農家が教えるルッコラの栽培方法 畑やプランター、室内で。どこでも上手に育てる方法

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農家が教えるルッコラの栽培方法 畑やプランター、室内で。どこでも上手に育てる方法

連載企画:農家が教える栽培方法

農家が教えるルッコラの栽培方法 畑やプランター、室内で。どこでも上手に育てる方法
最終更新日:2020年02月17日

レストランのサラダなどで使われ、おしゃれなイメージのルッコラ。ゴマのような香りとピリッとした辛みが食欲をそそり、お肉料理の付け合わせにもぴったりです。最近はスーパーでも見かけるようになりましたが、少量パックで販売されているので、好きな人にとっては物足りないかもしれません。実はルッコラは水菜や小松菜と育て方が似ており、家庭菜園でも作りやすい野菜です。プランターや室内の小さなスペースでも育てることができるので、ぜひ自分で栽培してたくさん食べましょう。

ルッコラの栽培時期

ルッコラの発芽適温は15〜20度、生育適温も15〜20度で、露地栽培の場合は春と秋が育てやすい気候と言えます。夏と冬は育てにくくはなりますが、夏は強い日差しを遮るための寒冷紗(かんれいしゃ)を、冬は保温のためのビニールトンネルを利用すると栽培が可能です。ビニールハウスや室内の場合は一年を通して育てることができます。プランターに植えておけば、夏は日陰に、冬は室内に移動させることができるので便利です。

プランターで育てる場合

土の準備

プランターで栽培する場合はホームセンターなどで売っている野菜用培養土を使います。種まき用の土や、自分で腐葉土などをブレンドした土を使ってもいいでしょう。

播種(はしゅ)

プランターは大きくても小さくても大丈夫です。ルッコラはベビーリーフのような小さなサイズで収穫してもいいので、その場合は容器も小さくていいでしょう。発泡スチロールの箱、木箱、イチゴパックなど、基本的になんでも使うことができます。一つだけ気をつけるのは底に穴が開いているかどうか確認することです。開いていない場合は必ず開けておきましょう。

大きな容器であれば種は「筋まき」、小さな容器であれば「ばらまき」します。筋まきは、指や割り箸などを押し付けて5ミリから1センチの深さの溝をつけ、その筋に1センチ間隔で種をまきます。ばらまきの場合は、2〜3センチ間隔で丁寧に一粒ずつ種を落とします。

ルッコラの種は非常に小さく1カ所にかたまって落ちやすいので注意が必要です。種をまき過ぎると、発芽したときに葉が混み合ってしまい間引きが大変になります。親指と人差し指、中指の3本をすりあわせながら丁寧に種をまいてください。まき終わったら上から土を5ミリ〜1センチ程度かけて、その上から霧吹きかじょうろで優しく水をかけます。さらに濡れた新聞紙をかぶせて完了です。新聞紙が乾いていたら水をやるようにし、発芽するまでは土が乾かないように管理しましょう。ルッコラの種は非常に発芽しやすいので、暖かい時期であれば2〜3日でほとんどの芽が出てきます。

露地栽培の場合

土の準備

石灰を入れて土壌酸性度をpH6.0程度とした土に、堆肥(たいひ)を入れて耕しておきます。植え付け1週間前に化成肥料を施し、畝を立てます。畝幅はお好みで、畝高は排水の悪い土地であれば少し高めにしておきましょう。

播種

畑での種まきは筋まきにします。畝が細い場合は畝に対して平行に、畝幅が広ければ畝に対して垂直にまき溝をつけます。畝が広い場合はこの方が管理や収穫がしやすくなります。大根の種まきなどでも応用の利くやり方です。

まき溝は、木板や支柱などを利用して5ミリから1センチの深さにします。まき溝ができたら、種が重ならないように注意しながら1センチ間隔で1粒ずつ種をまきます。すべての種まきが終わったら、両側から土を寄せるようにかぶせ、平クワで鎮圧し、じょうろで優しく水をかけます。

害虫対策

ルッコラは育てやすい野菜ですが、注意しなくてはいけないのが虫に食われやすいという点です。アオムシ、ヨトウムシ、コナガ、アブラムシなど、ルッコラの良い香りにひかれるのかどんどん虫が寄ってきます。ルッコラは葉を食べる野菜なので、虫がたくさんつくと食べるところがなくなってしまいます。播種した後はすぐに防虫ネットをかけておきましょう。

