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【農家が教えるミニトマトの育て方】プランター栽培のコツは?種まきから収穫まで、栽培方法を徹底解説!

鶴田 祐一郎

ライター:

連載企画:農家が教える栽培方法

【農家が教えるミニトマトの育て方】プランター栽培のコツは?種まきから収穫まで、栽培方法を徹底解説!

ミニトマトの栽培は、大玉トマトと比べると比較的手がかからず、初心者でも挑戦しやすい野菜だといえます。ですが、わき芽の芽かきや病害虫対策、正しい水やり施肥など、基本を抑えなくては美味しいミニトマトはできません。本記事では、ミニトマトの種まきから収穫までの栽培管理と、気をつけるべき病害虫について詳しく解説していきます。ミニトマトは上手く育ててあげると、よりたくさんの果実が収穫できるようになるので、ぜひ参考にしてみてください。

「ミニトマト」とは|どんな野菜なの?


ミニトマトは、大玉や中玉トマトと同じく南米アンデス高原生まれの野菜です。アンデスからメキシコに渡り、16世紀にスペイン人によってヨーロッパに持ち込まれました。日本には17世紀頃に伝来し、唐なすびや唐柿と呼ばれていたようです。

そもそもミニトマトと他のトマトはサイズの大きさで分類されています。10グラムから30グラムほどの小さなトマトをミニトマトと呼び、それ以上の大きさのものは中玉や大玉と呼ばれています。また、赤色以外にも黄色やオレンジ色、緑色などさまざまな色をしている品種があることも、ミニトマトの特徴です。

大きなトマトが明治期ごろから食用されていたのと異なり、ミニトマトは1980年代に市場へ流通するようになりました。現在では、ビタミンAやリコピンなど栄養価が高いことはもちろん、フルーツのような甘さも評価され、サラダだけではなくデザートとしても愛されています。

ミニトマトの品種

トマト全体で見ると、世界で8000種類を超える品種が栽培されているといいます。その中には、ミニトマトとして品種改良されたものも多く、そういった品種はとても甘くフルーティで、また栽培もしやすいので家庭菜園にぴったりです。特に有名なものをここで説明します。

アイコ


アイコはミニトマトの定番品種の1つです。
縦に長く、スリムな卵のような形をしています。
糖度も9~10度あり、食べるとしっかりした甘さとミニトマトらしい果肉感あるじわっとした食感を味わえます。果実自体が厚ぼったい感じで、噛んだときに少し歯ごたえのある触感を楽しむことができます。

赤色や黄色、濃いチョコレートのような色など、さまざまな種類があり、栽培期間中も食卓に上がってからも目で楽しめる初心者にオススメのミニトマトです。

純あま

純あまは家庭菜園でもたくさん収穫できるので、楽しく栽培することができます。
このミニトマトも、縦に長く、卵やナッツのような形をしています。
名前の通りかなり甘く、糖度も9~11度ある品種です。果肉が厚く、皮が薄く歯切れ良いので、食べるとぶどうのようなプチッとした食感を楽しめます。

千果


千果は濃赤色で美しい光沢が目立つミニトマトです。
形は小さくころころとした丸形で、まさに小さなトマトといった見た目をしています。
糖度は8~10度で、甘さのばらつきが少なく、安定した味わいを楽しむことができます。

また草勢が強すぎず弱すぎず、家庭菜園のような常に作物を見ることができないような環境でもきちんと育てることができます。
収穫できる量も多いので、少ない株数でも十分に栽培を楽しむことができる品種です。

オレンジパルチェ


オレンジパルチェは、名前の通りオレンジ色の見た目をしたミニトマトです。
丸くころっとした形のオレンジパルチェは、糖度15度前後と非常に甘く、フルーティでおやつのように食べることができます。

草勢が強く、慣れるまでは管理が大変ですが、異常茎の発生が少なく、モザイク病や萎凋病に耐病性を持った品種なので、家庭菜園でも安心して栽培できます。着果数も多いので、さまざまな食べ方を試すことも可能です。
 

