日本で栽培されているカボチャの種類
カボチャは、南アメリカが原産地のウリ科の野菜です。
体内でビタミンAとなるβ-カロテンのほか、ビタミンC、食物繊維などを豊富に含む、栄養価が高い緑黄色野菜としても知られています。
現在、日本でおもに栽培されているカボチャには、ねっとりした食感が魅力で和食によく使われる「日本カボチャ」、ホクホクしていて甘みのある「西洋カボチャ」、ズッキーニなどさまざまな形があり、彩りも鮮やかで観賞用にも用いられる「ペポカボチャ」の3種類があります。
カボチャの栽培方法
カボチャの種まきは4月初旬~5月初旬頃に行います。
苗床にまく場合も、直接畑にまく場合も、直径4~5センチ、深さ1センチくらいの穴を作り、その中に種を4~5粒、とがった方を下にしてまきます。土をかぶせたら手で軽く押さえ、水やりします。
本葉が2~3枚出るまでに、元気のいいものを1本だけ残して、その他の株は間引きます。苗床の場合は、本葉が4~5枚になったら(種まきから30日程度)畑に植えます。
その間は、25~30℃前後に温度を保ちましょう。直接畑に種をまいた場合は「ホットキャップ(透明なフィルムやプラスチックで作られた覆い)」をかぶせて保温します。
つるが出始めたら、つるの数が増えすぎないようにしましょう。西洋カボチャの場合は親づると子づるをそれぞれ1本ずつ残します。また、日本カボチャ、ペポカボチャの場合は、親づるの先を切り、子づるを3~4本残します。
雌花が咲いたら、雄花の花粉をつけて人工授粉させます。カボチャの実がつき成長し始めたら、定期的に実の向きを変えることで色ムラが防げます。
西洋カボチャは受粉後40~45日、日本カボチャとペポカボチャは受粉後25~40日かけて、実が大きくなります。西洋カボチャはへたがコルクのようになったら、日本カボチャ・ペポカボチャは、へたの色が褐色になったら収穫時期です。ただし、ペポカボチャのひとつであるズッキーニは、受粉後4~7日たって長さが20センチ程度、太さ(直径)が3~4センチになったら収穫しましょう。
うどんこ病には要注意!
カボチャの疫病として一番注意が必要なのが、葉や茎がうどん粉をかけたように白くなる「うどんこ病」です。雨が降らずに、乾燥した天候が続くと発生しやすくなります。うどんこ病が悪化して葉の表面が白くなってしまうと、光合成できなくなり、うまく育ちません。うどんこ病にかかっている葉を見つけたらすぐにちぎり、それでも症状が広がるようでしたら、できるだけ早くうどんこ病用の市販薬剤を散布しましょう。
栽培におすすめのカボチャの品種
初めてカボチャを栽培する人にとっておすすめの品種をいくつかご紹介します。
えびす
えびすは、おいしいカボチャの代名詞といわれ、一般的に広く流通している定番の西洋カボチャです。さまざまな環境に適応し、安定して収穫できるので、初めてカボチャを栽培する人にはおすすめの品種です。
坊ちゃん
手のひらサイズのミニカボチャは、家庭菜園やプランターでも育てることができます。その中でも人気品種の坊ちゃんは、一株で多くの実が収穫でき、手軽に栽培しやすい西洋カボチャです。食感はえびすカボチャとよく似ていて、小さいため調理しやすいこともおすすめポイントです。
みやこ
みやこは、子づるが少ないため手間がかかりにくく、一般的な品種よりも面積をとらないことから栽培しやすい西洋カボチャです。初期に出る子づるをとった後は、こまめに世話をしなくて済むのが魅力です。味もよく、ホクホクしていて自然な甘みがあります。
ロロン
ちょっと変わったカボチャを栽培してみたい方には、ラグビーボールのような個性的な形をした西洋カボチャ、ロロンもおすすめです。実がつきやすく、安定した収穫が見込めます。食感はホクホクしていながらも滑らかな舌触りで、きめが細かいため裏ごしする料理にも向いています。
ダイナー
ダイナーは、ペポカボチャに分類されるズッキーニの一品種です。つる無しのため場所をとらず、収穫量も多いため、育てやすい品種として知られています。受粉後4~5日ほどで太さが直径4センチ、長さが20センチ前後になり、収穫できるようになります。
初心者にも育てやすいカボチャを栽培してみよう!
カボチャは、うどんこ病などの疾病に気を付けながら、栽培方法をきちんと守れば初心者でも育てやすい野菜です。収穫の日を待ち望みながら、じっくりと育てていきましょう。
さまざまな品種の中から、栽培しやすさや見た目・食味などの好みに合わせてお好みのカボチャを選んでみてはいかがでしょうか。