ダイコン
ダイコンは肥えていない土でも育ちやすく、初心者にもオススメです。さまざまな品種があり、品種や地域ごとに適した種まき時期が異なりますので、タネを購入する際にしっかりチェックしておきましょう。
種まき時期:8月下旬〜9月中旬
収穫時期:11〜1月
(関東以南の中間地基準)
肥料の入れすぎに注意。早めの土づくりを
ダイコンなどの根菜類は土の中の肥料分が多すぎたり、未熟な有機物が多い状態ですと、土壌病害虫が発生しやすい状況となります。あまり土が肥えていない場所でも比較的生育しやすい野菜ですので、肥料の入れすぎには注意し、堆肥(たいひ)を入れて土づくりをする場合には、種まきの2〜3週間前には混ぜ込み、土になじませておきましょう。
種まきではしっかりと覆土を
30センチ間隔で3〜4粒ずつ点まきしていきます。隣の列とは40〜50センチほど離しましょう。発芽時に光が当たることを嫌うため、1〜2センチほど土を被せて種が見えないようにします。
早めの間引きが大切
ダイコンは比較的生育が早いですが、間引きが遅れてしまうと、軟弱な株になって病害虫にやられやすくなります。本葉が4〜5枚になった段階で大きくて丈夫そうなものを2株ほど残して間引きます。本葉が8〜10枚ほどになった段階で1本立ちにしましょう。
プランター栽培のコツ
プランターでもダイコンは容易に栽培できますが、深さが問題となりますので、短めな品種を選ぶと収穫まで早く育てやすいです。
ブロッコリー
ブロッコリーは脇芽まで含めると、一株あたりに結構な量が収穫でき、長い期間にわたって楽しめます。
苗の植え付け時期:8月下旬〜9月上旬
収穫時期:11〜2月
(関東以南の中間地基準)
酸性の土は苦手
ブロッコリーは排水性と保水性の良い土を好み、pHは6.0~6.5と弱酸性の土壌を好みます。pHがこれより低い(酸性寄りになっている)場合は、資材を入れ調整しましょう。pHを上げるための資材としては、初心者には有機石灰や木灰、もみ殻くん炭などが失敗が少なくおすすめです。
植え付けのポイント
ブロッコリーは苗から植えるのがオススメです。背の高いものよりも茎が太くて丈夫なものを選びましょう。苗を植え付ける際は前日からたっぷりと水を吸わせておくと、活着が早くなります。タライなどに2〜3センチほど水を張って、ポットごとつけておきましょう。葉が広がりますので、株間は30〜40センチほどとります。
早めの害虫対策を
ブロッコリーはチョウやガの幼虫に食べられてしまうことが多く、特に苗が小さい段階で食べられてしまうとその後の生育に大きく影響します。対策としては、チョウやガの成虫が卵を産みつけに来ますので、それを防虫ネットを張ることによって防ぐ方法が簡単で効果的なのでオススメです。購入した苗にも葉の裏に卵がついている可能性があるので、念のためいないか確認してから植えましょう。
脇芽も収穫できる
花蕾(からい)の大きさが10〜15センチほどになってきたタイミングでハサミやカマなどで収穫します。その後、脇芽が伸びてきますので、そちらも花蕾が3〜5センチほどに育ってきた段階で、順次収穫していきます。
プランター栽培のポイント
プランターで栽培する場合は広さがとりづらいですが、最低でも20センチは株間を離すようにしましょう。近すぎるとどちらも大きくなりきらずに収穫量が落ちてしまいます。
ニンニク
ニンニクは肥えた土を好むため、場所は選びますが、たくさん植えておくと葉ニンニク、ニンニクの芽、球ニンニクと時期ごとに違った楽しみ方ができるので重宝します。
苗の植え付け時期:9月中旬〜10月
収穫時期:4月(葉ニンニク)、5月(ニンニクの芽)、6月(球ニンニク)
(関東以南の中間地基準)
ニンニクは肥えた土を好む
ニンニクは肥えた土を好み、水はけがよく保水性のある土壌でよく育つため、事前の土づくりや場所選びが重要になります。できるだけ夏野菜がよく育つような肥えた場所を選び、植え付けの2〜3週間前には完熟堆肥を入れておきましょう。pHは5.5〜6.0が目安となります。
ニンニクは大きさを揃えて植えよう
ニンニクは球根の部分をバラして一個ずつを植えていきます。食用のニンニクも発芽抑制の処理がされていないものであれば使用することができます。芽の出る方を上向きにし、5センチほど上に土がのるような深さで植えていきます。株間は15センチほどが基準となります。隣同士の株と成長が揃う方が、全体の生育がよくなるため、できるだけ大きさが近いものが隣同士になるように大きさを選んで植えていきましょう。最後に鎮圧を行い、枯れ草、ワラ、ビニール、腐葉土などでマルチングを行い、土の乾燥を防ぎます。
追肥のポイント
球が肥大し始める2月ごろまでに1〜2回に分けて追肥していきます。葉の色が薄い場合は栄養をうまく吸収できていないサインになります。ただ葉の色が黄色くなってから追肥を行っても、吸収されるまで時間がかかりますので、早め早めの追肥を心がけましょう。
ニンニクは3度楽しめる
