田舎の土地を活用したい!土地活用のメリット
「田舎の土地を所有しているが、土地活用の方法がわからず放置してしまっている」という人は、土地活用を検討してみてはいかがでしょうか。
ここでは、土地活用のメリットとして以下の2つをご紹介します。
- 固定資産税を補填できる
- 相続税対策で有利になる
固定資産税を補填できる
土地は、所有しているだけで固定資産税を支払わなければなりません。立地や土地の広さにもよりますが、毎年多額の固定資産税を支払っている方もいるでしょう。
土地活用をすれば収益を得られるため、それを固定資産税の支払いに充てることができます。
相続税対策で有利
土地活用は、相続税対策にもなります。
土地の上に建物を建てて第三者に貸し出す場合、建物は借家として、土地は貸家建付地として評価されるため、納税額が安くなります。
土地活用を行っていると、相続税の計算上、第三者に貸し出している分は自分の財産ではないものとして計算されるのです。
田舎で「活用が難しい」「売れない」といわれる土地の特徴
田舎の土地の中でも、「活用が難しい」「売れない」といわれる土地があります。
ここでは、そのような土地の特徴を見ていきます。
なお、活用が難しい土地、売れない土地の活用法については以下の記事でも解説しています。
関連リンク:いらない田舎の土地はどうする?売れない土地の活用方法も紹介
地形に問題がある土地
土地の形が複雑で、活用方法が限定される土地を活用することは難しいでしょう。特に、宅地用などに開発されたことがない土地に多く見られます。
このような土地の活用や売却を検討する場合、整地を行ったり土壌を整備したりするのに多額の費用がかかることがあります。
集客力が低く、ほとんど需要がない土地
駅から遠い土地や、周辺に人があまり住んでいない土地は集客力が低く、需要はほとんどないでしょう。需要が少ない土地は買い手がつきにくく、売却は難しいといえます。
活用するにしても、集客力の低い土地は有効な活用方法が限られます。
規制が厳しいエリアの土地
市街化調整区域や農地など、規制が厳しいエリアの土地も活用や売却が難しいといえます。
このようなエリアでは、建てられる建物の種類や大きさが制限されることがあり、場合によっては建物を建てられないこともあります。
規制の有無や内容について、事前にしっかり調べておくことが大切です。
市街化調整区域・農地はなぜ活用が難しい?
市街化調整区域や農地での土地活用はなぜ難しいのでしょうか。
ここでは、その理由について見ていきます。
市街化調整区域では都市開発が抑制されている
市街化区域が「市街地を形成している区域と、おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」であるのに対し、市街化調整区域は「市街化を抑制すべき区域」となっています。
そのため、市街化調整区域では土地の開発や住宅の建築に制限がなされるのです。
持っている土地が市街化調整区域かどうかを調べる方法は、自治体の刊行する「都市計画マップ」を確認するとよいでしょう。
自治体によっては、インターネットで閲覧できるようになっているケースもあります。
また、自分で調査するのが面倒であれば、不動産会社に相談して調べてもらうことも可能です。
調査の結果、自分の土地が市街化調整区域であることが分かった場合、土地活用を行うためには市街化調整区域でも活用できる方法を探すか、自治体に特別な許可を得て土地活用を行う必要があります。
前者については、以下のような活用法が考えられるでしょう。
- 駐車場
- トランクルーム
- 太陽光発電
一方、後者については自治体ごとにできることが異なってくるため、市街化調整区域内の土地活用に詳しい不動産会社に相談することをおすすめします。
その後、不動産会社から必要に応じてコンサルや司法書士・行政書士など専門家の紹介を受けたり、不動産会社に代行してもらったりして、よりよい土地活用を進めることができます。
食料自給率に関わる農地は農地法に守られている
農地は農地法により、簡単に転用できないようになっています。
農地は日本の食料自給率に関わる土地であるため、その用途を法律で制限しているのです。
農地を農地以外の地目に変更するには、どのような建物を建てるのか、用途や資金計画についてまとめた書類を農業委員会に提出し、許可を得なければなりません
また、農地が以下のいずれかに当てはまる場合には、農地転用の許可が得ることが難しいため注意が必要です。
農業振興地域
農業振興地域は、自治体により将来的に農業上の利用を確保すべき土地として指定された農地のことです。
ただし、農業振興地域に指定されている土地であっても、一定の条件を満たせば農地転用できるケースもあります。
第1種農地
第1種農地は、4種類ある農地の内、良好な営農条件を備えている農地として指定を受けた農地のことです。
農地に適した土地であるため、原則として農地転用できません。
ただし、第1種農地についても一定の条件を満たせば農地転用できるケースもあります。
甲種農地
甲種農地は市街化調整区域内にある、特に良好な営農条件を備えた農地として指定を受けた農地のことです。
こちらも農地に適した土地として指定を受けた土地であり、原則として農地転用できません。
甲種農地についても一定の条件を満たせば転用が認められるケースもあります。
