除草剤と上手に付き合うために知っておきたい基本

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除草剤と上手に付き合うために知っておきたい基本

除草剤と上手に付き合うために知っておきたい基本
最終更新日:2020年08月05日

上手に使えば、真夏の草刈りや草引きの手間を大幅に減らせるのが除草剤。一方で、効果が高いゆえに、間違えた使い方をしてしまうのではないかと心配、という人もいます。除草剤を上手に使うために、除草剤の種類や、草を枯らす仕組みなどの基本をまとめました。

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葉っぱにかける除草剤と、土にかける除草剤

バスタは茎葉処理剤、ゴーゴーサンは土壌処理剤

除草剤を使い方によって大雑把にわけると、2つのタイプがあります。
ひとつは、すでに生えている草の葉っぱに散布して枯らす除草剤。一般的には「茎葉処理剤」と呼ばれるものです。ホームセンターによく並んでいるものだと、「ラウンドアップ」や「バスタ」などがこれに当たります。
一方、まだ雑草が生えていない土に予防的に散布して、発芽したての小さな雑草を大きく育たないようにするものがあります。土にかけるので、「土壌処理剤」と呼ばれています。「トレファノサイド」や「ゴーゴーサン」などが土壌処理剤です。

このほか、茎葉処理剤と土壌処理剤の効果を併せ持ったものや、生えている草の背丈の伸びを抑える「抑草剤」といったものがあります。

茎葉処理剤

ラウンドアップとバスタの違いは?

茎葉処理剤で有名なものといえば「ラウンドアップ」「バスタ」「プリグロックス」などでしょうか。専門店に行かずとも、ほとんどのホームセンターの除草剤コーナーに並んでいるものです。
じつは、これらは葉っぱにかける除草剤という点では同じでも、効く仕組みが違います。

茎葉処理剤のタイプ別の効く仕組み。葉についた除草剤は吸収移行型では赤い矢印のように植物体内に入り込む。接触型では、除草剤が付着した部分のみ枯れる

「ラウンドアップ」と「バスタ」はどちらも「吸収移行性(浸透移行性)」という性質を持っており、雑草の葉っぱの一部にかかると、植物内に行き渡り、かかっていない部分をも枯らします。春先や梅雨時期など、植物がよく成長する時期ほど移行性が高まるのか、早く効くような気がします。
ただしこの2つには、「根まで枯らす」がうたい文句の「ラウンドアップ」が根っこまで浸透するのに対し、「バスタ」のほうは茎や葉のみ枯らし、根っこには移行しにくい、という違いがあります。
したがって、草の根っこがなくなると崩れてしまう恐れがある斜面などではバスタを使うなど、使い分けが必要です。
一方、「プリグロックス」は「接触型」と呼ばれる除草剤です。前に挙げた2つとは違って、薬剤が植物体内を巡らず、薬剤がかかったその部分のみを枯らすタイプです。

スギナなどのやっかいな雑草を枯らす裏技

やっかいな雑草の代表格であるスギナ。そのタフな再生力は、地下に張り巡らせた根茎からもたらされます。根茎まで枯らすためには、「ラウンドアップ」などの「吸収移行型」の除草剤で、かつ根まで浸透するものを使う必要があります。同じく一度生えるとやっかいな、竹やササ、クズやヘクソカズラなども同じです。
ただ、これらの雑草は「ラウンドアップ」をもってしてもなかなかにしつこい。効果を高めるために、「浸透を助けるため、前もって竹ぼうきなどで葉っぱを傷つけておく」「浸透をよくするため、尿素を少量混用する」などの工夫をする農家もいます。

土壌処理剤

効く仕組みと、うまく効かせるコツ

「トレファノサイド」や「ゴーゴーサン」などの土壌処理剤は、まだ雑草が生えていない土に予防的に散布して、発芽したての小さな雑草を大きく育たないようにするものです。
土壌処理剤をまくと、土の表面に「処理層」という薄い除草剤の層のようなものができます。この層に発芽したての雑草が当たると成分を吸収して枯れる、という仕組みです。

土壌処理剤が効く仕組み。処理層(赤い部分)に雑草の芽が触れると、除草剤成分を吸収し、枯れる

つまり、この層をうまくつくること、崩さないで維持することが、土壌処理剤を上手に使うコツです。
うまく処理層をつくるには、まず、土が適度に湿った状態であること。また、地面に凹凸があると層が均一にならないので、表土を細かくし、平らにしておきます。また、散布後も処理層を維持するために表土を動かすのは厳禁で、激しい雨に叩かれるのもよくありません。

除草剤にも「ジェネリック」がある

ホームセンターを見渡すとさまざまな除草剤があり、選ぶのに困る、という場合があると思います。
先ほど紹介した「ラウンドアップ」のほかにも「根こそぎ枯らす」といううたい文句の商品がたくさん並んでいます。たとえば、「ネコソギシャワーAL」のラベルを見ると、その成分は「グリホサートイソプロピルアミン塩液剤」とあります。濃度は違いますが、これは「ラウンドアップ」の効果成分と同じものです。
人間の薬と一緒で、除草剤にも「ジェネリック」があり、商品名が違っても同じ成分のものがたくさんあります。

除草剤の成分はラベルに書いてある。バスタの有効成分はグルホシネート

よくラベルを読んで使おう

以上のようなことは、じつは除草剤のラベルに詳しく書いてあります。
どういう性質の除草剤か、畑で使えるものか、どんな作物に登録があるか、希釈倍数はどうかなど、とても大事なことが書かれています。

適用できる雑草や使っていい畑作物、濃度、うまく効かせるための注意書きなど、読めばなかなかおもしろい

小さい字で煩わしいかもしれませんが、「ラベルをちゃんと読む」ということが、除草剤をうまく効果的に使う一番大事なコツだと思います。

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