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アブなすぎる害獣図鑑!農家の敵とその撃退方法 ~ハト編~

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アブなすぎる害獣図鑑!農家の敵とその撃退方法 ~ハト編~

最終更新日:2018年10月10日

農作物を荒らす鳥といえば、見かけからして悪そうなカラスを思い浮かべる人が少なくないかもしれません。しかし、一般的に好ましいイメージを持たれる鳥も実は農家にとっての天敵だったりします。2016年度の農林水産省の調べでは、野生鳥獣による農作物への被害金額はトータル約172億円。その8割が獣類、2割が鳥類となっています。さらに鳥類の内訳を見ると、約半分がカラスによる被害で、残りの半分は日ごろ目にする可愛らしい鳥や美しい野鳥だったのです。
「アブなすぎる害獣図鑑」今回は、平和の象徴として知られるハトの生態と農作物への被害、その撃退方法に迫ります。

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もともとはペットだった!?

キジバト

ハトは旧約聖書のノアの方舟(はこぶね)の物語から平和のシンボルとされ、のどかな鳴き声などからも穏やかで愛らしいイメージを持たれている鳥ですが、実は農作物に被害を及ぼす害鳥でもあるのです。日本で被害をもたらしているハトは主にキジバトとドバトの2種類で、どちらも全国に広く分布しています。

ドバト

キジのメスと似た茶色の体からその名を付けられたキジバトは、「山バト」とも呼ばれるように、もともとは山や森に住む野鳥でしたが、今では街なかでもよく見かけられます。これに対して、灰色っぽい体を持つドバトは、奈良時代には日本に持ち込まれ、伝書鳩や競技用のレース鳩として人に飼われてきたものが野生化したハトです。

大きさはほぼ同じですが、体の色や羽の模様の違いのほか、キジバトはつがいで行動することが多いのに対して、ドバトは群れで行動するなど、生態にも違いがあります。

ポッポッポ……やっぱり被害は豆!

農業

農林水産省の調査では、ハトによる農作物の被害は年々減少傾向にありますが、いまだ楽観はできない状況が続いています。大豆などのマメ類、ムギ類、イネ、飼料用の作物、野菜など、被害の対象は多岐にわたっており、中でも童謡「ハトポッポ」の歌詞にも登場するマメ類への被害が一番大きなものです。

大豆への被害では、芽が出る前の豆や芽が出た後の初めの葉、芽の先端をハトが食べることで、苗の成長を著しく妨げ、欠株や株枯れが生じます。被害のタイミングが早いほど収穫に影響が出やすく、生育期間の短い品種ほど大きな影響を受けやすいことがわかっています。

また、キジバトによる被害は特徴的で、開けた土地の広い畑より、林の近くにある畑などでの被害が多く、畑に侵入してくる側を主に荒らして、中心部はあまり荒らさないという傾向があります。

テグスは効かない!? その被害対策とは?

農業

一般的な鳥類への被害対策として防鳥ネットやテグスが考えられますが、ハトは障害物を避けて飛ぶためテグスはあまり効果的ではありません。また防鳥ネットで農作物を完全に覆うことができれば被害が少なくなりますが、栽培する作物の種類や農地の規模によるコストを考慮しなければなりません。さらに、忌避剤にも有効期限があり、かかしなどの追い払い器具にはいずれ慣れてしまうという問題があります。

ハトの被害が大きい大豆などの畑では、種まきの仕方や時期によって被害を減らすことが期待できます。例えば、地域で種まきの時期を合わせ、大面積に一斉に種をまいて被害を分散させ、単位面積当たりの被害の量を減らす、といった方法などが挙げられるでしょう。また、この他にも「カモフラージュ」という対策方法があります。これは種をまいた後に地面をわらなどで覆い、芽が出た大豆をハトの目から隠す方法で、地面が見える程度のわらの量でも効果が認められています。

 
平和の象徴でありながら、近年はベランダへのフン害など、一般的にも厄介者と思われることが多くなったハト。農作物の被害に遭った農家からすれば、平和的解決とはいかないでしょうが、種まき時期の工夫など細かい対策を施しましょう。

次回も農家にとっての憎らしい天敵、意外な害獣をご紹介します。

 
参考
野生鳥獣被害防止マニュアル(PDF):農林水産省

上記の情報は2018年9月13日現在のものです。

【アブなすぎる害獣図鑑】シリーズはこちら!

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