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「就農希望者が来ない」40億売り上げたカリスマ経営者の戸惑いと次の飛躍

吉田 忠則

ライター:

連載企画:農業経営のヒント

「就農希望者が来ない」40億売り上げたカリスマ経営者の戸惑いと次の飛躍

農業法人の野菜くらぶ(群馬県利根郡昭和村)社長の沢浦彰治(さわうら・しょうじ)さんは、農業界で広く名前を知られた経営者だ。有機栽培で野菜を作り、加工を手がけ、生産者をグループ化するなど業界をリードする手を次々に打ち、事業を拡大してきた。そんな沢浦さんでも戸惑う経営環境の変化がある。グループに加わろうとする新規就農者がめっきり減ったのだ。

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40億円の売り上げを実現した仕組みとは

沢浦さんは生まれが1964年。地元の農業高校を卒業し、20歳のときに実家で就農した。経営を飛躍させるきっかけになったできごとは二つある。一つは20代半ばのとき、栽培していたコンニャク芋の相場が暴落したことだ。
このとき打った手が、コンニャク芋の製品への加工だ。原料のままだと相場に左右されるのに対し、加工すれば値段が安定する点に目をつけた戦略だった。いまは厳しく衛生管理した自社工場で製造しているが、スタート当初は実家にあった釜とミキサーを使った手作りのコンニャクだった。
もう一つは販売先の要望に応えるため、有機栽培を始めたことだ。コンニャクでうまくいくと、販売先はほかの野菜も無農薬で作るよう求めてきた。自分だけでは作りきれないと思った沢浦さんは、仲間の3人の農家と一緒に野菜を共同で販売するためのグループを立ち上げた。これが、各地の農家の野菜を仕入れて販売する野菜くらぶの前身になった。

有機で栽培・加工したコンニャク

コンニャク芋をはじめとしたさまざまな野菜の栽培や加工を手がける部門は、グリンリーフ(群馬県利根郡昭和村)として1994年に法人化した。その2年後には販売部門も野菜くらぶとして法人化した。現在、関連会社を合わせて売上高は約40億円と、野菜の農業法人では有数の規模にまで成長した。

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