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ミニトマトの栽培カレンダー

ミニトマト栽培

ミニトマト栽培に適した環境

ミニトマトは強い光を好み、湿度が高い環境を嫌がります。好適土壌pHは6.0~6.5pHくらいで、一般的な土壌酸度です。

生育適温は20~30℃で、栽培期間中に猛暑日など暑すぎる日が続くと元気がなくなってしまいます。また、昼夜の温度差が高いと成長が刺激されるので、熱帯夜などにも弱い作物です。

ミニトマトの種まきは3月ごろから行います。苗を畑に植える定植は4月の下旬から5月中には終わらせましょう。また定植前には土作りを余裕をもって済ませましょう。
収穫は、だいたい7月頃から始まります。定植時期をずらしたり、栽培期間中の手入れをしっかりと行えば、10月いっぱいまで収穫を楽しむことも可能です。

ミニトマトの栽培方法

ミニトマトの栽培方法について、種から育てる場合と苗から育てる場合の両方を解説していきます。また、畑で栽培するのかプランターで栽培するのかによっても植え方や管理が多少異なってくるので、これから解説する方法をよく読んで挑戦してみてください。

種まき(播種)と間引きなど育苗管理

ミニトマトの種まきには、3つの方法があります。
まず畑に直接種をまく「直まき」と専用の育苗ポットに種をまく「ポットまき」、ケースに種をまく「箱まき」です。

まず、畑に直接種をまく直まきですが、その名の通り、種から株まで同じ場所で育てる方法です。移し替えなどはありませんが、難易度が高く、オススメはしません。

次に、ポットまきです。育苗ポットやセルトレイなどの器に、培養土をいれて種をまきます。直径3センチ、深さ1センチほどの穴に3~4粒ほど種をまきましょう。

箱まきは平坦な箱に土を入れ、深さ1センチほどの溝に1センチ間隔で種をまきます。その上から種が隠れる程度に優しく土をかけ、栽培していきます。

いずれの場合も、第一本葉が出始めた頃に間引きを始め、第二本葉がでたら、一本まで間引きます。箱まきの場合は、このときに箱からポットに移します。

種まきから移し替えまで、だいたい55日から65日ほどで終了です。

ミニトマトの苗の選び方のコツは?

ミニトマトの苗は4月頃からホームセンターなどで販売されます。
良い苗の見分け方のコツとして、以下の5点に注意しましょう。

①双葉が奇麗な緑色をしているか
②葉の先端や縁が縮れていたり変色していないか
③葉の裏に害虫や病気の痕跡がないか
④茎が太く、節間が詰まっているか
⑤第一花房に花や蕾がきちんとついているか

悪い苗を買ってしまうと、どれだけ手をかけたところで上手く育たないので、必ず良い苗を選ぶことが大切です。また、初心者の場合、種から栽培しようとする難易度がかなり高いので、苗を使うことをオススメします。

鉢植えやプランターなどでも栽培可能!

地植えのイメージが強いミニトマトですが、鉢植えやプランターでの栽培も十分可能です。
植え付けの際は、土(必ずホームセンターや資材点で購入したもの)、肥料、鉢・プランター、鉢底石、土漏れ防止ネット、ハンドスコップ、支柱を用意しましょう。

鉢やプランターの素材は木製でもプラスチックでも構いませんが、ミニトマトは根を深く伸ばし、たくさんの果実をつける作物なので、深さが30センチ以上あるものがオススメです。大きいもののほうが、より地植えに近い環境でのびのび育てることができるので、スペースに余裕があるのであれば大きいものを選ぶようにしてください。

ミニトマトは日当たり良く風通しの良い場所を好みます。ベランダやテラスで栽培するときは、その点に注意してください。ただし、室外機の横など常に温かい風が当たる場所はNGです。また、コンクリートやタイルの上に置く場合、ブロックなどで一段高さをつけてあげましょう。

