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深谷市が農業イノベーターの挑戦を表彰 課題解決と次世代農業の創出に意欲

深谷市が農業イノベーターの挑戦を表彰 課題解決と次世代農業の創出に意欲

『深谷ねぎ』などのブランド野菜をはじめ、多種多様な農産物の生産地として知られる深谷市。産業の核となる農業の課題を解決し、次世代農業の創出を目的として、農業技術に取り組むイノベーターを表彰する「DEEP VALLEY Agritech Award 2019」が10月31日(木)に開催されました。

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深谷市の「DEEP VALLEY」戦略とは

人口減少や高齢化などの農業課題の解決に向けて、「アグリテック(農業×技術)」を集積し、生産性の向上や儲かる農業の実現を目指した深谷市の「DEEP VALLEY アグリテック集積戦略」。実現にむけて、深谷市内3農協、市内商工団体、埼玉工業大学、株式会社トラストバンク、株式会社マイナビが連携パートナーとして産官学連携で取り組んでいます。

「DEEP VALLEY Agritech Award 2019」は本戦略の一環として、農業課題の解決に挑む独自技術、アイデア、ビジネスモデルを持った企業を募り、表彰するコンテストです。受賞者には、深谷市が実証フィールドの提供や出資などをおこない、共に課題解決に取り組みます。

深谷市と連携パートナー

審査を通過した6名がファイナルステージに立ち、プレゼンテーションを行いました。
審査員には深谷市長の小島進氏、深谷市と縁のある渋沢栄一の子孫(玄孫)である渋澤健氏、北海道大学大学院農学研究院の野口伸副研究院長など、農業や経済の専門家をはじめ、深谷市内の農業協同組合長など、現場目線での審査もおこなわれました。
結果、深谷市と共に歩む受賞者2名と協賛企業賞1名が決定しました。

受賞者の提案と意気込み

【最優秀賞】プロダクト部門 グリーンラボ株式会社

独自の縦型水耕栽培装置『Bi-Grow』を活用し、新たなスマートアグリファクトリーの実現を提案したグリーンラボ。『Bi-Grow』は、栽培技術や労力、広大な農地を必要とせず、何より土が不要という点から、既に全国で生産拠点を広げています。深谷市の遊休地を活用して『Bi-Grow』でハーブなどを栽培し、新しい農業を創出することを提案しました。

代表の遠藤隆之(えんどう・たかゆき)さんは勝因に対して、「プロダクト部門で応募しましたが、モノだけでなく、それをどう生かすかまで考えてプレゼンできたからだと思います」と分析。自社製品を使い、実際に栽培から販路開拓まで一気通貫で行っている同社は、農家の苦労を身に染みて感じていると言います。よりリアルな提案が審査員の評価を得たのかもしれません。

【最優秀賞】コンセプト部門 株式会社PROPELa

コンセプト部門を制したのは、建築業を営むPROPELa。農場や植物工場の空間設計から空き家のリフォームなど、深谷市全体の価値作りを考えた提案となりました。
農家が儲かる仕組みづくりを目指して、価格が高い時期に収穫できる生産方法を提供する一方、植物工場と教育施設を兼ねた体験型のラボや、農場とキャンプ場をミックスした施設なども提案。子供にも農業に触れるきっかけを作り、農業の周辺人口を増やすという、独自の視点でのプレゼンテーションとなりました。

代表の山中祐一郎(やまなか・ゆういちろう)さんは、深谷市の人々が楽しめるものを目指して、深谷市の課題や強みを考えて工夫したとのこと。今回の受賞に際して「早く深谷市の方々に試験運用していただけるように動き出したいです」とコメント。
深谷市を成功モデルとして他府県にも展開できれば、日本農業の課題解決にも繋がるかもしれません。

【協賛企業賞】コンセプト部門 株式会社SUNYSIDE

協賛企業賞に輝いたのは、代表自身が深谷市出身というSUNYSIDE。農家の事業承継問題に重点を置き、生産工程を見える化したアプリケーション『ねぎテック』を考案。
代表の河田晃範(かわた・あきのり)さんは、兄弟が農家であることから、地元農家の声を聞きながらサービスを考えたそうです。農家のITリテラシー問題などを考えて、“誰でも簡単に使える”をテーマに入力画面を設計しています。

受賞に対して河田さんは「『ねぎテック』に情報が集積されれば、小売店が農家にアプローチするなど、色々な展開が考えられます。受賞を機に、スピード感を持って具現化しなければと身の引き締まる思いです」とコメントしました。

今後、受賞者と深谷市は具体的な取り組みについて動き出します。
また、本コンテストを受けて深谷市は来年度のコンテスト開催も決定しました。新しいイノベーターの発掘と深谷市の戦略の今後に注目です。

【参考】DEEP VALLEY Agritech Award 2019

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