スイカの紹介
昔から日本の夏の食べ物として親しまれてきたスイカ。水分が多い食材で、表面の縞模様と、カットすると現れる赤い果肉が特徴的です。
スイカというと大玉のものをイメージしやすいですが、近年は小玉やカットしたタイプも多く出回っています。形は球形が一般的ですが、他にもラグビーボールのような形や、型にはめて作られた三角形や四角形のものもあります。
表面は縞模様のタイプが一般的ですが、黒皮系の品種や模様がほとんど無い緑色のタイプなどがあり、果肉は赤色の他にもピンク色や黄色のものもあります。
また、スイカは長い歴史を持っており、紀元前5,000年頃にはアフリカで栽培されていたという記録があります。約3,000年前頃には、エジプトでも栽培されていたようです。日本にスイカが伝わったのは16世紀後半ころで、中国から渡来したといわれています。
大玉のスイカは4~5月頃にかけて熊本産が、6~7月頃にかけて関東と鳥取産が、そして7~8月頃にかけて東北産が出回ります。秋には高知産や沖縄産のスイカも出荷されるため、年間通してリレー形式で出回っているともいえるでしょう。
鮮度の良いスイカの見分け方
スイカを選ぶ際は、より鮮度の良いものを選びたいものです。鮮度を見分ける場合は、次のようなポイントに注目してみましょう。
表面にツヤがあるか
ツヤがなく、くすんだ印象のあるものは避けましょう。
左右の形のバランスが整っているか
左右の丸みや大きさに、大きく差異があるものは避けましょう。
その他の見分け方
ツルの切り口がきれいで新鮮なものか、表面を指で弾いて「コンコン」と澄んだ音がするか、などの点もチェックしてみると良いでしょう。
スイカの保存方法
スイカの最適な保存方法についても確認しておきましょう。特にスイカが出回る夏場は、保存方法にも注意したいところです。
家庭でのスイカの保存方法としては、カットしていない丸ごとのものは冷暗所に置きます。カットして小分けしたスイカは、冷蔵庫で保存しましょう。その際、切り口はしっかりラップで包むことが、おいしく保存するためのポイントです。
冷蔵庫で長く冷やしすぎると、スイカの甘みがなくなってしまいます。そのため、カットして冷やしたものは、早めに食べきることも大切です。
スイカのおいしい食べ方
スイカの食べ方としては、カットしてそのまま食べるのが一般的です。ここではシャーベットやジュースなど、スイカのおいしい楽しみ方を紹介します。
スイカジュース
スイカから皮と種を取り除いて、ミキサーなどでジュースにします。
スイカシャーベット
カットしたスイカを凍らせると、シャクシャクとした食感が楽しめるシャーベットになります。
スイカフルーツポンチ
半分にカットしたスイカから果肉をくりぬき、皮はそのまま器にします。サイダーや炭酸入りの果実酒を入れると、夏にぴったりのスイカフルーツポンチとなります。
漬物
スイカの皮は漬物にすることもできます。外皮を取ってから漬けましょう。塩で漬ければ浅漬けに、ワインビネガーを使えばピクルスにもなります。
スイカの果肉部分に黄色いスジがあった場合
スイカの果肉に黄色いスジがあった場合、そのまま食べても問題がないか疑問に思う方も少なくないようです。
果肉にみられることがある黄色いスジは、「黄帯果(こうたいか)」と呼ばれます。果実の中央あたりに黄色い帯状の組織が現れてしまう現象のことです。この部分は糖度が低く、甘みは感じられません。食べる際は、黄帯果の部分は切り落としましょう。
スイカの黄帯果は、接木栽培の際に、高温で乾燥した環境における窒素過多などが原因とされています。
黒い線がきれいなほどおいしい、は本当?
スイカはよく、「縞模様の黒い線がきれいなものほどおいしい」といわれています。スイカの縞模様は、栽培方法や育った環境の乱れに応じて、偏りが出たり乱れてしまいます。つまり、正常な環境で育つことで、くっきりと整った縞模様がでるのです。
収穫して時間が経つにつれ、スイカの表面のツヤが失われ、縞模様もぼやけてきてしまいます。そのため、縞模様がきれいなスイカほど正常な環境で育ち、新鮮なもの、つまりおいしいスイカということになります。
スイカは普通にカットして食べる以外にもジュースやシャーベットなど、色々な食べ方で楽しむこともできます。皮の部分も活用することができますから、ひと手間加えてみるのも良いかもしれません。
スイカについて、鮮度の見分け方や保存方法、おいしく食べる方法などについて紹介しました。ぜひスイカ選びの際の参考にしてみてはいかがでしょうか。
参考:「野菜と果物の品目ガイド〜野菜ソムリエEDITION」(農経新聞社)