ミニトマトにはどんな品種がある?
ミニトマトは、一般的な手のひらサイズのトマトと比較して小さく、3センチ程度で重さは30g程度です。そして、トマトと言えば赤のイメージですが、色や形の異なる数多くの品種があります。日本だけでもおよそ240種類が栽培されており、色別では赤系・黄系・黒系・緑系の4種類が主流です。
赤系ミニトマト
赤系ミニトマトの主な品種には「アイコ」「プチぷよ」「ラブリーさくら」「フラガール」などがあり、いずれも「リコピン」が多く含まれていることが特徴です。
リコピンはカロテノイドの一種に分類される成分で抗酸化力が強く、その作用はビタミンEの100倍以上とも言われています。このリコピンを効率的に摂取するためには「細胞壁」を破壊することが重要です。
具体的には「加熱」することで、加熱すると細胞壁が弱体化するため壊れやすくなります。リコピンは熱に強いため、焼いたり煮込んだりしても成分が減少する心配もありません。
黄系ミニトマト
黄系ミニトマトの主な品種には「イエローアイコ」「イエローピコ」「カナリーベル」「ドルチェイエロー」などがあり、リコピンに加え「カロテン」を多く含むことが特徴です。
カロテンは緑黄色野菜に多い成分で、体内でビタミンAに変換されて活性酸素を取り除く働きや、動脈硬化や老化予防に効果があると言われています。やはり細胞壁を壊すことで効率的に摂取できますが、特に油との相性が良く一緒に摂取すると吸収率を高めます。
サラダとして食べるときでも、オイル入りのドレッシングをかけるのがおすすめです。
黒系ミニトマト
黒系ミニトマトの主な品種には「ブラックチェリー」「インディゴローズ」「ブラッククリム」「クマト」などがあります。
リコピンに加えポリフェノールの一種である「アントシアニン」を多く含むことが特徴で、視力の改善や眼精疲労の予防に効果があります。近年では機能性物質としても注目を集める成分で、がん予防や肝機能改善にも効果があることが明らかになっています。
野菜の中でも数少ない「リコピンとアントシアニンを同時に摂れる野菜」で、特に皮とそのすぐ下の果肉に多く含まれるため、丸ごと食べるのがおすすめです。
緑系ミニトマト
緑系ミニトマトの主な品種には「グリーンゼブラ」「カプリエメラルド」「エバーグリーン」「みどりちゃん」などがあり、ビタミンB6やカリウムを多く含んでいることが特徴です。
ビタミンB6にはタンパク質を代謝させる働きがあります。そのため疲労回復やダイエットに効果的で、肝臓に脂肪が蓄積するのを防ぐ効果もあるため脂肪肝の予防になります。カリウムは体内のナトリウムと結合して排出する働きがあるため、むくみの改善や高血圧の予防につながります。加熱調理に向いているためスープやフライが適していますが、他のミニトマトと異なり皮が厚めで噛み応えもあるので、そのまま食べるのもおすすめです。
熟しても色が変わらないため収穫時期を判断することが難しいですが、積極的に食べたいミニトマトです。
ミニトマトの甘い品種5選!
品種 | 味わい | 糖度 |
---|---|---|
オレンジパルチェ | 甘い、風味が良い | 15度 |
ピッコラルージュ | 甘い、濃厚 | 9〜13度 |
キャンディドロップ | 甘い、なめらか | 12〜13度 |
スィートミニイエロー | フルーティ | 13度 |
シュガープラム | バランスが良い | 10〜12度 |
オレンジパルチェ
オレンジパルチェはオレンジ色をしており、平均的糖度が15度以上もあるミニトマトです。甘いフルーツの代表であるメロンや桃の糖度が13~14度なので、その甘さが想像できますね。皮が薄めで果肉も柔らかいため食べやすく、βカロテンが豊富に含まれているため子どものおやつにもおすすめです。病気に強く、トマトに多いトマトモザイクウィルスや萎凋病に耐性があり、異常茎の発生も少ないため育てやすいことが特徴となっています。
ピッコラルージュ
ピッコラルージュは一見普通の赤いミニトマトに見えますが、粘質のある果肉で濃厚なコクが凝縮されているミニトマトです。糖度は13~10度前後で強い甘みと同時に適度な酸味があり、サクッとした歯ごたえもあるため生食がおすすめですが、もちろん加熱してもおいしいので軽くソテーして料理の付け合わせやスープの具材にも向いています。病気に強く育てやすい品種ではあるものの、熟期が遅く十分に熟さないと強い酸味を感じるので、十分熟してから収穫することがポイントです。
キャンディドロップ
