農家が教えるミニトマト栽培 最後まで鈴なりの実を付けさせる方法

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農家が教えるミニトマト栽培 最後まで鈴なりの実を付けさせる方法

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農家が教えるミニトマト栽培 最後まで鈴なりの実を付けさせる方法
最終更新日:2019年04月04日

ミニトマト栽培は簡単で難しい。
ミニトマト栽培は、小学生に園芸体験でなんとなくできてしまう程度には容易で、ベテラン園芸家が「一番難しい」と言う程度には難度の高い品目です。枯らすことは少ないけれども、たくさん収穫しようと思うと難しいので、特性をよく知り注意して栽培しましょう。ミニトマト栽培で重要な芽かき・誘引のやり方、肥料や水やりのポイントまでお伝えします。

まずはミニトマトの栽培カレンダーをご覧いただきましょう。地域によって違いはありますが、大まかにこの栽培カレンダーにそって説明していきます。

ミニトマト栽培

ミニトマトに適した環境

ミニトマトの原産地は、中南米の比較的冷涼で昼夜の温度差が大きい乾燥地域になります。したがって日本の高温高湿な梅雨~夏は栽培に不適で、日本での主な生産はその時期を外した“秋に定植し冬春に収穫”する作型での施設栽培が盛んです。
家庭菜園の場合は、“4~5月定植の6~8月収穫”という難度の高い作型に挑戦していると認識していてください。

ミニトマトの種まき(播種<はしゅ>)

家庭菜園の場合、夏野菜は苗から栽培することを強くオススメします。
適期に植えつけをしようとすると、どうしても専用の施設が必要になってきますし、毎日の水やりやビニールの開け閉めによる温度管理などを一日忘れたら全滅してしまいますので、付きっ切りの労力が多くかかりすぎてしまいます。それでも簡易なビニールトンネルで育苗しようと思う場合は、3月中旬に播種すれば5月には植え付けることも可能です。

種はセルトレイ(育苗用の容器)に一粒ずつまきましょう。家庭菜園の場合はセルトレイが一枚あれば、ミニトマト以外にも植え付ける予定の他の夏野菜を全部まくことができます。本葉が2枚ほど展開したころに直径9~12センチのポットに移植します。その後、第一花のつぼみが見え出した頃に畑へ植え付けます。

ミニトマト栽培

ミニトマトの植え付け(定植)

植え付け時期の2週間前からミニトマトに合わせた土づくりを開始します。
植え付け2週間前に、土壌に苦土石灰を200グラム程度(1平方メートルあたり)混和させておきます。石灰資材だけを早めに施すのは、肥料との化学反応を避けるためです。
1週間前には化成肥料100グラム(1平方メートルあたり)を元肥として散布し、土壌と混和させ、畝を立てます。ミニトマトは水分の影響を強く受けるため、梅雨時期などの豪雨で浸水しない程度にできる限りの高畝にすることを推奨します。
草とりの手間を省くためにもマルチング(畝全体を覆うこと)をおすすめしますが、近年は特に、黒マルチでは盛夏期にあまりにも高温になりがちですので、白マルチや敷きわらの方がおすすめです。

ミニトマトの仕立て方

ミニトマト栽培

トマトの仕立てには多くのやり方がありますが、基本的には1本主茎を真っすぐ伸ばしていくことが多いです。ミニトマトに関しては低いところからわき芽を利用し、2~4本を主茎として残して栽培しても充分に収穫することができます。

家庭菜園で最も多いのは二条植えで主茎を真っすぐ仕立て、手が届かなくなった頃(栽培カレンダーでは8月のお盆の頃)に先端の芽を摘みとってしまい(摘心)、冬野菜が始まる9月までに栽培を終わらせるやり方でしょう。

どの仕立て方でも、株と株の間は50センチほどのスペースを空けて植えつけます。

最近は気候が温暖になってきましたので、更に10月、11月と収穫したい方は、摘心せずに真上に伸ばし続けつつ、高くなりすぎないように根元の茎をぐるぐる収納していく“つるおろし”、横に張った紐(ひも)に斜めにはわせていく“ななめ誘引”など、さまざまな工夫で長期収穫を目指します。

