農業の新規参入に菌床栽培がオススメな理由
個人や企業が農業分野に新規参入する場合、大きな課題になるのが技術の習得や収量・経営の安定化です。栽培する作物によっては広大な土地の確保のほか、大型の農業機械や施設の設営費用が必要であり、初期投資が膨大な額に及ぶことも珍しくありません。
そこでオススメなのが菌床栽培です。オガクズなどの木質基材に米糠などの栄養源を混ぜた人工の培地でキノコを栽培するこの方法は、比較的小面積で始められるほか、早ければ1週間ほどで収穫可能なため、早期の収益化を実現できる特長があります。また、空調管理が行き届いたハウス内での作業は働きやすく、気候に左右されないことも大きなメリットと言えるでしょう。
そんな菌床栽培に可能性を見出し、新規参入したのが福岡県北九州市の株式会社小倉きのこファームです。
株式会社小倉きのこファームが、菌床シイタケ栽培を始めるまで
福岡県北九州市小倉にある株式会社小倉きのこファームは、関連会社の建設造園会社が木くずのリサイクル等をしていたことをきっかけに、2017年7月に設立しました。日本有数のカルスト台地平尾台からのミネラルをふんだんに含んだ清らかな水と豊かな自然環境を生かし、安心・安全なシイタケを生産して食卓に届けています。
年間生産量は70t。食味の良さや品質の高さが評価され、大手スーパーやJA直産市場などで広く販売されているなど、同市内に流通する菌床シイタケのトップシェアを誇っています。
異業種から参入し、成功を収めている背景を伺うと、施設の設営から栽培指導までサポートしている、パートナー企業の存在が見えてきました。

株式会社小倉きのこファームが販売している生シイタケ
「木くずを利用して菌床栽培ができないか、そんなアイデアから始まった事業ですが、当時は栽培技術に関する知識は全くありませんでした。そんな時にハウス設営から設備導入、菌床栽培のノウハウまでサポートしてくれたのが、株式会社アシストジャパンでした」。
当時のことをこう振り返るのは施設長の吉村昇さん。株式会社アシストジャパンの手厚いサポートのおかげで、農業分野への新規参入に不安を感じることはなかったと話します。

事業開始当時を回顧する吉村さん
株式会社アシストジャパンでは、安くて丈夫な菌床キノコ専用の農業ハウスをオーダーメイドで設計しており、日本のみならず海外でも多くの施工実績を有しています。同社ではオリジナルの種菌を製造して導入農家への販売も行っており、この種菌を使用したシイタケは軸まで美味しいという食味の良さが評判。株式会社小倉きのこファームでも、この種菌を使ってシイタケを栽培しています。このほか、キノコ栽培に関するノウハウを提供し、栽培指導を通じて安定経営の根幹を支えています。
株式会社小倉きのこファームが導入した「自動コントロール式キノコハウス」は、菌床シイタケ栽培に合わせて、株式会社アシストジャパンがオーダーメイドで設計をした施設。菌床シイタケの培養発生ハウスをはじめ、オガクズから培地までを作る製造施設や、クリーンルームなど6棟から成るキノコハウス は、同社開発の自動制御システム、自動センサーが完備されています。

培養発生ハウス
従来の菌床キノコ用ハウスは、高価な鉄骨ハウスや雪害、台風の影響を受けやすい園芸用ハウスを改造したものが一般的。夏場の高温障害や換気性能の低さから、キノコの品質が劣化することにも懸念があると言われています。そんな問題を一気に解決する株式会社アシストジャパン の「自動コントロール式キノコハウス」は、菌床キノコ専門に設計しているため気密性や断熱性に優れ、高品質な菌床キノコを一年中安定生産することができます。また、高気密高断熱な施設は外気の影響を受けにくく、光熱費を大幅にカットできるのもメリットの一つです。