畑の準備! 土作りと肥料

鉢植えやプランター栽培の土作り

鉢植えやプランターを使う場合、必ず栽培用の土を購入して使ってください。市販の用土にはミニトマトが成長するまでに必要な栄養素が含まれており、また雑草の種や病害虫が混入していないので、失敗するリスクを大きく下げることができます。

鉢やプランターに土を入れるときは、容器の底に土漏れ防止の鉢底ネットを敷き、その上に鉢底石を敷くようにします。こうすることで、雨が降ったときや水やりをしたときに、土が外へ流出することを防いでくれます。また石を敷くことで土がぐじゅぐじゅになってしまうことも防ぐことができます。

地植え栽培の土作り

植え付け時期の2週間前からミニトマトに合わせた土づくりを開始します。
植え付け2週間前に、土壌に苦土石灰を200グラム程度(1平方メートルあたり)混和させておきます。石灰資材だけを早めに施すのは、肥料との化学反応を避けるためです。
1週間前には化成肥料100グラム(1平方メートルあたり)を元肥として散布し、土壌と混和させます。

ただ元肥に関しては、自身の畑の状況をよく見て施肥してください。他の野菜と同じように肥料を与えると、茎葉ばかりが生い茂り、花がつかないということが起きてしまうおそれがあるからです。

ミニトマトの植え付け(定植)

鉢植えやプランター栽培の植え方

プランターや鉢にトマトを植え付ける際は、以下の手順で行います。

①プランターの底に土漏れ防止のネットを敷き、底石と用土を入れる
②植え穴を掘り、土を全体的に湿らせる
③苗を浅く植える
④再度水やりを行う
⑤支柱を立てる
⑥農薬を散布する(農薬を使う方のみ)

プランターの底に鉢底ネットを敷いたら、鉢底石と用土を入れます。鉢底ネットを敷かないと、水やりのたびに土が漏れてしまったり、底から害虫が侵入してしまうこともあるので注意が必要です。
土を入れたら水をかけます。買ったばかりの土は乾燥しているので、根の活着をよくするためにもしっかり湿らせましょう。

苗を植え付けたら、なるべく時間をあけずに支柱を立てます。植えたばかりのトマトの茎は風などで倒れやすいためです。支柱の立て方については後ほど説明します。

地植え栽培の植え方

畑にミニトマトを植え付ける際は、以下の手順で行います。

①株間50センチで穴をあける
②土を湿らせる
③植え穴をあけ、苗を浅く植える
④再度水をあげる
⑤支柱を立てる
⑥農薬を散布する(農薬を使う方のみ)

株間50センチで穴をあけます。2列で仕立てる場合、隣の列とは70センチほど間隔をあけます。
植え穴は育苗ポットよりも大きいものをあけ、苗を花房の向きが通路側になるように植えます。こうすることで、実ができたときに作業がしやすいようになります。

定植後は支柱を立てますが、苗がある程度大きくなるまでは仮のもので構いません。株の近くに棒を立て、茎を紙テープや麻紐などで支柱に結びつけます。
支柱は定植前に立てても特に問題はないので、作業がし易い順に行いましょう。

また、マルチングをすると栽培管理がしやすく、生育も良くなります。オススメは銀色のシルバーマルチです。アブラムシは銀色を嫌がり、近づかなくなります。

ミニトマトの水やり

特にトマト栽培においては、水を切って(減らして)育てた方がおいしいという情報が出回りすぎて、降雨がないと極端に乾燥状態になっている場合がよくあります。しかし、裂果の原因のほとんどは乾燥状態からの降雨によるもので、普段から水やりをしていれば、降雨による極端な水分供給によって裂果を発生させることが少なくなります。
また、尻くされ病やうどんこ病などの頻発するトマトの病気は、カルシウム成分が足りていれば起こりにくいのですが、カルシウムは水溶性のため、過乾燥では補給できません。
水やりは、肥料散布、薬剤散布以上の効果を発揮することがあると覚えておいてください。

地植え栽培での水やりは、畑の地表をよく見て乾いていたら行います。ただ、乾燥しすぎていると上記で説明したように一気に水を吸収して裂果の原因になりますので、真夏などの暑い時期であれば、乾いたときに朝方水やりを行うようにします。

