2月はまだ寒さも厳しい時期ですが、少しずつ春の兆しが見えてくる時期でもあります。手間はかかりますが、ビニールトンネルや温室などの防寒対策を行えば、グッと栽培できる野菜の種類が増えます。ベランダや軒下などの狭いスペースでも設置できるような家庭菜園用のビニール温室なども売られていますので、温室で苗を育ててから、少し暖かくなってきた頃に畑に植えることで、収穫までが格段に早くなります。今回はそういった防寒対策をしながら育てることで、春を先取りできるような野菜を5つご紹介します。
ジャガイモ
もともとアンデス山脈の標高の高い地域が原産のジャガイモは、比較的気温の低い時期から植えることが可能です。2月下旬ごろからであれば、ビニールトンネルを設置するなどの手間もいらないため、2月に植える野菜の中でも最も手軽に植えられる野菜です。比較的栽培は簡単な野菜ですが、連作障害や土壌病害虫のリスクがある野菜でもありますので、最低限のポイントを押さえた上で栽培しましょう。
植え付け時期の目安:2月下旬〜3月上旬
収穫時期の目安:6月ごろ
栽培難易度:1 ★☆☆
連作障害に注意
ジャガイモはナスやピーマン、トマトなどと同じナス科の野菜です。ナス科は連作障害にかかりやすく、同じ場所にナス科を再び植えるまでに、2~3年は間隔をあけた方が良いと言われています。ナス科野菜は家庭菜園ではとても人気なため、計画的に植える場所を決めておかないと、後々連作障害が起き、野菜が育ちにくい畑になってしまいますので、注意しましょう。連作にならないようにするには輪作がオススメです。連作障害についてや輪作の仕方については以下の記事をご覧ください。
肥料の入れすぎや未熟な堆肥(たいひ)の使用に注意
ジャガイモは肥料が多すぎると、葉や茎が大きくなる一方で、芋が大きくならないことがあります。また肥料過多の土壌では病気も発生しやすくなるため、少なめの肥料で土づくりを行いましょう。80~120グラムほどの通常よりも少し大きめのサイズに種芋を切ると、少ない肥料でも育ち、病気にもかかりにくくなるためオススメです。また、まだ発酵しきっていないような未熟な堆肥の使用も、病気につながるため注意しましょう。
土壌の過湿に注意
ジャガイモは水はけの良い土壌を好む他、水はけの悪い土壌では土壌病害虫が発生しやすくなります。雨の後に水がたまるような水はけの悪い畑では、周囲に溝を掘ったり、畝を高くしたりして、水はけを良くしましょう。
プランター栽培のポイント
ジャガイモはプランターでも栽培可能です。プランターは深さが30センチ以上はあるようなできるだけ大きなものを使用しましょう。比較的育ちやすい野菜ではありますが、日当たりが良くないと育たないため、日当たりはしっかり確保しましょう。
キャベツ
キャベツは2月中旬ごろから種まき可能です。まだ気温は低い時期ですので、透明なビニールフィルムで囲うなどして、まずは苗を育て、それから畑に定植しましょう。種から育てるよりも、苗から育てる方が簡単ですので、初心者はまずは苗を買ってきて植えてみましょう。
種まき時期の目安:2月中旬〜3月
苗の植え付け時期の目安:3月下旬から4月中旬
収穫時期の目安:5〜6月
栽培難易度:3 ★★★
保温して苗を育てよう
2月の気温が低い時期は、なかなか野菜も成長しません。そこで保温できる環境で苗作りをして、ある程度大きく育ててから、畑に定植するのがオススメです。畑で直播(ちょくはん)するよりも雑草や虫にやられにくくなり、温度管理や水分管理も容易になります。家庭菜園用の小型のビニール温室なども販売されていますので、調べてみると良いでしょう。キャベツの発芽適温は15〜30度、生育適温は15〜20度ですので、昼間の温度が適温まで上がるようにします。また換気をしていないと、弱い苗になったり、病気になったりすることもあるので、換気を忘れないようにしましょう。本葉が4〜5枚以上出てきたら畑に植え付けられます。
育苗の仕方については以下の記事をご覧ください。
防寒・防虫対策をしよう
苗を畑に定植した後は、防虫ネットや不織布で苗を囲いましょう。こうすることで気温の低い時期は保温になりますし、暖かくなってきた時期には防虫として役立ちます。風でネットが飛ばされないように、周囲に土をのせるなどして、隙間(すきま)が開かないようにしましょう。
プランター栽培のポイント
キャベツは外葉が大きくなるため、思っている以上に場所をとります。できるだけ大きなプランターを用意しましょう。隙間にレタスやルッコラなどの葉物のタネをまいておくと、スペースを有効活用できます。ただし葉物の方が大きくなるとキャベツが育たないため、葉物は早めに収穫するのがポイントです。