アブラムシは非常に小さいので、ネットの目合いが1ミリ以下の物を使用してください。網の目の細かいネットは風にあおられやすくなります。ネットの上部はトンネルの支柱にクリップでとめる、裾は土でしっかり埋めるなどし、頑丈に設置しておきましょう。「防虫ネットをしておらず、アオムシが入ってしまったが、化学農薬は使いたくない」という場合は有機栽培でも用いることのできるBT剤が便利です。BT剤について詳しくはこちらをご覧ください。

BT剤について
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室内で育てるときの注意点

ルッコラは室内で育てることもできます。室内栽培でもっとも注意すべき点は、光が足りているかどうかです。日当たりの良い窓辺に置くことができればよいのですが、窓際に置けない、部屋がそもそも一日中暗い、などという場合には日照不足で生育が悪くなってしまいます。ルッコラが細く弱々しくなるのを防ぐために、日中はプランターを外に出してあげるといいでしょう。冬場でも昼の暖かい時間帯であればベランダに出しておいて大丈夫です。もしLEDライトを持っていれば利用するのも手です。逆に、真夏は直射日光を浴びるとルッコラの葉が硬くなってしまうので、室内に入れておくことでやわらかな葉を収穫することができます。室内に入れられない場合は半日陰に置いておくといいでしょう。

間引き

本葉が1、2枚出て葉が混み合ってきたら、生育の悪いものを抜くかはさみで切って、2〜3センチ間隔を目安に1回目の間引きをします。取った葉はスープのかざりやサラダに、さっそく使うことができます。小さくても強い香りとピリっとした辛みが感じられます。さらに本葉が4、5枚になった時に5~6センチ間隔に2回目の間引きをします。

追肥・中耕・除草

2回目の間引きのときに、葉の色を確認して色が薄いかなと思ったら追肥し、除草を兼ねて中耕しておきます。畑で育てる場合は元肥だけで十分で追肥が必要ないこともあります。しかしプランターは水やりの回数が多く肥料が外へと流れ出やすいので、追肥をしたほうがいいでしょう。葉の色が薄くなっていれば、本葉が4、5枚になる前でもいいので追肥してください。液肥をこまめに与えてもいいでしょう。除草と中耕は生育を良くするために重要な作業なので、追肥がいらないときも除草と中耕だけはやっておきます。そして作業のあとは必ず防虫ネットを戻しておきましょう。

収穫

収穫は株元から刈り取って収穫する方法と、外葉から摘み取っていく方法の2通りあります。株元から刈り取る場合は背丈が15〜25センチになったころに収穫します。地際からはさみで切りましょう。外葉から摘み取る場合は、葉の大きさは5センチでも10センチでも、食べたいときに収穫しましょう。はさみの先端で葉の付け根から丁寧にカットします。このとき、新芽を傷つけないように気をつけて外葉だけを収穫すれば、数日後には若い葉が伸びて再び収穫することができます。時期によっては2〜3カ月にわたって収穫することも可能です。

ルッコラの花

ルッコラの花

春や夏はルッコラの花が咲きやすい時期です。ルッコラの花は十字架のような変わった形をしており、食べることもできます。しかし、花がつくと茎や葉は硬くなり、さらに毛が生えてチクチクします。つぼみを摘み取ることで長く収穫できるようにはなりますが、どうしても辛みが強くなりますし、チクチクしながら食べるのはあまりおいしいとは言えません。花芽がついたら栽培終了としたほうがいいでしょう。加熱すると辛味成分は飛んでしまうので、辛くなった葉は炒めれば食べやすくなります。途切れなく収穫したい場合はあらかじめ新しい種をまいておきましょう。

主な病害虫

ルッコラは生育期間が短いので、あまり病気になることはありません。ただし、害虫は寄ってくるので防虫ネットをかけることをおすすめします。コナガ、アオムシ、ヨトウムシ、アブラムシなどが主な害虫です。見つけた場合は早めに防除するようにしましょう。

ルッコラはβ-カロテンやビタミンE、ビタミンKなどを豊富に含む緑黄色野菜です。ほうれん草のようにおひたしや炒め物にするとたくさん食べることができます。近年注目されているルッコラに似た野菜として、セルバチコという植物があります。こちらはルッコラよりさらに強い香りと味があるのが特徴で、「ワイルドルッコラ」などと言われることもありますが、ルッコラと異なり多年草です。強い風味が好きな人は挑戦してみてはいかがでしょうか。

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