多く見られます。また「ずんだもち」や菓子などへの利用も多い野菜です。
エダマメの歴史
エダマメは東アジアが原産です。穀物として古くから栽培されており、日本へは有史以前に伝わったとされます。17世紀頃にダイズ用品種と、エダマメ用品種が分かれ、現在のような青果として食べられるようになりました。
「エダマメ」という名前は、ダイズの種子を枝ごと収穫し茹でたことから、名づけられたといわれます。また田んぼのあぜ道に植えられていたため「あぜまめ」ともいいます。
鮮度の良いおいしいエダマメの見分け方
うぶ毛が濃くきれいに生えそろっているもので、実がふくらんで粒がそろっているものを選びましょう。葉や茎の変色があったり、みずみずしさに欠けるものはおすすめしません。
エダマメの保存方法
時間の経過と共に、味と風味が落ちてしまうで、購入したその日のうちに全て茹でておきましょう。冷凍保存する場合は、硬めに茹でて、水分をとってから保存袋に入れて冷凍します。
エダマメの栄養
エダマメは大豆と野菜の良いところを兼ね備えています。特に動物性タンパク質に似た良質のタンパク質が、100グラム中約11.7グラムと多く含まれています。
タンパク質に含まれるメチオニンが、アルコールの分解をすすめる働きが期待できます。そのためお酒のつまみに適しています。
また、栄養補給に欠かせないビタミンである葉酸も含まれています。さらに、体に良い働きをし、夏バテに効果が期待できるビタミンB1の含有量が、100グラム中約0.31ミリグラムです。
その他、ビタミンK、カリウムなども含まれています。
エダマメの出回り時期
エダマメは千葉県、埼玉県、北海道などで栽培されています。国内産のものが6~10月頃、台湾産などの輸入物が3~5月頃に多く出回っています。
エダマメの下ごしらえ方法
エダマメは傷んでしまわないように、購入したらすぐに茹でておきましょう。そうすると味が損なわれず様々な料理に使えます。
まずサヤを洗ったら、両端をキッチンバサミなどで切ります。そして塩をふり、表面に生えたうぶ毛をこすり取ります。たっぷりの熱湯で5分ほど茹でたら、ザルにとり、うちわであおいで冷まします。旨み成分が溶けだしてしまうので、茹でるのは5分以内にしましょう。
おすすめ料理
エダマメはそのままはもちろん、サラダやご飯に混ぜたり、かき揚げにするのもおすすめです。またミキサーでつぶしたものに牛乳を加えポタージュスープにしたり、砂糖を加えてずんだ餡にしたり、様々な使い方ができます。
エダマメの種類
だだちゃ豆
山形県の鶴岡で、昔から栽培されてきた茶豆系の品種です。地方独特の在来品種です。
白毛系
鮮やかな緑色と白いうぶ毛が特徴です。流通量の多い品種です。
黒豆
コクと甘みがあります。京野菜の「むらさきずきん」が有名です。
お酒のおつまみとしても人気のエダマメ。そのまま食べても、料理やお菓子作りに使ってもおいしい食材なので、様々な料理で味わってみてはいかがでしょうか。
参考:「野菜と果物の品目ガイド~野菜ソムリエEDITION」(農経新聞社)