株式会社小倉きのこファームで育てられているシイタケ
農福連携事業にも。働きやすさと続けやすさが特長
「ハウス内は湿度や二酸化炭素濃度を自動制御するシステムが入っているので、菌床シイタケに適した環境を一年中維持することができます。また、冷暖房が完備されているので、夏は涼しく、冬は暖かい環境で作業ができます。高齢者や障害がある方でも働きやすい環境が整っていると言えます」。
こうした吉村さんの言葉通り、作業環境がよく、安定した労働時間を確保できる菌床キノコ栽培は、複雑な工程がなく繰り返し行える作業のため、障害がある方でも工夫しながら作業に取り組むことができます。収穫の喜びを実感することができるこうした仕事は就労者からの人気が高く、人材が集まりやすいというメリットも。農業の知識や技術の習得を通じて、障害がある方の将来的な就労をサポートするといった社会的意義も持ち合わせています。
こうした取り組みを「農福連携」と呼び、農業と福祉の連携によって双方が抱える課題の解決に期待が寄せられています。全国的にも、担い手不足や高齢化問題に対する新たな働き手確保の方法として注目を集めており、さまざまな企業が参画して広がりを見せています。
株式会社小倉きのこファームの吉村さんは、株式会社アシストジャパン主催の「きのこと福祉」の連携に関するセミナー参加を通して知見を深め、積極的に農福連携を推進するに至りました。現在では、障害のある人がやりがいと生きがいを持って活躍できる職場環境を創出しています。将来的には一般企業への就労(障害者雇用や障害者枠)を目指す障害者支援施設(就労継続支援A型事業所)の役割を担っており、現在は約40名のスタッフが菌床シイタケの収穫や菌床の製造に携わっています。
「重労働で過酷なイメージがある農業ですが、菌床キノコ栽培は作業環境の良さもあり、新規参入者や新規就農者でも比較的取り掛かりやすい品目だと思います。『アシストジャパン』のプラント設計などのおかげで業務の効率性は高まり、品質の高い菌床シイタケを栽培できていると実感しています」と吉村さん。
株式会社小倉きのこファームでは、栄養価が高いクヌギを配合した菌床づくりにこだわり、今後は菌床販売も拡大する予定。「九州はクヌギの木が多く生息する地域です。その利点を生かし、品質の高い菌床を九州の北部を中心に販路を広げていきたいですね」(吉村さん)。

同社では菌床の製造や販売も行っています
長年の経験と知識に裏打ちされたキノコ栽培のノウハウを提供
株式会社小倉きのこファームの安定経営を支える株式会社アシストジャパンは、キノコ栽培用ハウスのほか、オーダーメイド設計の農畜産用ハウス『シラオイハウス』を、畜舎・堆肥舎・倉庫などの用途で全国・海外に販売・施工しています。中でもキノコ栽培では、栽培に不向きとされてきた寒冷地の北海道内で初めてシイタケの人工栽培に成功するなどの歴史を有しており、長年の知識と経験によって裏打ちされたノウハウを生かしたプラント設計および栽培指導を行っています。
「菌床キノコはプラントメーカーが設備を、菌床メーカーが菌床製造にあたるのが一般的です。当社はそのどちらも対応することができるため、小規模から大規模まで、お客さまのニーズに合わせた最適なプランを提供できることが強みです」。こう話すのは、株式会社アシストジャパンの濱野洋平さん。株式会社小倉きのこファームの創業から現在に至るまで、多角的サポートをしています。
「北九州市は、カルスト台地による良質な地下水に恵まれた地域です。こうした利点を生かしたシステムを構築することで、その地域ならではの菌床キノコが育ちます。生産者が目指す営農スタイルとともに、気候環境に合わせながらプランニングすることを心がけています」(濱野さん)。
アジアやヨーロッパ圏でもシイタケ栽培システムの導入実績を持つ株式会社アシストジャパン 。世界トップレベルを誇る同社のキノコ生産技術は、担い手不足が叫ばれる日本の農業において、省力化と生産性向上の一躍を担うことでしょう。
同社では、新規事業として菌床栽培を検討している方等へ向け、菌床しいたけ栽培全国見学研修会を毎年実施。農福連携の成功事例を交えて、雇用の確保や販路の広げ方等のノウハウを提供しています。
実際に福祉ときのこの連携で運営をしているきのこハウスも見学できる人気の研修会。福祉事業関連にお勤めの方と、一般事業者(農業関係者、異業種からの参入など)で内容を分けて各地で2日間開催しています。ご予約はお早めに!
▼現地見学研修会
菌床キノコ栽培に興味をお持ちの方は、ぜひアシストジャパンにお問い合わせください。個別相談も実施しています。
【取材協力】
株式会社小倉きのこファーム
http://kinoko-farm.com/
〒802-0974
福岡県北九州市小倉南区徳力4丁目20-1
守恒造園建設きのこファーム(訓練地&施設外就労地)
〒803-0186
福岡県北九州市小倉南区新道寺415-1
【問い合わせ】
株式会社アシストジャパン
https://www.assist-jpn.info/
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FAX:028-635-8778
キノコハウスの導入事例や詳細情報はこちら
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