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キュウリ栽培2年目の夏、新たな病との闘い【脱枯れ専のベランダ畑】

連載企画:脱枯れ専のベランダ畑

キュウリ栽培2年目の夏、新たな病との闘い【脱枯れ専のベランダ畑】

野菜を自分で育ててみたいけれど、植物は枯らしてしまうばかりの“枯れ専”だった──。そんな世話下手が始めたベランダ菜園2年目。1年目の栽培で最も印象的だったのは、うどん粉病にかかって枯れてしまったキュウリでした。そのリベンジを誓った今年は、種からの育苗にも挑戦。さらに、立派な苗も購入して万全の体制が整ったかに見えたのですが……。我が菜園では全く一筋縄にいかないキュウリ栽培。今年の悲喜劇について包み隠さずお伝えします。

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今年の“登場キュウリ”の紹介

種から育苗したキュウリ

1年目には、うどん粉病の症状が出て枯れてしまったキュウリ。その痛手から、次は必ずや枯らさずに育てたいと心に決めて春から育苗を始めました。

4月中旬、ポットに種をまいた

その苗は1カ月から1カ月半かけて、植え付けられるくらいに大きく成長。自分で育てた苗であるという若干の不安を抱きつつ、まあ大失敗することはないのではないかと素人ゆえの楽観的な考えで突き進んできました。

播種(はしゅ)から1カ月〜1カ月半。同じ品種だが種まきの時期と土が違うため大きさや葉の色が少し違う

昨年の栽培の様子はコチラ!
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花屋で購入した苗のキュウリ

そんな育苗の最中のある週末、たまたま通りかかった花屋の店先で立派なキュウリの苗を発見しました。目の端に入った瞬間「うちで育てているのより、はるかに大きい……」と思わず二度見。とはいえ、これ以上、大型プランターを増やすのは危険。そう自制心が働き、その場はなんとか思いとどまったのです。私、偉い。

それでも、気になる。気になって週明けにまたフラフラと店に足を向けたところ、20株くらいあった苗がわずか2日間で残り3、4株にまで減っているではありませんか。しかも花屋のおじさんったら、「これはプロの農家さんも育てる苗だ」とか「今年出る苗はこれが最後」とか言うんですよ。理性が吹っ飛ぶじゃないの。

結局花屋で購入してしまったキュウリの苗

キュウリの袋栽培に挑戦

最終的にどんな理屈をひねり出して自分を納得させたか。

実を言うと、袋栽培がしやすいように袋の底にマチがついている培養土をたまたま見つけたことが大きいです。この袋にそのまま植えつければ、プランターを増やすことなく栽培できる。しかも、袋栽培は一度はやってみたいと思っていたので一石二鳥というわけです。

袋栽培がしやすいように作られたキュウリ用の培養土

袋栽培のやり方

植え付け方法は簡単。まず、ドライバーなどを使って、培養土の袋の下部と底に水抜きのための穴を開けます。

袋に書かれていた穴開け箇所の目安を参考に8〜10カ所穴を開けた

袋を立てて封を切り、上の方を何重か外側に折り返しておきます。土の真ん中に穴を掘って苗を植え付け、あとは支柱を立てて水やりをすればOK。

支柱を立てて上から見たところ

「今年こそ成功」の淡い期待

その後、2週間ほどは順調に育ちました。ぐんぐん伸びてすぐに支柱のてっぺんまで到達してしまったので、途中であんどん支柱に替えてぐるぐるはわせるように仕立て直したくらいです。この時点では、いい苗を得たことで今年のキュウリは安泰だと信じていました。

支柱の高さが足りなくなってあんどん支柱に変えた

新たな敵キャラの出現

様子がおかしくなってきたのは、そのわずか2週間後、関東地方が梅雨入りした6月上旬ごろからです。大きく成長していたキュウリの下の方の葉が急に黄色く変わり始めたのです。

下の方の葉が黄色く変わってきている

何かがおかしい。しかし、どうやら私の知っているうどん粉病ではないみたい……。そんな風にモタモタしていると、1週間後にはさらにひどい状態に。慌ててそーやん師匠にSOSを発信です。

うどん粉病には注意をしていたが……

キュウリを襲う“べと病”とは

「べと病っぽいですね。うどん粉病よりタチが悪いです」

そーやん師匠からは即座にそう返答がありました。なんでも、同じ週に何件も似たような相談を受けていたとか。べ、べと病……? 新キャラ……。

指摘されて調べてみたところ、べと病は多湿条件で発生するカビの一種だそう。袋栽培の水はけの悪さと、梅雨の気候条件が重なって発生したのではないかと思われます。

しかも、去年のように数日に一回の適当な水やりだったら良かったのかもしれませんが、乾燥で発生しやすいうどん粉病を恐れて水やりもマメにしていたことが、かえって状況を悪化させてしまったよう。

師匠は「ここまで症状が悪化すると、農薬でも対処は難しいかも」とも言います。なんともはや……。水やりが少なければうどん粉病になる、水やりが多すぎればべと病になる。とかく人の世のベランダはキュウリにとって住みにくいもののようです。

上の方の元気な葉だけ残して復活に賭けた

その後、ダメもとで黄色くなった下の方の葉をバッサリ切り取って、復活の奇跡に賭けたのですが、1週間後には早くも無残な姿に成り果ててしまいました。

病気の葉を刈り取ってから1週間後

あと少しで最初の収穫となるはずだった実

“ナゾ病”にかかったキュウリ

敵の姿がハッキリしていることばかりでもありません。

べと病のキュウリを見送ったころ、自分で育苗し、植え付けた冒頭のキュウリにも異変が現れ始めました。やたらと葉の色が薄く、白っぽくなってきたのです。

色が薄く、白っぽくなってきたキュウリの葉

隣に置いた水耕栽培のトマトの葉

隣に置いた水耕栽培のトマトの葉にも似たような症状が出ていたので、初めは感染病を疑いました。そーやん師匠にも再びあれこれ相談し、ハダニの被害症状に似ているとか、病気だったら褐斑(かっぱん)病が近そうなどと、いろいろな可能性を指摘してもらったものの、これといったドンピシャの病は見つからず。

次に、使用した土が一度使った再利用の土だったので、肥料の不足による生理障害を疑いました。調べてみると、葉の症状からマンガンや鉄などの欠乏ではないかとも思われましたが、その場合は新葉から症状が出やすいという点が当てはまらず。

結局、原因不明の“ナゾ病”のまま枯れていくのを止めることはできませんでした。何も対処してやれないというのも辛いものです。

キュウリ栽培、トラウマになりそうだ

終わらないキュウリとの夏

こうしてキュウリの短い夏が終わりました。去年、今年と3回続けてキュウリをダメにしてしまい、うちのベランダではキュウリ栽培は難しいのだと、さすがに納得しました。もう諦めようと思います。

……と、このように書いて終わりにするつもりだったのですが。

最近、驚くべき光景に出会いました。なんと、私の住んでいるマンションで、ベランダにキュウリの葉をワサワサと茂らせている部屋を見つけたのです。それを見て、ああ、こうすれば育つのかもしれないと参考になった一方、うちのマンション環境ではキュウリは育たないのだという言い訳が立たなくなったことを察知したわけで……。

今年はもう難しいのではないかと思いますが、あれを見てしまったらまた挑戦しなくてはいけないかなあと、非常に悩ましい気分です。そんなわけで、キュウリとの格闘、「終わり」ではなく「続く」!
 

◆この環境で育つ野菜を探すのは大事。次回は、日陰や半日陰でも育つ野菜に注目。

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