狩猟犬はどうやって飼うの? 犬種の選び方や訓練は?

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狩猟犬はどうやって飼うの? 犬種の選び方や訓練は?

連載企画:狩猟入門

狩猟犬はどうやって飼うの? 犬種の選び方や訓練は?
最終更新日:2020年02月26日

日本の狩猟には古くから「一犬・二足・三鉄砲」という言葉があり、狩猟犬が重要視されてきました。初心者ハンターで「いずれ狩猟犬を飼いたい」と考えている人もいるのではないでしょうか。ここでは、狩猟における狩猟犬の役割や飼い方などを解説します。後半では主な狩猟犬種を紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

狩猟における狩猟犬

狩猟犬

狩猟犬には、盲導犬のような法令上の認定基準はありません。実際に狩猟に使われている犬、狩猟犬の競技会に出場している犬などを、狩猟者は狩猟犬(または猟犬)と呼んでいます。鋭い嗅覚や大きなほえ声など、犬ならではの能力が狩猟の現場で生かされます。

狩猟犬の役割

狩猟にはさまざまな方法がありますが、狩猟犬が必要になるのは、主に、獣猟の巻き狩り(複数人のグループでイノシシやシカなどの大物を捕る方法)や、狩猟犬を使うスタイルの鳥猟です。一人や少人数での獣猟に狩猟犬を使う人もいます。

獣猟での狩猟犬の役割には、獲物を追いかける、近距離でほえて獲物の動きを止める、などがあります。獣猟に使われる犬を「獣猟犬」と呼びます。

鳥猟では、草むらに潜んでいる鳥を見つけてハンターに知らせる、鳥を追い出して飛び立たせる、獲物の回収、などが狩猟犬の役割です。鳥猟に使われる犬を「鳥猟犬」と呼びます。

どこで買えるの?

狩猟犬専門のブリーダーから購入するか、知り合いの狩猟者から子犬を譲り受ける人が多いようです。中には、ペットショップで購入して狩猟犬に育てる人もいます。

訓練方法は?

専門の訓練所を活用したり、狩猟仲間の助けを借りたりする方法がありますが、自分でも訓練を行うのが基本です。一般的な飼い犬としてのしつけの他、呼び戻し、運搬、捜索などの訓練があります。

代表的な獣猟犬 和犬、ハウンドなど

狩猟ではさまざまな犬種が使われます。対象となる獲物、犬に求める役割によって適した犬種が異なるため、自分の狩猟スタイルに合った犬種を選びます。ここからは、代表的な狩猟犬種を紹介します。純血種の他にも、猟師が独自に掛け合わせたミックス犬なども活躍しています。

獲物がイノシシやシカの場合、主に中型の和犬(紀州犬、四国犬、甲斐犬など)や、ハウンドが使われます。和犬は、獲物と向き合っても一歩も引かない格闘型の獣猟犬で、近距離でほえて獲物の動きを止めます。ハウンドは、ほえながら獲物が疲労するまで追いかけ続ける追跡犬です。

その他の獣猟犬では、ビーグルがおもにノウサギ猟に使われるのが有名です。ビーグルはイノシシ猟やシカ猟などにも使われています。

紀州犬

狩猟犬

中型犬/体重:15~25キロ

日本古来の狩猟犬種としてよく知られる紀州犬。和歌山県、三重県、奈良県を含む紀伊半島の山岳地帯で古くから飼われてきました。飼い主には従順ですが、誰にでもなつくことはなく、いざというとき勇猛に獲物と向き合います。

四国犬

狩猟犬

中型犬/体重:15~23キロ

四国犬は、高知県の山岳地帯を中心に、かつてはクマ狩りをするマタギ犬として活躍していました。飼い主の指示に忠実ですが、飼い主とその家族以外には慣れにくく、知らない人への警戒心が強いため番犬にもなります。

甲斐犬

狩猟犬

中型犬/体重:16~18キロ

甲斐犬は、山梨県で狩りに使われてきた狩猟犬です。知力が高く仲間意識が強い一方、気性が荒く攻撃的な面があります。飼いやすさの難易度は、初心者向けではありません。虎のような毛並みで、虎毛犬(とらげいぬ)や虎犬という愛称でも呼ばれます。

プロット・ハウンド

狩猟犬

中~大型犬/体重:20~25キロ

ハウンドはアメリカなどで獣猟によく使われる追跡犬の総称です。代表的なのがプロット・ハウンドで、獲物を追い続ける耐久性と体力に優れています。引き締まった筋肉質な体つき、厚い胸、長い足を持つスタイリッシュな犬種です。

代表的な鳥猟犬 ポインター、セター、レトリバーなど

散弾銃による鳥猟では、飛んでいる鳥を撃ち落とします。キジやコジュケイなどは草むらに隠れていて人間では見つけづらいため、嗅覚に優れた鳥猟犬に見つけてもらいます。鳥を発見した犬は、鳥の居場所をハンターに知らせるポーズをとり、ハンターの「GO」などの合図とともに鳥を追い出して飛び立たせます。ハンターが鳥を撃ち落としたら、犬が鳥を回収・運搬します。

代表的な鳥猟犬はポインター、セターで、訓練次第では捜索から回収までを行ってくれます。その他、レトリバー、スパニエルなども鳥猟に使われます。

イングリッシュ・ポインター

狩猟犬

大型犬/体重:20~35キロ

ポインターの代表格といえる犬種がイングリッシュ・ポインター(または英ポインター)です。獲物の居場所をハンターに示すときに、姿態を低くして片足をあげる「ポインティング」というポーズをとります(尾をピンと上げる犬もいます)。性格は社交的で遊び好きなので、遊びながらトレーニングをするとどんどん吸収するようです。

イングリッシュ・セター

狩猟犬

大型犬/体重:25~30キロ

イングリッシュ・セター(または英セター)は、セターの中で最も古い歴史を持ち、鳥猟犬として人気の高い犬種です。獲物を前にすると、しゃがみこむ「セッティング」というポーズをとってハンターに知らせます(立ったまま完全に停止することで知らせる犬もいます)。性格は比較的おとなしく、子供になつきやすいのが特徴です。

ラブラドール・レトリバー

狩猟犬

大型犬/体重:25~30キロ

家庭犬や盲導犬としてもおなじみのラブラドール・レトリバー。回収を意味するレトリーブが名前の語源で、狩猟では回収犬として活躍します。水が大好きで泳ぎが上手なため、水面に落ちたカモなどを回収するのが得意です。優しい性格で、初心者にも飼いやすい犬種です。

狩猟犬を飼うに当たってはルールやマナーを順守し、しっかりと訓練や管理、安全対策を行わねばなりません。必要な運動量も多く、毎日の散歩などで充分に運動させないと、ストレスがたまってしまうかもしれません。多くの責任が伴いますが、人と犬が一体となって楽しむ狩猟は、感動的な素晴らしいものです。

参考文献:
「狩猟読本」(大日本猟友会)
「これからはじめる狩猟入門」(ナツメ社)
「いちばんよくわかる犬種図鑑 日本と世界の350種」(メイツ出版)
「新犬種大図鑑」(ペットライフ社)

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