義務感から脱した農家の長女
“奇跡のリンゴ”に魅せられて
自然栽培で新境地を開く
自然栽培で新境地を開く
Profile
Q1.農業を始めたきっかけは何ですか?
実家が代々農家で、父が他界し母が身体を壊したことがきっかけです。夫は婿養子で会社勤めをしているので、当たり前のように私が農業を始めました。最初は義務感しかなかったですね。
気持ちが変わったのは、無農薬・無肥料・無堆肥の自然栽培を実践する木村秋則(きむら・あきのり)さんと出会いです。子供に安全なものを食べさせたいと思っていた時に、近所に住む木村さんに自然栽培のことを教えてもらいました。試しに家庭菜園で自然栽培を取り入れてみたところ、楽しくて止められなくなっちゃったんです(笑)。自分で農業をするなら農薬や肥料に頼らない農業をしたいと思い、両親の代まで慣行栽培だった田畑を全て自然栽培に移行しました。
Q2.作物はどうやって決めましたか?
両親の代から受け継いでいます。
Q3.土地はどうやって決めましたか?
両親の代から受け継いでいます。
Q4.師匠は誰ですか? どうやって修業しましたか?
木村秋則さん。就農して最初の5年くらいは木村さんと共同で米を作付けさせていただきました。また、私の田畑に立ち寄ってもらって栽培状況を見てもらい直接指導いただいたりもしました。
Q5.助けになっている存在は?
自然栽培の仲間たち。任意団体「自然栽培女子会」を立ち上げ、ほ場で野菜と米の栽培実践スクールを開催した際に全国から80名程集まってくれました。スクール以外でも農作業を手伝ってくれたり、何より同じ志の人がいることに勇気づけられますね。
仲間には農家だけでなく一般の方もいるんです。最近の自然災害から、「食料が買えなくなった時に自分で作れる知識をつけたい、生産者と繋がりたい」と危機感を持つ方が増えているように思います。
Q6.農業をやっていて良かったことは? 逆に良くなかったこととは?
良かった点は、自分の身体を使って作物を生産できるようになったこと。それを加工することでブランド化出来たり、イベントを通じて自然栽培を普及できたことです。
良くなかったことはありません!!
Q7.「農業女子あるある」といえることは?
起業する際に、女性目線やきめ細やかさをいかせること。
Q8.おすすめアイテムを教えてください。
長年、田植え用の長靴ではなくレインブーツを愛用しています。履きやすく歩きやすく耐久性もあり、しかもカラフルな花柄を選べば水田作業も楽しくできます!
オール3からオール5になりました!特に人間関係は、慣行農業をしていたら出会えなかった方々とご一緒することができています。日々、農業の素晴らしさを広めることの嬉しさを実感しています。
「奇跡のリンゴ」の木村秋則氏との出会いを機に自然栽培に興味を持つ。ノウハウを学び、両親から事業継承をする際に自然栽培に完全移行。就農30年目となる現在は、農業体験や農家民泊に加え、自然栽培の技術を伝えるスクールも実施するなど幅広く活動しています。