プランター栽培のときでも基本は同じです。土の表面が乾いていればたっぷりと水やりを行います。プランターは乾燥速度が早いので、地植えよりも注意が必要です。こちらも水やりタイミングは朝早く行ってください。

ミニトマトの追肥

ミニトマトの追肥は、6月から9月に行います。
追肥は化成肥料で、一株につきスプーン1杯ほどで充分な量となります。栽培カレンダーでは月1回の散布としていますが、主茎の先端を見て随時時期をずらしたり量を調整したりする判断ができるようになることが理想です。

あまり元気が無いようであれば、化成肥料のかわりに液体肥料などを使っても良いでしょう。また、ミニトマト専用の肥料があれば、そちらを用いても構いません。

施肥する際は、肥料が茎や葉につかないよう注意してください。根の伸び具合を考えつつ、株から少し離したところに施肥すると良いでしょう。地植えの場合は、この際に中耕も一緒に行うとなおよしです。

ミニトマトの仕立て方|支柱立てと誘引

ミニトマト栽培

トマトの仕立てには多くのやり方がありますが、基本的には1本主茎を真っすぐ伸ばしていくことが多いです。ですが、ミニトマトに関しては低いところからわき芽を利用し、2~4本を主茎として残して栽培しても充分に収穫することができます。

家庭菜園で最もオススメしたいのは2本仕立てで主茎を伸ばしていく方法です。主枝と第一花房下あたりのわき芽を伸ばし、2本の長い茎を作っていきます。その後、2本に立てた支柱に、茎が伸びるごとに誘引していきます。
誘引には、麻紐など柔らかい素材のものを使いましょう。花の下など柔らかいところではなく、葉の方の固い茎を巻きつけるようにしてください。こうすることで、強い風が吹いたときに茎が千切れてしまうことを防止できます。紐は茎と支柱を八の字を描くようにして結びましょう。

ミニトマト栽培

1本仕立てよりも収量が増え、手入れさえ欠かさなければ茎や葉が混み合うことも防げるので、ミニトマト栽培では、2本仕立てで仕立てることをオススメします。

また、その他の仕立て方として、合掌造りの支柱に紐を横一線に貼り、茎を40度の角度で斜めに誘引していく「ななめ誘引」などの方法も存在します。プランターではスペース的に難しいので、地植え向きです。

【ミニトマトの手入れ】芽かき・人工授粉・摘芯

ミニトマト栽培を成功させるために重要である3つの手入れについて解説していきます。
芽かきを忘れると茎が増えすぎて管理がしづらくなり、人工受粉をしないと結実が難しくなります。摘芯は果実を美味しくするために必要です。
ところで、ミニトマトは摘果作業が必要ありません。間違って摘果しないようにしましょう。

芽かき

主茎を真っすぐ伸ばしていく際に、茎のわきから新しい芽が発生します。この芽をできるだけ早いうちに切除するのは、長くトマト栽培を続けるためにもっとも大切な作業です。
ミニトマトの場合は大玉トマトほど神経質になる必要はありませんが、この作業が遅れるとミニトマト栽培を成功に導くことが難しくなりますので常に心がけましょう。

ミニトマト栽培

人工授粉

人工授粉はミニトマト栽培を成功させる上で、最も大切な作業の1つと言っていいでしょう。なぜならミニトマトは、人工的に受粉させ、一番果をつけてやらないと、その後も実をつけずに茎葉だけが伸びてしまう状態になってしまうからです。

朝の早い時間に、植物ホルモンの「トマトトーン」(商品名)を咲いた花に吹きかけたり、棒で花を叩いて花粉を散らすようにしてください。方法はどちらでも構いませんが、とにかく第1花房の第1花を確実に受粉させることが大切なので、忘れずに行いましょう。

摘芯

栄養状態のいいミニトマトは、どんどん背を高くしていきます。大きくなりすぎると、管理も大変な上、果実の味も落ちてきてしまうので、摘芯をして意図的に茎が伸びるのを止めてあげましょう。