レタス
レタスの発芽適温と生育適温はそれぞれ15〜20度です。ビニールフィルムなどで周囲を囲い、昼間の温度が15〜20度まで上がるように管理します。25度以上になると生育障害を起こすことがあるので、注意します。本葉が4〜5枚の頃になったら畑に植え付けることができます。
種まき時期の目安:2月中旬〜3月
苗の植え付け時期の目安:3〜4月
収穫時期の目安:5〜6月
栽培の難易度:1 ★☆☆
保温して苗を育てよう
2月の気温が低い時期は、なかなか野菜も成長しません。そこで保温できる環境で苗作りをして、ある程度大きく育ててから、畑に定植するのがオススメです。畑で直播(ちょくはん)するよりも雑草や虫にやられにくくなり、温度管理や水分管理も容易になります。家庭菜園用の小型のビニール温室なども販売されていますので、調べてみると良いでしょう。キャベツの発芽適温は15〜30度、生育適温は15〜20度ですので、昼間の温度が適温まで上がるようにします。また換気をしていないと、弱い苗になったり、病気になったりすることもあるので、換気を忘れないようにしましょう。本葉が4〜5枚以上出てきたら畑に植え付けられます。
結球しないタイプが作りやすい
レタスには結球する玉レタスのようなタイプと結球しないサニーレタスのようなタイプがありますが、結球するタイプはより養分を必要としますし、病気にもなりやすいです。作りやすいのは結球しないタイプのレタスですので、初心者にはこちらがオススメです。サンチュやサラダ菜などもレタスの仲間で、とても育てやすいのでオススメです。
プランター栽培のポイント
レタスは基本的に乾いた土を好みます。プランターですと水切れを心配して、頻繁に水をかけてしまいがちですが、水分が多すぎるとレタスの根元から腐ってしまうことがありますので注意しましょう。
ブロッコリー
種まき時期の目安:2〜3月
苗の植え付け時期の目安:3〜4月
収穫時期の目安:4〜6月
栽培難易度:3 ★★★
保温して苗を育てよう
ブロッコリーもキャベツやレタスと同様に、温室で苗を育ててから畑に植えるのがオススメです。ブロッコリーの発芽適温は20〜25度、生育適温は15〜20度ですので、昼間の温度がその温度帯になるように管理しましょう。本葉が4〜5枚まで育ってきたら、畑に植え付けられます。
花が咲く前に収穫するのがポイント
ブロッコリーは収穫が遅れると、だんだんとつぼみ同士に隙間があき、花が咲き始めてしまうため、その前に収穫するのがポイントです。花が咲き始めると、そちらに栄養が取られてしまうので、脇芽も大きく育たなくなってしまいます。逆にまだ収穫できないときは葉に覆われて頭が完全には見えません。ちょうど良いタイミングで収穫していくことで、より多く長い期間収穫が楽しめます。
プランター栽培のポイント
プランターで栽培する場合は、あまり場所を取らないスティックブロッコリーがオススメです。こちらはあまり葉が横に広がらずに、つぼみの部分も普通のブロッコリーと比べると小さいですが、一つの株からより多くの本数を収穫できます。
ホウレンソウ
ホウレンソウは気温が低くても育ちやすい野菜の一つです。1月にもご紹介しましたが、引き続き2月でも防寒対策を行い、トウ立ちの遅い晩抽性品種を選べば育てることができます。
種まき時期の目安:2〜4月
収穫時期の目安:4〜6月
栽培難易度:1 ★☆☆
防寒対策をしよう
ホウレンソウの発芽適温と生育適温はどちらも15〜20度になります。昼間の温度がしっかりと上がるように管理しましょう。逆に暑さには弱いので、25度以上にはならないように、日差しの強い日は換気をして温度管理をします。
酸性土壌では育ちにくい
ホウレンソウは酸性土壌を嫌い、pH6.5〜7.5の中性に近い環境を好みます。土が酸性に偏っている場合は、資材を用いて中和をします。家庭菜園の場合は、貝殻などから作られた有機石灰や木灰などが失敗も少なく使いやすいのでオススメです。
プランター栽培のポイント
プランターで栽培する場合も、透明なビニールフィルムなどで覆うことで、温度をあげて栽培することができます。ただし、プランターの場合密封してしまうとすぐに中の温度が上がりすぎてしまうため、初めからビニールに穴を開けて、適度に空気が出入りできるようにしましょう。
霜には注意しよう
今回ご紹介した野菜たちはどれも寒さに強いですが、強い霜に当たると葉が傷んだり、生育が止まったりしてしまうこともあります。特に夕方から急に冷え込むような時は、翌日霜が降りる可能性が高いですので、注意しましょう。
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