シャインマスカットとはどんなブドウ?
シャインマスカットは「安芸津(あきつ)21号」と「白南(はくなん)」をかけ合わせて育成された黄緑色の大粒ブドウ品種です。独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所が開発し、2006年に品種登録されました。
病気に強く育てやすいアメリカブドウと、大粒で品質は良いが病気に弱く栽培が難しいヨーロッパブドウを掛け合わせることで、お互いの長所を生かした「作りやすさ」と「おいしさ」を兼ね備えたブドウ品種です。
シャインマスカットの味わいの特徴
上品なマスカット香を持ち、大きな楕円(だえん)形の粒は硬くしまりのある肉質で歯切れがよいシャインマスカット。糖度は20度前後と高く、酸味は少なめです。本格的に甘くなると糖度が25度に達するほどブドウの中でも特に甘い味わいの品種です。種なし栽培が可能で、果皮が薄く皮ごとパリッと食べられる手軽さも人気です。さっぱりより甘めが好きな方は、樹上完熟の粒が黄色っぽいものを選ぶとより糖度が高くしっかりとした甘さが楽しめます。
シャインマスカットの産地と旬な時期
シャインマスカットは長野、山梨、岡山、山形を中心に作られており、温室栽培のものは全国的に7月頃、ハウスや露地物は場所にもよりますが8月中旬〜9月下旬にかけて多く出回ります。旬のものはそうでない時期に比べると味や香りが一段と濃くなります。さらに旬の時期は店頭にも多く並び手頃な値段で買えるのでオススメです。比較的貯蔵性の高い品種で、最近では専用の冷蔵庫に入れて長期保存することでクリスマスやお歳暮、年末年始にも出回るようになりました。
シャインマスカットに含まれる栄養素とは?
シャインマスカットには、多く含まれる2つの栄養素があります。
糖質
シャインマスカットに含まれる糖質は消化吸収後、最終的にブドウ糖に分解されエネルギー源として使われます。脂質より早く分解吸収される為、即効性の疲労回復効果が期待できます。さらにブドウ糖には脳唯一のエネルギー源として脳の活性化や集中力を高める効果も期待できます。
ポリフェノール
皮に含まれるポリフェノールの抗酸化作用によって、生活習慣病の予防にも有効といわれています。
シャインマスカットのカロリーはどれくらい?
シャインマスカットのカロリーは、1粒8~10gあたり約5~6kcalと比較的低カロリーですが、糖度が高い分糖質も多くなるのでくれぐれも食べ過ぎは禁物です。
シャインマスカットのおいしい食べ方
そのまま皮ごと食べる
基本的にはタネもなく皮ごと食べられる品種なのでそのまま食べます。冷やしすぎると甘さを感じにくくなるので、食べる2〜3時間前に冷蔵庫で冷やす程度にとどめましょう。先に洗うと鮮度を保つ「ブルーム」が流れ落ち、傷みやすく水っぽくなる原因にもなるので、食べる直前に水洗いするようにしましょう。
ケーキやタルトと一緒に
そのまま食べてもおいしいシャインマスカットですが、デザートにするとまた違った楽しみ方ができます。ケーキやタルトの上にのせて飾り付ければ鮮やかな黄緑色がケーキに映えます。
シャインマスカットは生クリームとも相性がいいので、フルーツサンドの具としても最適です。
ジュースやスムージーとして
他の果物や野菜と合わせてスムージーを作るのもおすすめです。シャインマスカットの爽やかな甘さと香りは、朝のスムージーにも最適です。
シャインマスカットの保存方法
房のまま保存する場合は、実に負担がかからないようひと房ずつポリ袋に入れて乾燥を防ぎ、野菜室で保存します。水につけると傷みが早くなりますので食べる直前に洗うようにしましょう。
より長く保存したい場合は、房から実を切り離して保存します。
一粒ずつハサミでカットし、保存袋や密閉容器に入れて野菜室で保存します。その際、軸を2~3ミリ程度実の方に残してカットするのがポイントです。枝から引きちぎると実の枝がついていた部分に穴が空き、果汁が出て傷むのを早めてしまいます。
さらに長く保存したい場合は冷凍保存も可能です。保存袋に入れて冷凍し、食べる時に食べる分だけ取り出してさっと水洗いすれば、皮もつるんっとむけてシャリシャリのシャーベット状態を楽しめます。
まとめ
タネがなく皮ごと食べられる手軽さと上品な甘さと香りが魅力のシャインマスカットは、デザートとしてはもちろん、疲れた脳や体のエネルギー補給に最適の果物です。新鮮なシャインマスカットでおいしくエネルギー補給していきましょう。
監修:日本野菜ソムリエ協会