摘芯の目安は、5~6段あたりまでの花が咲いた頃になります。その頃になると背丈自体もかなり大きくなっているので、段数を数え間違えないようにしましょう。
切り落とす部分は、最終花房の部分から、さらに上の葉っぱを数枚残して切るようにします。

摘芯するタイミングは、地植えでもプランターでも変わりませんが、プランターはサイズによっては早めに摘芯をしたりするなど、工夫する必要があります。

ただ、家庭菜園で収穫を楽しむという範疇であれば、摘芯をしないという方法もあります。
摘心せずに真上に伸ばし続けつつ、高くなりすぎないように根元の茎をぐるぐる収納していく「つるおろし」や、支柱の天辺まで到達した茎をUの字に折り返す方法などもあるので、自身の目的にあった方法を選びましょう。

ミニトマトの収穫

ミニトマトは花が咲いてから大体50日くらいで収穫ができるようになります。実が赤く熟し、ヘタのあたりまで色づいていれば食べ頃です。収穫するときは、果実を1つずつ摘み取るようにして採りましょう。このとき、ヘタの部分をなるべく短く切るようにして採ると、カゴや容器に入れたとき、他の果実を傷つけずに保管することができます。

株が長持ちするように栽培していれば、7月の収穫スタートから、10月の冷えてくる時期まで長く収穫を楽しむことも可能です。

収穫シーズンが終わり、成っている果実がなくなったら、株を抜き取って処分しましょう。抜き取った株は、畑や庭であれば小さく切って埋めてしまって構いませんが、作物を育てているところからは離すようにしてください。プランターの場合は、抜き取って小さく切り、各自治体のゴミ出し方法に沿って処分しましょう。

初心者必見! 水耕栽培なら気軽に室内で栽培可能

水耕栽培とは、土を使わずに水と液肥で作物を育てる方法です。
基本的に室内で栽培するため、外の環境に左右されず、病害虫の被害も受けにくいという大きなメリットがあります。
水耕栽培は敷居が高いようにも思えますが、ここで説明することを参考にすれば、十分挑戦可能です。

ミニトマトはどうして水耕栽培に最適なの?

実はミニトマトは水耕栽培に最適な作物です。ミニトマトを水耕栽培すると、土で栽培するよりも成長スピードが早く、株が大きく育ち、着果や結実も良くなります。また室内で栽培するため、病害虫の被害も抑えることができ、美味しいミニトマトを収穫しやすくなるのです。

室内で栽培するため、ミニトマトを育てる場所には注意が必要です。室内は外と異なり、温度が高まりやすい環境にあります。そのため、日当たりがよく、風通しの良い場所で栽培しましょう。直射日光は避けたほうがよいので、すりガラスや、レースのカーテンなどを1枚間に入れるのも良いでしょう。

ところで、大玉トマトなどでは、根が伸び過ぎ、実が大きく重くなりすぎるため水耕栽培には向いていません。あくまでミニトマトを栽培するときのみ、水耕栽培でも栽培を楽しめますので注意してください。

水耕栽培のやり方|苗植えから始める場合

水耕栽培初心者には苗植えから始めることをオススメします。発芽から栽培を始めると、難易度が格段に上がってしまうからです。

苗植え栽培で用意するものは以下の通り。

・ペットボトル(2リットルのもの)
・液体肥料と水
・ハイドロボール
・フェルト布
・アルミホイル
・ミニトマト苗

道具を用意したら、早速装置を作っていきます。

①まず、ペットボトルの上から3分の1を水平になるように切ります。切り取った飲み口部分の方を、逆さにして下部に差し込みます。
②次に、ペットボトルの下部に液体肥料を溶かした水を注ぎます。この後入れるミニトマトの根が届くように水位を調整してください。
③そして、ペットボトルの切り口から下の部分にアルミホイルを巻きます。ホイルを巻くことで、根や水に光が当たることを防ぐことができます。
④ミニトマトの苗を用意します。根っこはあらかじめ奇麗に洗い、土を落としておきます。
⑤ペットボトルの飲み口にハイドロボールを浅く敷きます。その上に根っこを広げながら敷いて、太い主根は飲み口に通し、直接培養液に触れるようにします。また上からハイドロボールで株元を被せるようにして固定します。
⑥このとき、主根が培養液に届かなければ、フェルト布を適当なサイズに切り、主根とつなぎ合わせてください。

