ソーラーシェアリングとは? 導入費用や適した作物は
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生産者の試み

ソーラーシェアリングとは? 導入費用や適した作物は

ソーラーシェアリングとは? 導入費用や適した作物は
最終更新日:2019年07月31日

農地を活用した太陽光発電事業「ソーラーシェアリング」をご存じですか? 農業を営みながら太陽光パネルを設置して売電収入を得るというこの新しいしくみは、農業者にとってさまざまなメリットがあります。しかし、導入に必要となる費用やデメリットについても把握しておくことが大切です。
ここでは、ソーラーシェアリングとは何なのか、必要となる費用や適した作物などについてもご紹介しましょう。

農業収入と売電収入が得られるソーラーシェアリング

ソーラーシェアリングとは、農業を行いながら、その農地に太陽光で発電ができるソーラーパネルを設置することで、1つの場所から農業収入と売電収入の両方を得られるというもの。「営農型太陽光発電」とも呼ばれており、農地に支柱を立てて、上部空間を利用します。農地を更地にしたり整備したりする必要もなく、農地のまま発電ができるしくみです。

しかし、農地に設置できる建物は、農地法でビニールハウスなどの農業用の建物に限定されています。そのため、市町村の農業委員会に「一時転用」を申請する必要があります。これまで、一時転用は3年間と期間が定められ、農業の収入状況などによって期間の延長が定められるというしくみでしたが、荒廃農地を活用するなどの条件を満たすことで10年に延長されることになりました。

ソーラーシェアリングのメリット・デメリット

実際にソーラーシェアリングを導入することで、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。ソーラーシェアリングの導入によって作業効率や生産性が落ちることのないように、農作業への影響などを考慮した上で取り入れることが大切です。

メリット

  • 農業収入と売電収入の両方を得られる
  • 農地に適度な日陰ができ、農作業中の直射日光が防げる
  • 20年間(10kW以上の発電設備の場合)は固定価格で売電できる保証がある
  • 日陰ができることによって作物の品質が上がることもある

デメリット

  • 初期費用が必要となり、回収に時間がかかりやすい
  • 支柱が作業の邪魔になる可能性がある
  • 年に1回の報告義務がある(生産状況や周辺農地への影響など)
  • 一時転用の更新ができなかった場合、撤去しなければならない

ソーラーシェアリングに適した作物

ソーラーシェアリングの導入には、どんな作物を栽培する農地が適しているのでしょうか。
作物は、それぞれ必要となる光合成量が異なり、1日に約6時間以上の直射日光が必要な「陽性植物」、約3~4時間の直射日光が必要な「半陰性植物」、直射日光のあたらない日陰を好む「陰性植物」があります。ソーラーシェアリングを行うことによって日陰ができるため、ホウレンソウやコマツナ、ジャガイモ、カブ、レタスなどの半陰性植物や、ニラやミョウガ、シソなどの陰生植物が適しています。

導入のために利用できる融資

ソーラーシェアリングの導入を支援する融資としては、日本政策金融公庫や各地のJAバンクを含めた金融機関の融資メニューがあります。JAバンクの資金は、県によって資金の名称や内容が異なりますが、ここでは一例として日本政策金融公庫の「スーパーL資金」とJAバンク北海道の「JA再生可能エネルギー施設等資金」についてご紹介します。

<スーパーL資金>
スーパーL資金は、日本政策金融公庫の農林水産事業が取り扱う資金のひとつで、農業経営改善計画を作成して市町村長の認定を受けた認定農業者が利用できる資金です。返済期間は25年以内、融資限度額は個人の場合は3億円、法人では10億円と定められています。

<JA再生可能エネルギー施設等資金>
JA再生可能エネルギー施設等資金は、JAバンク北海道の正組合員を対象に融資する、限度額を5000万円以内、返済期間を原則10年以内に定めている資金です。融資金額によって担保が必要になるなどの条件があります。

ソーラーシェアリングの活用事例と初期費用額


農林水産省が紹介する導入例を基に、ソーラーシェアリングの活用事例や初期費用にかかる金額を見ていきましょう。ここでは、千葉県いすみ市のブルーベリー農家と、静岡県浜松市のお茶農家での導入事例についてご紹介します。

千葉県のブルーベリー農家の場合

千葉県いすみ市のブルーベリー農家では、ソーラーシェアリング導入による収穫量増加によって、2018年5月時点の農業収入である203万円から、2026年には約400万円にすることを目標にしています。また、営農者自身がソーラーシェアリングを使用した地域活性化を目的とした事業を行うなど、経営強化にもつながっています。

初期費用額
発電設備下の農地の広さ:10アール(1,000平方メートル)
パネル代:795万円
架台代:240万円
架台工事費:300万円
その他:165万円
建設費合計:約1500万円

静岡県浜松市のお茶農家の場合

茶製品を開発する法人が、静岡県浜松市のお茶農家に発電設備を設置してソーラーシェアリングを導入しました。年間の売電収入は220万円を見込み、そのうちの20万円を営農者へ施設管理費として支払うことで運営しています。営農者にとっては設備費の負担がなくプラスアルファの収入となるため、双方にとってメリットが得られるというしくみです。

初期費用額
発電設備下の農地の広さ:7アール(700平方メートル)
パネル代:450万円
パワーコンディショナー(家庭用で使える電気に変換する機械)代:210万円
架台代:120万円
工事費など:720万円
建設費合計:約1500万円

将来を見据えて導入の検討をしよう

ソーラーシェアリングは、農業と太陽光発電の両立や、作物の生育に役立つというメリットがある一方で、初期投資金額も大きいため、しっかりと農業を継続することを前提条件に行わなくてはなりません。
将来を見据えたプランを立てた上で、ソーラーシェアリングを取り入れてみてはいかがでしょうか。

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