いずれのケースにおいても、原則としては農地転用できませんが、一定の要件を満たせば農地転用できる可能性があります。
必要に応じて、農地転用を得意とする不動産会社や行政書士など専門家のアドバイスを聞きながら手続きを進めていくとよいでしょう。
なお、第1種農地や甲種農地の農地転用に必要な一定の条件については、以下の農林水産省の資料で詳しく解説されています。
参考:農業振興地域制度、農地転用許可制度等について
農地の地目変更が難しい理由は農地法以外にも
農地の地目変更が難しい理由は、農地法以外にも以下のようなものがあります。
生産緑地
生産緑地とは、市街化区域内の農地について、指定を受けることで固定資産税の軽減措置の適用を受けられる制度のことです。
生産緑地の指定を受けると営農を続ける必要があり、所有者が勝手に農地を転用することができなくなります。
この生産緑地の解除を受けるには、以下のいずれかに該当しなければなりません。
- 生産緑地に指定された日から30年経過
- 主たる従事者が農業をできないほどの障害や疾病を負う
- 主たる従事者が死亡する
いずれにせよ、簡単に解除できるものではないといえるでしょう。
農地の納税猶予の特例
農地の納税猶予の特例とは、農地の相続税について、営農を続けることを条件に納税の猶予を受けられるというものです。
途中で農地転用することはできず、転用した場合には納税猶予の特例適用が取り消され、当初に遡って相続税が課税されることになります。
農地転用できない土地については、以下の記事でも詳しく解説しています。
関連リンク:農地転用ができない!できる土地との違いや活用方法を紹介
その他にも田舎の土地活用にはクリアすべき規制が多い
その他、田舎の土地は周辺の環境が整備されていないケースが多く、以下のような法律で規制を受けてしまう可能性が高いといえます。
- 宅地造成等規制法
- 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律
- 地すべり等防止法
- 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律
- 森林法
田舎の土地の土地活用では、まずはどのような規制をかけられる可能性があるか、不動産会社や自治体に相談しておくことが大切だといえるでしょう。
【ケース別】田舎の土地の活用方法
田舎の土地の活用方法は、大きく分けて「貸す」「自分で活用する」「売却する」の3つです。どの方法を選ぶにしても、その土地のニーズに合った土地活用の方法を選択することが大切です。
また、土地活用の方法は、活用する目的や土地の状態によって選択肢が変わってきます。ここからは、以下の3つのケースについて見ていきましょう。
- 賃貸経営に活用する場合
- 土地の状態が「更地」や「農地」の場合
- 古家付き土地の場合
賃貸経営に活用する場合
土地を賃貸経営に活用したい場合は、以下のようにさまざまな方法が考えられます。
- アパート
- 老人ホームなどの介護系施設
- コンビニ
- 月極駐車場
- トランクルーム経営
これらにはそれぞれ適した立地があり、初期投資額やリスクの大きさも異なります。
アパートや月極駐車場は、駅の近くなど利便性の高い立地が求められるでしょう。
介護系施設であれば郊外の土地でも活用を検討できますが、広大な敷地が必要です。
また、介護系施設やコンビニは初期費用が高めですが、月極駐車場やトランクルームであれば比較的少ない初期投資で土地を活用できるでしょう。
土地の状態が「更地」や「農地」の場合
土地が更地や農地の場合、活用しやすい方法としては以下が挙げられます。
- 農家に貸す・売る
- 市民農園にする
- 太陽光発電を導入する
農地を宅地として貸したり売ったりする場合は宅地に転用する必要がありますが、場所によっては転用が認められないこともあります。
そういった場合には、上述した方法を選ぶことで活用できるでしょう。
郊外にある更地や農地は特に集客力が低いため、集客を必要としない太陽光発電を検討することをおすすめします。
古家付き土地の場合
古家付き土地は、以下のような活用方法が考えられます。
- 民泊
- サテライトオフィス
田舎にある土地で古家が建っている場合は、外国人旅行客などをターゲットにして、昔ながらの家を楽しんでもらえる民泊施設にする方法が考えられます。
ネット環境が整っていれば、賃料の安さを活かしたサテライトオフィスとして活用することもできるでしょう。
田舎の土地活用を成功させるためのポイント
ここでは、田舎の土地活用を成功させるためのポイントを紹介します。
土地活用の方法を自分で1つに絞ろうとしない
田舎の土地の活用は難しいため、最初から規制を確認せずに個人の判断で土地活用の方法を決めるのは危険です。
計画を進めたものの、最終的に規制が原因で滞ってしまうことのないよう、早い段階で調査しておく必要があります。
不動産会社によっては活用の相談に乗ってくれることもあるため、まずは相談してみるとよいでしょう。
農地であれば近隣の農家への貸し出し・売却も検討する
農地は宅地転用が難しいケースがありますが、近隣の農家への貸し出しや売却であれば転用する必要がありません。
個人間の取引はトラブルにつながりやすい側面がありますが、農地は近隣の農家とやり取りするのが最もスムーズです。
ただし、農地の貸し出し・売却には届け出や許可が必要な点には注意しましょう。