後は日当たりと風通しの良い場所に置けば終了です。

水耕栽培のやり方|発芽から始める場合

ミニトマトの種から水耕栽培を始める場合、次のものが必要になります。

・台所用スポンジ
・カッターorハサミ
・タッパーなどの蓋付き保存容器
・ミニトマトの種

道具を用意したら、以下の手順で発芽させていきます。

①台所用スポンジを2~3センチ角でカットする。
②スポンジの中心に1センチほどの深さで、十字に切込みを入れ、湿らせる。
③切ったところに種を3粒ほどは種する。このとき、深く埋めすぎず少し頭が見える程度にする。
④保存容器にスポンジを並べ、スポンジが半分沈むくらいまで水を入れる。
⑤蓋をして、日当たりの良い場所に設置する。
⑥発芽し、本葉2~3枚になったら、発育の悪い株を間引く。
⑦本葉が5枚くらいになったら、ペットボトルで作った水耕栽培の装置に移す。

ミニトマトを種から栽培するのは、畑で作る場合でも難易度が高く、失敗のリスクが常に付きまといます。ただ、栽培が成功し、収穫時期を迎えたときの喜びはかなり大きいものです。自身がどういう家庭菜園を行いたいのか、よく考えて取り組むようにしてください。

水耕栽培の注意点やポイント

こまめに新しい水へ交換すること

水交換は水耕栽培の管理で最も基本的で、大切な作業です。株が成長し結実するのに必要なエネルギーは、全てこの培養液(水)から吸収することになります。そのため、この水が汚れていると成長が上手くいかず、また根腐れの原因になったりもします。水は常に清潔な状態を保つように注意してください。

また水耕栽培はその仕組み上、コケが生えやすい性質を持っています。1度コケが広がってしまうと清掃が大変なので、見つけ次第奇麗にしてあげましょう。

支柱を立て、必要に応じてわき芽をつみ取る

支柱立ては水耕栽培であっても必要です。苗を植えたタイミングで、支柱も一緒にセットしましょう。
ミニトマトは背丈が高く、たくさんの果実をつけ重くなります。そのため、茎だけで支えることは困難で、放置していると垂れ下がってきたり、折れてしまったり、成長を阻害したりしてしまうので、注意してください。
またわき芽欠きなどの管理も必要なので、忘れずに行いましょう。

液肥を与えすぎないこと

水耕栽培の培養液を作る際、水と液体肥料の割合は規定量を守るようにしてください。液体肥料の容器に説明書が付属しているので、しっかりと読んでから施肥しましょう。

もし液肥の量が多すぎると、つるぼけしたり、株の栄養バランスが崩れて枯れてしまう恐れもあります。もちろん、ミニトマトに元気がない場合は液肥を積極的に使うことも大切ですが、基本的には液肥の規定量を守るようにしてください。

道具やキットの購入もオススメ!

水耕栽培は、用意した栽培装置のクオリティの高さが成功につながると言ってもいいでしょう。もちろん、DIYで手作りした装置で栽培することも家庭菜園の楽しみの1つですが、成功率を上げたいという場合、既製品の水耕栽培キットを使うことも検討してみてください。

また、水耕栽培にハマったという人にも道具やキットの購入をオススメします。少々お値段はしますが、しっかりとした作りの装置を使うことで、更に水耕栽培を楽しむことができますよ。

ミニトマト栽培の注意点や甘くするためのコツ

ミニトマトを栽培していく上で注意して欲しいことや、果実を甘くするためのコツを解説していきます。よく見かける黒い斑点や鉢の大きさ、ミニトマトの味について悩んでいる人は是非参考にしてください。

