高品質な北海道ブランドの米粉作りに挑戦―米穀卸の新しい取り組みに注目

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高品質な北海道ブランドの米粉作りに挑戦―米穀卸の新しい取り組みに注目

高品質な北海道ブランドの米粉作りに挑戦―米穀卸の新しい取り組みに注目
最終更新日:2020年09月15日

近年では米を製粉した「米粉」は、和菓子だけでなく、パンや洋菓子など、さまざまな用途で活用されています。高度な製粉技術と豊富なノウハウで、米粉の普及に力を入れているのが食品機械メーカーの株式会社西村機械製作所。今回は札幌市を訪ね、同社の製粉設備を導入して北海道産100%の米粉パンの製造・販売や米粉のブランド化と海外輸出にも挑戦する米穀卸の株式会社SYOKUSANで、新しく取り組んでいる米粉事業の現状について話を聞きました。

「自分たちで作って売る」という初めての挑戦と、それを支える心強いパートナー

北海道食糧事業協同組合連合会からスタートした北海道食糧産業株式会社は、2018年8月に株式会社SYOKUSAN(ショクサン)へと社名を変更。米穀卸を始めとした食品流通事業を柱に、燃料の卸と小売り、飼肥料の販売、近年では不動産事業や民泊、料理教室なども手掛けるなど、北海道の豊かな暮らしを支えています。

そんなSYOKUSANが、腰を据えて取り組み始めたのが「米粉」の事業化。米の消費拡大の新機軸として、北海道ブランドの高品質な米粉の商品化に取り組んでいます。

株式会社西村機械製作所

SYOKUSAN 豊田社長(前列中央)・山下常務(前列右)・鈴木さん(後列右)・イリーナさん(後列左)/西村機械製作所 西村社長(前列左)・営業担当 木下さん(後列中央)

商社・流通事業を本業としてきた同社にとって、「自分たちで作って売るというのは、創業以来の大きな挑戦だ」といい、パートナーとして白羽の矢を立てたのが米粉の製造機に強みを持つ食品機械メーカーの株式会社西村機械製作所です。

「西村機械さんには、製粉設備にとどまらないプラスアルファを期待しています」と笑顔で語るのは、SYOKUSANの豊田社長。米粉事業の成否には、機械設備のハード面のサポートだけでなく、西村機械製作所に全国各地から集まる米粉の活用事例やノウハウといったソフト面の支援も期待しています。

グルテンフリーな米粉のベーカリーをオープン。道産米の消費拡大に挑戦!

道産米の消費拡大を目指すSYOKUSANが、最初に取り組んだのが、北海道産100%の米粉で焼き上げるグルテンフリーのパン作りです。契約農家の田んぼで収穫した米を自社の工場で精米・製粉し、自社のスタッフで商品開発をしたというこだわりの一品。7㎝角の小ぶりながら、米の甘みや香ばしさを味わえ、腹持ちがいいのが特徴です。

株式会社西村機械製作所

「どんな米粉でもパンが作れるという訳ではありません。製粉方法ででんぷんの損傷度合が変わります。損傷が大きければパンの形にならなかったり、美味しさにも大きく影響します。西村機械さんの機械と製法で作られた米粉は、質がとても良く、パンや洋菓子以外にも麺にするなどさまざまな可能性を秘めています。調理する人間としてもこの品質の高さは嬉しい限りです」と、管理栄養士でもある鈴木さんは話します。

株式会社西村機械製作所

そんなSYOKUSANの米粉事業は海外からも注目されています。国内外で、小麦アレルギーなどの対策でグルテンの摂取を制限する「グルテンフリー」の食事法が広がりを見せています。東京、ニューヨーク、ロサンゼルスの展示会では、「グルテンフリーのパンですよ」と来場者に声をかけると多くの人が立ち止まり、試食には「美味しい!」と高評価。

株式会社西村機械製作所

「いろいろな材料で作られている海外のグルテンフリーパンは美味しくないんです。独自のモチモチ感と、噛めば噛むほど甘みを感じる米粉パンは、味の面でもアメリカ人に好評でした」と教えてくれたのは、海外事業部のイリーナさん。