ミニトマト栽培

ミニトマトの収穫量は、盛夏期には落ちるものの、栽培適温に戻る9月以降にはまた上がります。工夫して長期収穫を目指すのも一つの手ですね。

ミニトマトの芽かき・誘引

トマト栽培の主な作業は、この芽かきと誘引になります。

芽かき

主茎を真っすぐ伸ばしていく際に、茎のわきから新しい芽が発生します。この芽をできるだけ早いうちに切除するのは、長くトマト栽培を続けるためにもっとも大切な作業です。
ミニトマトの場合は大玉トマトほど神経質になる必要はありませんが、この作業が遅れるとミニトマト栽培を成功に導くことが難しくなりますので常に心がけましょう。

ミニトマト栽培

指で簡単に除去できるうちにおこなう

誘引

誘引もとても大切な作業です。目標にしている形(多くの場合直立した状態)を維持するためにも、早め早めに支柱へ誘引してあげましょう。

ミニトマト栽培

ミニトマトの肥料のやり方、考え方

ミニトマト栽培で最も失敗が多いのが、水と肥料のやり方です(水に関しては後述します)。
トマトは非常に強い植物で、水や肥料のあまり豊富ではない原産地からきたため、日本の肥沃(ひよく)な土壌と豊富な水分では強く育ちすぎる傾向にあります。
他の野菜と同じように肥料を与えると、茎葉ばかりが生い茂り、花がつかないということが頻繁におこります。
大玉トマトでは特に顕著ですが、「1段目2段目(※)は順調だけど、3段目以降は葉ばかり茂ってうまくいかない」という相談が非常に多く、原因のほとんどが肥料過多によるものです。
以下の図のように、主茎の先端部分を観察して樹勢を判断しましょう。

※ トマト栽培においては、房がつく位置ごとに上から1段、2段と数えます。

ミニトマト栽培

肥料成分の中でも“窒素”による弊害が大きい

いつも窒素過多になる場合は、元肥の散布は見送り、1段目のミニトマトが結実しだしたころにおこなう1回目の追肥から施肥を始めるくらいでも構いません。トマトは前述の通りとても強い作物ですので、更に強くしすぎないことが肝心です。
追肥は化成肥料で、一株につきスプーン1杯ほどで充分な量となります。栽培カレンダーでは月1回の散布としていますが、主茎の先端を見て随時時期をずらしたり量を調整したりする判断ができるようになることが理想です。

ミニトマトの病害虫・生理障害

トマトには多くの病害虫による被害や、裂果(果実が割れる)などの生理障害が発生します。防除のために薬剤散布することも大切ですが、それ以前の耕種的防除(薬剤を散布せず、栽培管理で防除する手段)は更に大切になってきます。
主な方法としては以下の4つがあります。

雨よけ栽培

簡易ビニールハウスなどを設置することで直接雨が降りかかることを避けることができます。雨そのものによる裂果と、地面を叩いて跳ねた泥によって病気に感染することを予防します。糖度の向上も期待できます。

古い葉を除去する

収穫期の果実より下位にある古い葉は上位の果実に養分を送らず不要なものです。全て切除して主茎だけのスッキリした状態にし、風通しを良くしておくことで病害虫の発生を予防し、作業性も向上します。

水やりをしっかりする

特にトマト栽培においては、水を切って(減らして)育てた方がおいしいという情報が出回りすぎて、降雨がないと極端に乾燥状態になっている場合がよくあります。しかし、裂果の原因のほとんどは乾燥状態からの降雨によるもので、普段から水やりをしていれば、降雨による極端な水分供給によって裂果を発生させることが少なくなります。
また、尻くされ病やうどんこ病などの頻発するトマトの病気は、カルシウム成分が足りていれば起こりにくいのですが、カルシウムは水溶性のため、過乾燥では補給できません。
水やりは、肥料散布、薬剤散布以上の効果を発揮することがあると覚えておいてください。

連作しない・接ぎ木苗を購入する

最悪最強の病害、青枯れ病に代表される細菌病は、特に注意が必要で、発生したら最後、引き抜いて処分し他の株への感染を防ぐしか手段はありません。事前に防ぐためにも、一度ナス科の作物を植えた畑には3年以上ミニトマトを植え付けることはやめましょう。もしくは接ぎ木苗を購入して使用すれば、これらの感染を防ぐことができます(全ての接ぎ木苗が抵抗性を持っている訳ではありません)。

ミニトマトの栽培がうまくいくようになったら、次は大玉トマトの栽培にもチャレンジしてみましょう。家庭菜園でも特に人気野菜のトマトは、なかなかシーズン終了時期まで収穫し続けることの難しい作物ですが、ミニトマトなら比較的簡単です。ぜひお試しください。

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