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農作業をうまく手伝うための配慮は、「参加は高校生以上」「鎌は所定の場所に」

吉田 忠則

ライター:

連載企画:農業経営のヒント

農作業をうまく手伝うための配慮は、「参加は高校生以上」「鎌は所定の場所に」

市民が農作業を手伝おうとする際に難しい点がある。よかれと思って田畑に行っても、かえって農作業にマイナスになってしまうことがあるからだ。もし両者の間でコミュニケーションの仲立ちをする人がいれば、援農の効果はぐっと高まる。そんな活動をしている田島遥菜(たじま・はるな)さんを取材した。

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環境に優しい農業をサポート

4月28日、埼玉県ときがわ町にある農場に8人の市民が農作業を手伝うために集まった。農家民宿「楽屋(らくや)」を経営し、農薬や化学肥料を使わずに野菜を育てている金子勝彦(かねこ・かつひこ)さんの畑だ。

トマトの栽培に使った支柱を地面から抜いて、カボチャを育てるために隣の畑にその支柱を立て直す作業からまず始めた。「たぶん筋肉痛になる人がいます。でも体を使ってやってみないと、食べ物がどうやって作られているのかわかりません」。参加者を募った田島さんはそう挨拶した。

作業内容を説明する金子勝彦さん(左)

作業の内容を説明する金子勝彦さん(左)

田島さんはもともと、企業の採用活動や人材育成をサポートする会社に勤めていた。そこで一定のキャリアを積んだ後、いったん仕事に区切りをつけるため、会社をやめて2018年にデンマークに留学した。

そこで接したのが、オーガニックで農産物を育て、環境に優しい暮らしを実践しているコミュニティーだ。田島さんは彼らが運営する食堂で働くことなどを通して、「食と環境」というテーマに関心を持つようになった。

翌年日本に戻ると、農業の現場をもっと理解したいと思い、大豆の収穫イベントに参加してみた。それが金子さんの農場だった。それから2年近く、月1~2回のペースで金子さんの農場に手伝いに行った。

その過程で、農薬や化学肥料を使わずに野菜を育てることがいかに大変なのかを知った。だからこそ、多くの人が自分と同じように環境調和型の農業を手伝うことで、実情を知ってもらいたいと思うようになった。

こうして田島さんは、生産者と市民をつなぐ活動をスタートさせることにした。2022年のことだ。

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