また、近隣で引き取ってくれる人が見つからない場合には、農地バンクの利用を検討するのもおすすめです。
土地の条件に合わせた活用が成功のカギ
土地活用を成功させるには、土地の条件に合わせた活用法を考えるようにしましょう。
土地の面積、都会からのアクセスのよさ、日照条件や気候など、土地によって活用時の強みとなるポイントはさまざまです。
土地の条件と地域のニーズがマッチすれば、土地活用が成功する可能性は高いといえるでしょう。
逆に、逆に条件を洗い出したときに活用に向かないと判断できれば、潔く売却するのも1つの方法です。
土地は所有しているだけでコストが発生するため、不要と判断できれば早い段階で売却し、コスト削減につなげましょう。
田舎の土地をなるべく高く売却するコツ
最後に、田舎の土地を売却する際、なるべく高く売却するコツをご紹介します。
具体的な方法は、以下の5つです。
- 早めに売却に出す
- 柔軟な価格設定を行う
- 土地をきれいにする
- 媒介契約を慎重に選ぶ
- 複数の不動産会社に査定を依頼する
それぞれについて、見ていきましょう。
早めに売却に出す
日本では少子高齢化が進んでおり、人口が減少している田舎の土地は立地がよいものを除いて地価が下落傾向にあります。
売却が遅くなれば、その分売却価格が安くなる可能性があるため、できるだけ早く売却に出すようにしましょう。
柔軟な価格設定を行う
柔軟な価格設定を行うことが、結果的に高値での売却につながることがあります。
土地は長期間売れ残っていると、「売れ残り感」が出ることでさらに売れにくくなるからです。
あらかじめ期間を設定しておき、「期間中に売れない場合は~%(~万円)値下げする」と決めておくことで、結果的に高値で売却できる可能性が高まります。
売却が長引けば、その分固定資産税などの余計な費用がかかることにも注意が必要です。
土地をきれいにする
土地を売却する際は、整地や定期的な草刈り、掃除を行うなど可能な限りきれいにしておくことが大切です。
整地や草刈りは業者に依頼することもできますが、依頼には費用がかかるため、依頼するかどうかは費用対効果を見ながら慎重に行う必要があります。自分でできることであればお金はかからないので、積極的に行うべきでしょう。
きれいに整えられた土地とそうでない土地は、第一印象に大きな差が出ます。
媒介契約を慎重に選ぶ
不動産を売却する際は、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3つから、いずれかを選ぶことになります。
最大の違いは、一般媒介契約は複数の不動産会社に仲介を依頼でき、他の2つは1社にしか仲介を依頼できないことです。
一般媒介契約では複数の不動産会社に依頼することで多くの人にアプローチできますが、不動産会社にとっては成約の可能性が低くなるため、売却活動に積極的に取り組んでもらいにくいというデメリットがあります。
一方、専任媒介契約や専属専任媒介契約では1社としか契約できないため、売却が成立すれば確実に契約した不動産の収益にもつながります。そのため売却活動に積極的に取り組んでもらえるでしょう。
なお、専属専任媒介契約では自己発見取引ができません。
自己発見取引とは、例えば自分の親戚や知人などに不動産の売却活動をしていることを伝え、契約することだと考えるとよいでしょう。
専属専任媒介契約後では、自分で買主を見つけたようなケースでも、不動産会社に仲介手数料を支払って仲介に入ってもらわないといけない点に注意が必要です。
いずれも一長一短ありますが、基本的には一般媒介契約か専任媒介契約を選ぶことをおすすめします。
複数の不動産会社に査定を依頼する
不動産の査定は、複数の不動産会社に依頼することをおすすめします。
なぜなら、不動産会社にはそれぞれ得意分野があるからです。
そのため、同じプロでもそれぞれ査定結果が異なることは珍しくありません。
複数の不動産会社に査定価格とその根拠を聞くことで、信頼できる不動産会社を見つけることができるでしょう。
複数の不動産会社に査定を依頼するなら、不動産一括査定サイトがおすすめです。
一括査定サイトであれば、売却物件の情報を入力するだけで、複数の不動産会社に査定を依頼することができます。
特に田舎の土地の売却でおすすめなのは、全国約1,700社の不動産会社から査定依頼先の紹介を受けられるリビンマッチです。
リビンマッチは多くの不動産会社と提携しているため、自分の持っている不動産との相性がよい不動産会社を紹介してもらえる可能性が高いといえます。
田舎の土地を売却したいと考えている方は、まずはリビンマッチで一括査定を申し込んでみてはいかがでしょうか。
田舎の土地を活用するならニーズをつかもう
今回は、田舎の土地の活用方法をご紹介しました。
土地の活用方法はたくさんありますが、立地や土地の特徴、オーナーの要望に合う方法を選ぶことが大切です。
特に重要なのは、「その土地にはどのようなニーズがあるか」を正しく把握することでしょう。
本記事の内容を参考に、その土地をニーズに合った方法で活用することをおすすめします。
また、田舎の土地を売却する場合は、不動産一括査定サイトを利用することをおすすめします。
特にリビンマッチなら、全国約1,700社の事業所から、その土地に合った不動産会社の紹介を受けられます。
田舎の土地の売却を検討している方は、リビンマッチで一括査定を依頼してみてはいかがでしょうか。