お米を育てようと思ったきっかけ
玄米を水に浸けると発芽することを知り、「そのまま植えたら稲ができるのか?」と疑問が浮かんだことがきっかけです。栽培当時はネットや本にもほとんど情報がなかったため、自分の目で確かめるべくお米を育てることにしました。
バケツで玄米からお米を育てる方法
栽培時期
玄米を水に浸けて発芽させる時期…4月下旬~5月上旬
バケツに田植えする時期…6月上旬
用意するもの
- 玄米
- 玄米を水に浸けておくための容器
- 黒土(なければ庭の土や野菜用培養土でも可。ただし野菜用培養土は有機肥料の入っていないものが望ましいです)
- 10リットルバケツ
- ふるい(なくても大丈夫ですが、あったほうがいいです)
- 化成肥料5グラム(なくても大丈夫ですがあったほうがいいです)
- ポリポット3号
- 定規
- 防虫ネット
- リング支柱
- ハサミ
収穫後
- 割り箸
- すり鉢
- 軟式野球ボールやテニスボール
手順
1. 玄米を水に浸けます。水替えは毎日行います。


2. 数日経つと芽が出てくるので、芽が出たら3号のポリポットに土を入れ、芽を上向きにして並べておきます。そのあとに上から軽く土を被せます。




3. バケツの中にポリポットを入れて、土の高さと同じくらいまで水を入れます。水が減ったら追加します。このとき、雨ざらしにしておくと水があふれて苗が水没してしまうので、雨の日は場所を移動してください。

4. 10日ほど経つと葉っぱが出てきます。

5. 6月上旬になったら、バケツに植え替えます。黒土をふるいにかけて石を取り除き、ふるいにかけた土に水を入れて泥の状態になるようにします。土はバケツの上部から7センチくらいまでの高さまでいれます。


6. 苗の根をほぐして4本束にしてバケツに植え替えます。最初は水深を1センチにし、数日後に水深を5センチにします。このとき、水面に藻が発生することがありますが、それはとても良い状態です。しかしボウフラがわいてしまったら、バケツをネットで覆ったほうがよいでしょう。また、水が減ったら水深5センチを保てるように水を追加します。



7. 田植えから1カ月が経ち、草丈が50センチほどになったら、一度バケツの水を抜きます。これを中干しといいます。中干しをすることで根の発達を促したり、過剰な分げつを抑制したりします。



8. 中干しの期間は天候にもよりますが、バケツと土の間に隙間ができたころが終了の目安です。長くても1週間にとどめましょう。

バケツと土の間に隙間ができていたらOKのサイン
9. 再び水を入れる際、今度は水を張る期間と水を抜いて乾かす期間を交互に繰り返す「間断灌水」を行います。具体的には、2センチ分の水を入れ、水がなくなって数日後にまた2センチ分の水を入れるという作業を数日行い、最後には5センチの水を入れます。このとき、水が減ってる途中で水を追加しないことが大切で、これにより土壌中に酸素が供給され、発育が促進されます。

10. さらにこの時期に化成肥料を5グラム追肥します。

11. 田植えから2カ月後(8月上旬頃)に草丈が100センチを超えてくるので、倒れないようにリング支柱で支えます。

12. 田植えから2カ月半後(8月中旬頃)に穂が出てきて白い花が咲き始めるので、穂が出揃ったら防虫ネットをかけます。


13. 穂が出て1カ月後(9月中旬頃)に穂が垂れてきて茶色くなってきたら、バケツの水を全部抜き、約10日間水なしの状態で育てます。


14. 10日後、穂が黄金色になったので、ハサミで切って収穫します。


15. 収穫したら稲を束ねて逆さまにし、10日間天日干しにします。

16. 10日後に割り箸を使って稲穂を挟み、脱穀します。この脱穀した状態が種もみです。


17. 脱穀したら、すり鉢に種もみを入れ、野球ボールを使ってすり潰していくと、殻が取れます。この作業をもみすりと言います。軽く息を吹きかけて殻を飛ばせば、残ったお米が玄米になります。



18. 精米をやると24時間以上かかるため、もし白米にしたい場合は精米所に行くことをおすすめします。
上手に育てるための注意点
芽の向きに注意して植え替えよう
最初に出るのは芽ではなく根だと思われる方がとても多いのですが、お米は芽が先に出ますので、土に植えるときに必ず芽を上向きにしてください。
また植え替えたときが一番腐りやすく失敗しやすいです。玄米を水に浸ける期間を長くすると次第に根も出てくるので、根が出てきてから植えかえてもよいでしょう。

穂が出たら防虫対策を忘れずに
穂が出てくるとバッタやカメムシの被害に遭いやすいので、必ず防虫ネットをしてください。
穂が白くなっていたらバッタ、穂が黒っぽくなっていたらカメムシの被害を受けている可能性が高いです。

食べてみた感想
結果、バケツ4個分で1合に満たないくらいのお米を収穫できました。少し水分の多い炊きあがりになってしまいましたが、初めて食べる採れたてのお米は香りがとてもよく、味も濃厚でとてもおいしかったです。

玄米・もみ殻・わらの活用方法
家庭菜園をやっている方でしたら、もみ殻やわらを土の上に置いて敷きわらとして活用できます。敷きわらをすると土壌の水分の蒸散を防げるほか、雨によって泥水が跳ね返ることで苗が汚れたり病気になったりするのを防ぐことができます。
また微生物のすみかになるので、土がふかふかになりますよ。


まとめ
お米を玄米から育てるのは種もみから育てるよりも難しいですが、発芽したときや稲穂が出たとき、そして収穫できたときの喜びは格別です。
バケツでお米を育てると、普段食べているお米がどのように育つのかを身近に感じることができるので、ぜひ来年の春は栽培してみてはいかがでしょうか。









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