キャンディドロップは細長いプラム型をしたミニトマトで、ツヤが美しく比較的大粒なことが特徴です。糖度は12~13度で、食べやすい薄めの皮がパリッとした食感なのでおやつ感覚で楽しめます。普通に育てるだけでも甘く育つ品種で、病気にも強く栽培も簡単なので家庭菜園におすすめです。
スィートミニイエロー
小粒のレモンイエローが鮮やかなミニトマトで、酸味が少なくフルーティーな味わいが特徴です。糖度は10~13度で、家庭菜園で栽培しても裂果が非常に少なく、収穫期間を通して粒の揃った果実を収穫できます。黄系トマトに代表されるカロテンを多く含んでおり、甘みも強いためジャムなどにおすすめの品種です。
シュガープラム
先端が少しとがった感じの赤系ミニトマトで、糖度は10~12度です。皮が非常に薄く、丸ごと食べても皮が口の中にほとんど残らないことが特徴です。赤系なのでリコピンが豊富ですが、シュガープラムには通常のミニトマトの2倍ものリコピンが含まれています。抗酸化作用が期待できるため、子どもよりも大人が率先して食べたいミニトマトです。
その他のミニトマトの甘い品種一覧
品種 | 味わい | 糖度 |
---|---|---|
純あま | 甘い、濃厚 | 9 〜11度 |
ピッコラカナリア | 甘い、 控えめな酸味 |
9〜11度 |
キャンドルライト | フルーティ | 8〜13度 |
イエローミミ | フルーティ | 8〜13度 |
プチぷよ | はじける食感 | 9〜10度 |
サンオレンジ | フルーティ | 9〜10度 |
サンゴールド | 甘い、 程よい酸味 |
9〜10度 |
キラーズ | 甘い、 適度な酸味 |
9〜10度 |
オレンジキャロル | 豊かな風味 | 9〜10度 |
ルージュドボルドー | バランスが良い | 9〜10度 |
オレンジパルチェ | 甘い、風味が良い | 9〜10度 |
アイコ | コクのある甘さ | 9〜10度 |
シュガリーテール | 甘酸っぱい | 9〜10度 |
イエローキャロル | 香りが強い | 8〜10度 |
甘っこ | バランスが良い | 8〜10度 |
ぺぺ | 甘い | 8〜10度 |
ミニトマトは家庭でも育てられる?
ミニトマトは家庭でも育てられますが、少々コツが必要です。種から育てるよりも苗を購入して栽培するのがおすすめで、1~2個の花が咲き節間がしまってがっしりした苗を選びます。
植え付けの時期は5~6月で、土は市販されている果菜類用の培養土を用意してプランターなどに植え付けますが、寒さに弱いため寒くなることが分かっている場合は室内に取り込んだり、暖かい場所に移動させるようにしましょう。
育ってきたら倒れやすくなるため支柱を立て、伸びに合わせひもで固定します。また、脇芽をたくさん出すため、小さなうちに取り除いておくと良いでしょう。
水やりは土が乾いたタイミングで与えるようにして、肥料は窒素・カリウム・リン酸がバランス良く含まれているトマト用や野菜用を使います。病気は6~7月頃の梅雨時期にモザイク病に気を付けましょう。通常、花が咲いたら約50日前後で果実の収穫時期となり、ブドウの房状に実を付けるため数多く収穫できますが、そのためには肥料が大きなポイントとなります。肥料は、果実が付く前に与えすぎると葉や茎ばかりが成長してしまうため、果実が付いたら1~2週間ごとに定期的に与えるようにしましょう。
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初心者でも育てやすい品種は?
アイコ
アイコはプラム型で、甘みが強くたくさん収穫できることが人気のミニトマトです。皮が少し硬めですが、その分裂果も少なく作りやすい品種です。
千果
丸い小粒で、甘く食感に優れたミニトマトです。その名の通り収穫量が多いことが特徴で、苗売り場で多く扱われている品種です。
ミニキャロル
ミニトマトの中でも特に育てやすいため、初心者におすすめです。病気に強く、花付きも美付きも良く裂果も少ないため家庭菜園で人気の品種です。
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家庭で栽培して、甘いミニトマトをたくさん味わおう
少々コツがいるものの、慣れてしまえばミニトマトを育てるのは難しくありません。上手に育てればたくさんの収穫が期待できますし、何と言っても採れたての新鮮なミニトマトを味わえるのは家庭で育てる醍醐味でもあります。見た目や味はもちろん、食卓を華やかに彩ってくれる甘いミニトマト。是非栽培してたくさん味わってみてはいかがでしょうか。
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