ニンニクはまだ球が肥大しきっていない時期には、葉ごと食べる葉ニンニクとして楽しめます。端境期に収穫できる貴重な葉物野菜となります。トウ(花茎)が立ち上がってきたらトウの部分を引き抜いて、ニンニクの芽としても楽しめます。この部分をとることで球も肥大しやすくなるので、ぜひ収穫しましょう。そして葉の半分くらいが枯れた段階になると球ニンニクとして収穫ができます。晴れた日に収穫し、陰干ししておくと保存が利くようになります。
プランター栽培のポイント
ニンニクはプランターでも栽培が簡単です。ただ十分に土が肥えていることが大切になりますので、使い古しの痩せた土ではなく、新しい培養土を使うか、完熟堆肥などを入れて養分を補給してから植えましょう。
ナバナ類
ナバナ類とはアブラナ科植物のうち花芽の部分を食用として育てる品種のことを指します。ナバナやかき菜、紅菜苔(こうさいたい)、ハナナ、のらぼう菜などさまざまな種類があります。似たような言葉として「菜の花」がありますが、こちらはアブラナ科植物全般の花や花芽の部分を指しているため、油をとるための品種や野生化したものなど、食用でないものも含まれます。
ナバナ類は特に春先の3〜4月ごろの収穫できる野菜があまりない端境期と呼ばれる季節に重宝する野菜です。
種まき時期:9〜10月
収穫時期:12〜4月
(関東以南の中間地基準)
弱酸性の水はけの良い土壌を好む
ナバナ類はpH6.0〜6.5の弱酸性で、水はけの良い、肥えた土を好みます。種まき、植え付けの2〜3週間前には土作りをしておきましょう。加湿には弱いので、水はけの悪い畑では畝は高めに作ります。
種まき・間引きのポイント
株間20〜30センチ程度の間隔で3〜4粒ずつ点まきしていきます。本葉が3〜4枚の頃に丈夫そうなものを1本残して間引きます。
花が咲く前に収穫
つぼみができてきたら、先端の10〜15センチほどを収穫していきます。手でポキッと折れるくらい柔らかい部分を摘んでいきます。花が咲いてしまうと株が弱っていきやすいので、早め早めに収穫していきましょう。
プランター栽培のポイント
プランターでも栽培が容易です。栽培期間が長く、肥料切れになりやすいので、葉の色が薄くなったら早めに追肥するようにしましょう。
ハクサイ
ハクサイは肥えた土を好み、害虫にもやられやすいため、きれいに結球した状態のものを収穫するには難度の高い野菜です。しかし多めに種まきすることで、間引き菜も楽しめますし、結球しなかったものは花芽を食べることができるので、家庭菜園ではぜひチャレンジしてみてほしい野菜です。
種まき時期:8月下旬〜9月上旬
苗の植え付け時期:9月上旬〜中旬
収穫時期:11〜12月
(関東以南の中間地基準)
土が肥えた場所で育てよう
ハクサイをうまく結球させるためには、土が肥えていることが大切です。畑の中でも肥料をあまり入れなくても野菜が立派に育つような場所を選んで植えると良いでしょう。肥料を一度にたくさん入れれば土が肥えるというわけではなく、むしろ病害虫発生の原因になりますので注意します。堆肥を入れる場合は種まき、植え付けの2〜3週間前に入れてなじませておきましょう。
手間をかけられるなら直まきで。苗の場合は若苗を選ぶ
ハクサイを畑に直まきする場合は、1センチ間隔の筋まき、もしくは幅10〜15センチくらいの条まきにします。虫に食べられやすいので、数をたくさんまいて、丈夫なものを残していきます。ただ間引きに手間がかかりますので、畑にあまり来られないという場合は苗から植えた方が良いでしょう。ハクサイは直根性で根が傷むのを嫌うので、できるだけ若苗を植えた方が丈夫なハクサイに育ちやすいです。
害虫対策をしよう
ハクサイはチョウやガの幼虫の被害にあいやすい野菜ですので注意します。特に株が小さい時は注意しましょう。暑さにも弱いので、遮光にもなるように防虫ネットや不織布で覆い、チョウやガの幼虫の飛来を防ぎましょう。またチョウやガの成虫はキク科植物の匂いを嫌うと言われているため、レタスやシュンギクとの混植もオススメです。
結球しないものは花芽を食べよう
頭頂部を指で押すと硬くなっているものは、きちんと結球していますので、収穫が可能です。結球していないものは、外葉をひもで縛って中に冷気が当たらないようにすると結球しやすくなります。ひもでも縛れないような大きさのものはそのまま越冬させ、あえてトウ立ちさせましょう。他のアブラナ科野菜はトウ立ちすると苦くなって食べにくくなるものが多いですが、ハクサイの花芽は苦くなくておいしいです。ナバナ類のように先端の10〜15センチを摘み取って収穫していきましょう。
プランター栽培のコツ
プランターで栽培する場合は、収穫までが早くあまり大きくならない早生(わせ)の小型品種が作りやすくオススメです。
早めの害虫対策を
秋冬野菜は初めの小さい時期に虫に食べられてしまうと、その後の成長に大きく影響します。いちど虫が大量発生してしまうと対処が難しいので、苗の植え付けや種まきと同時に防虫ネットを張って予防を徹底するなど、早め早めの対策を行いましょう。もし虫の被害にあってしまった場合は種のまき直しや苗の植え替えも検討して早めに手を打ちましょう。