農産物の盗難が後を絶たない
多くの農作物が旬を迎える、まさに収穫の秋! 全国各地の農家の皆さんがせわしなく収穫作業に追われる時期ですね。
しかし、この収穫の時期を狙った農産物や農機具の盗難被害が後を絶ちません。警察庁によると、2020年にはおよそ2800件の盗難被害があったそうです。
コバマツは全国各地の農家を回り農作業のお手伝いをしていますが、お手伝いした農家の中には被害に遭った経験のある人も。今回取材に協力してくれた北海道沼田町のコメ農家、山口達朗(やまぐち・たつろう)さんもその一人です。
被害に遭った経験からしっかり防犯対策をして、犯人を撃退したこともあるとか。いったいどんな対策をすれば被害を逃れられるのでしょうか? 山口さんに話を聞きに沼田町にやってきました。
広い北海道、農産物・農機具の被害の現状とは?
コバマツ
山口さん
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自ら犯人撃退の盗難防止対策!
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山口さん
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山口さん
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山口さん
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町や警察が被害状況をどう把握しているのかや、対策について直接問い合わせてみます!
警察では農産物・農機具盗難被害は0件扱い!?
沼田町の役場とJAに農産物の盗難被害の現状や対策について問い合わせたところ「そのような被害はうちの町では聞いたことがない」という回答を得ました。
しかし、山口さん以外の沼田町の生産者たちにも話を聞いたところ、「うちの町は被害が多い」という声が。
生産者が被害に遭っていると言っているのに、行政やJAが「聞いたことがない」という回答ということは、被害の実態が届いていないということでは?
もう少し実態を突き詰めるべく、沼田町の管轄である北海道警察旭川方面本部に農産物や農機具の盗難被害について問い合わせました。
2020年から2022年9月までの農産物・農機具の盗難被害の届け出は0件とのこと。
これは、被害に遭った農家が届け出をしていないことで被害件数が0件となっている可能性もありそうです。だから、行政やJAでも「被害は聞いたことがない」という回答が返ってきたのではないでしょうか。
さらに、同本部に農産物や農機具の盗難被害に遭わないための一般的な防犯対策のポイントについて聞いたところ、
- 倉庫や農機具のハウスには確実に鍵をかける
- 防犯カメラ、センサーライトの設置
- 畑などの敷地に簡単には入れないようにネットや柵をつける
- 防犯カメラの存在を知らせる、看板設置、ステッカーを張る
- 収穫した農産物や農機具を畑やその近くに放置せず、施錠するか、倉庫などに保管する
- トラクターなどは鍵をつけたままにしない
というアドバイスをもらえました。トラクターを畑にそのまま放置しない、倉庫に鍵をかけるなどの日頃から心がけられることに加え、柵を作ったり、防犯カメラを付けるなどのひと手間で、さらに対策することができそうです。
届け出がないと対策も進まない!
「少ししか盗まれていないから」、「そんなに被害を受けていないから」と被害届を出さなかった人も今までいるかもしれません。しかし、届けを出すことで、地域全体への注意喚起にもなります。地域の農家全員で課題を共有することで対策が行き届き、結果として農産物の盗難が起きにくい地域を作れるのではないかと思いました。
たとえ未遂でも、被害が少なくても、警察に届けて対策に協力してもらうようにしていきましょう!