株式会社西村機械製作所

米粉としての輸出は順調に滑り出しており、ニューヨークに出荷した米粉の第一便はすぐに完売となり、第二便の出荷準備に追われています。

また、本社に隣接するビルの1階には直営ショップの『五〇五(ごーまるご)』をオープンし、焼きたての米粉パンなどを提供します。スイーツなど、パン以外の米粉商品についてもアイデアがあり、西村機械製作所とも相談中とのことで、今後の展開が楽しみです。

機械メーカーの枠を超え、目指すのは新しい米粉マーケットの創造

SYOKUSANの米粉事業をサポートする西村機械製作所の西村社長は、「全国47都道府県のすべてにビジネスパートナーを作りたい」と話します。その目標には「地産地消で地域を盛り上げたい」という思いが…。

株式会社西村機械製作所

「生産者やJAがオリジナルブランドで米粉を作りたいと考えたとき、地元にSYOKUSAN様のような会社がなければ、ほかの地域まで米を送る必要があります。また、米粉を使ったパンや洋菓子を作ってみたいと考えるお店の場合も同様で、輸送コストなどがハードルとなり、話が進みません。しかし、北海道ではSYOKUSAN様を紹介することが出来るのです。それにより新しい米粉の生産や流通が生まれ、消費につながり、新しいマーケットが生まれるのです」と西村社長。

製粉設備のメーカーであるものの、日ごろから米粉の普及や発展に使命感をもって取り組む西村機械製作所。

だからこそ、納入先との関係も一時的なものではなく、まさにパートナーと呼ぶにふさわしい深く長いサポートが同社の特徴です。設備の稼働率をどう上げていくのか、米粉を使ってどんな加工品を作り、いかに消費者に届けるのか…そこまで一緒になって考えます。

でんぷんの損傷を最小限にとどめる高品質な製粉技術

札幌本社での取材後、製粉設備がある岩見沢工場へ。ボックス型のエアシャワーを通った先に設置されているのが、SYOKUSANの米粉事業の核となる『米粉湿式気流粉砕機』です。

その特徴は、ご飯を炊くときのように米を一度水に浸し、米に水分を含浸させることで硬度を和らげる手順にあります。さらに気流を使って短時間で微粉砕することで、でんぷんの損傷を最小限にとどめ、きめ細かな粒の大きさと均一さをもった高品質な米粉を生み出します。

株式会社西村機械製作所

パンも作れる高品質な米粉は西村機械製作所が20年以上の月日をかけて改良してきた機械と製法だからこそ。一方で機械の操作はとてもシンプルです。調整作業は不要で、スイッチ一つで扱いやすく、このタイプでは1時間に約30kgの米粉を生産することが可能です。

株式会社西村機械製作所

脇に積まれた米粉の袋を手に取ると、成分表示ラベルは英文表記…まさにニューヨークに出荷される第二便の米粉たち。先行する海外展開の次は、北海道ブランドを生かした本州の大都市圏への展開です。

株式会社西村機械製作所

「サンドイッチにもできる米粉パンの開発」や「玄米などでの機能性の高い米粉作り」、「実はパン食が多く、グルテンアレルギーの潜在層ともいわれる高齢者層へのアプローチ」など、高品質な米粉をアイデアと工夫で使いこなすことでSYOKUSANの米粉事業にはさまざまな可能性が広がります。

隣には、いつも西村機械製作所という心強い存在が…今後もSYOKUSANの米粉事業の展開に注目です。
 

<取材協力>
株式会社SYOKUSAN
〒064-0804
札幌市中央区南4条西10丁目1004番地2
SYOKUSAN Bldg
TEL:011-585-5040
ホームページはこちら

<お問い合わせ>

株式会社西村機械製作所
〒581-0088
大阪府八尾市松山町2丁目6-9
TEL:072-991-2461
ホームページはこちら
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