ミニトマトの黒い斑点について

ミニトマトが真っ赤に熟してくると、果実の表面に黒い斑点のような跡がついていることがあります。これは、果実が小さいときに虫が針を刺して食害した跡です。食べても問題ないので、安心してください。

どうしても気になるという場合は、その部分を取り除いたり、また日頃から害虫防除をしっかりと行う必要があります。

鉢やプランターの深さ

鉢やプランターが小さく、株がギチギチになってしまうというのはよくある失敗です。ミニトマトといってもミニなのは果実の部分で、株自体は大きいものだと成人男性くらいまで成長します。
そのことを念頭にいれて、鉢やプランターを購入する際は、少なくとも深さ30センチはある10号以上の鉢や、大型のプランターを買うようにしましょう。
ミニトマトは背丈だけではなく、横幅も50センチくらいまで広がるので、ベランダなどの狭いスペースで栽培を予定している人は置き場所にも注意してください。

ミニトマトを甘くするためにはどうすれば良い?

ミニトマトを甘くするために必要な要素は、十分な日当たりと水分量を減らすことの2つです。
ミニトマトに限らず野菜全般は光合成をすることで成長に必要な要素を生み出します。日照不足だと、成長が上手くいかず美味しい果実が実りません。

また、トマトは水やりを控えると甘くなると一般的に言われているように、ミニトマトも水分量を減らすことで甘くすることができます。
ただし、極端に減らしてしまうと枯れてしまったり、1度の水やりや雨で多くの水分を吸収してしまい裂果につながるので、やり過ぎには注意してください。

ミニトマト栽培で気をつけたい病害虫とその対処法

ミニトマトは大玉トマトより栽培のしやすい作物であることに間違いはありませんが、それでも様々な病害虫が発生する可能性のある野菜です。ここでは、主な病害虫を解説しますが、同定が難しい場合は最寄りの園芸店や農協などで質問するのも大切な対処法の1つです。

気をつけるべき病気について

青枯病

青枯病は株についた葉が青々としたまま、急に枯れてしまう病気です。葉っぱが萎れたと思ったら、数日後は枯死してしまいます。
伝染する病気であり、剪定作業などで感染株に使ったハサミから他の株へと広がってしまいます。
青枯病は治せないので、罹患した株はすぐさま抜き取り、圃場の外で処理するしかありません。
この病気にならないためには、何よりも予防が大切です。土壌消毒や残滓、排水の適正排出などで病原菌が株に寄りつけない環境を作るように心がけましょう。

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うどんこ病

うどんこ病は湿度が低く、気温17~25℃前後の頃に発生しやすい病気です。特に梅雨時期に頻発し、葉の表面に斑点状の白いカビのようなものが生え、枯れていきます。初期防除が大切で、初期段階での農薬散布や、被害が小さいうちに病害を受けた葉を摘み取るようにしましょう。葉が茂って風通しが悪くなると一気に感染が広がるので注意が必要です。

尻腐れ症

尻腐れ症はミニトマトのおしりの部分が黒く変色し、腐敗してしまう症状のことです。これはウイルスや細菌などが悪さをしているのではなく、株の栄養状態が崩れ、カルシウムが不足しているときに発生します。
カルシウム不足が原因なので、農薬では防除や治療はできません。症状が現れたミニトマトを除去し、カルシウム成分が多い肥料を追肥することで改善できます。粒状のカルシウム肥料や、カルシウム成分が多く配合された液肥などがあるので、それらを使いましょう。
また極端に土が乾いているとカルシウムの吸収が悪くなるので、水やりも忘れないようにしてください。

トマト褐色腐敗病

トマト褐色腐敗病は、トマトのヘタの部分が茶褐色に変色し、やがて変色が果実全体に広がります。変色した部分がやがて腐敗していき、カビを生じる病気です。
何より予防が大切で、水やりの適切管理、風通しの確保、原因菌を伝播する害虫を徹底的に防除するなど、栽培管理をしっかり行いましょう。
もし感染してしまった場合、被害果と枯れている部分を取り除き、殺菌剤で消毒しましょう。

灰色かび病

灰色かび病はミニトマトにはよく発生します。苗のころから発生するカビの病気です。
葉に発生すると被害箇所が褐色化してカビが付着します。花や果実が枯れているときはこの病気を疑ったほうがよいでしょう。

カビが媒介する病気なので、風通しをよくしておくことや、過湿状態を避けることで予防が可能です。薬剤で対処する場合は、市販薬ではベンレートやダコニール1000で対応します。

疫病

疫病はカビが原因の病気で、茎や葉、果実など多くの部分に病害を起こします。
葉には最初、灰緑色の小さな斑点が生じ、病状が進むと斑点が大きく、また中心部が暗い褐色になります。下葉に多く見られますが、悪化すると株全体に広がります。湿度が高いと白いカビが発生します。
茎や果実では暗い褐色の病斑が現れ、その部分が腐ってしまいます。
株の風通しを良くすることや、泥はねを防ぐことで予防できます。一度出てしまうと農薬による防除も難しいので、予防防除を行いましょう。

気をつけるべき害虫について

オオタバコガやタバコガ

タバコガは大きいもので体長40ミリほどある蛾の幼虫です。生まれてすぐのころは、葉などを食害しますが、成長し体が大きくなると果実に穴を開け、果肉を食べるようになります。1つの果実を奇麗に食べるわけではなく、次々に新しい果実に移っていくので被害が大きくなりやすいです。普段の予防と、初期段階での防除が大切です。

オススメの対処法:若齢幼虫のうちに駆除する、防虫ネットを張る

アブラムシ

アブラムシは体長1~4ミリほどの小さな虫ですが、集団になってトマトを食害するため、放置していると大きな被害を受けてしまいます。
植物の養分を吸い取るだけでなく、ウイルス性の病気を媒介することもあるので、日頃からの予防と、早めの防除が必要です。

オススメの対処法:オルトラン剤・ベニカ剤の使用、捕殺、テントウムシなどの利用

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ハダニ類

ハダニ類は体長0.5ミリほどと非常に小さく、ルーペなどを使わないと目視できません。葉の裏面に棲み着き、養分を吸い取って繁殖します。放置しているとどんどん数を増やし、葉が枯れてしまうこともあるので、農薬を使ったり手で削ぎ落とすなどの駆除が大切です。

オススメの対処法:抵抗性害虫も多いので、様々な種類の農薬をローテーションする

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アザミウマ類

アザミウマは体長1~2ミリほどの小さな昆虫のため、目視しづらく、気づいたときには繁殖してしまっているというケースが多く見受けられます。幼虫や成虫が花や葉、果実から養分を吸い取ってしまうため、実の見た目が汚くなり、肥大も悪くなってしまいます。

オススメの対処法:ベニカ剤の使用

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オンシツコナジラミ

オンシツコナジラミは成虫でも体長1ミリほどと小さく、白っぽい体色をした虫です。葉に貼り付き、養分などを吸い取ります。卵や幼虫を目視で確認するのは困難なので、そもそも虫が寄り付かないように予防をすることが大切です。

オススメの対処法:ダントツ・ベニカ剤の使用、捕殺

まとめ

ミニトマトは大玉トマトと比べ、栽培がしやすく家庭菜園向きといえます。もちろん、土作りや日々の管理など、大変なことは多いですが、実が割れにくく、多少放任していても健康に育ってくれるので、大玉トマトで失敗してしまったという人にもオススメしたい作物です。

ミニトマトはどんどん果実が鈴なりにできていくので、見た目にも楽しく、また長期間収穫を楽しむことが可能です。毎日ミニトマトを観察し、愛情をもって接してあげれば、美味しいミニトマトが収穫できるでしょう。

地植え栽培やプランター栽培、水耕栽培など様々なスタイルで栽培を楽しむことができるので、自分のライフスタイルにあった栽培方法を選びましょう。ぜひ、この記事を参考にして、美味しく楽しい家庭菜園に挑戦してみてください

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執筆:鶴竣之祐
編集:鮫島理央

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