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自然と人がちょうどいい距離。滝沢市で始める、自分らしい農業

自然と人がちょうどいい距離。滝沢市で始める、自分らしい農業

岩手県の県都・盛岡に隣接しながら、山の息吹と広がる農地を抱える滝沢市。ここには、都市近郊でありながら「自然との共存」を感じられる暮らしがあります。その地で、ネギやハウス野菜、水稲を手がけ、令和6年に法人化した 田沼和俊(たぬま かずとし)さん。「農業は大変。でも自分で考えて動ける自由がある」。そう語る田沼さんの日常と想いを通じて、“滝沢での就農”のリアルな姿をお伝えします。

滝沢市の農業関連補助・支援制度の詳しい内容はこちら

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滝沢市―盛岡に隣接する“ちょうどいい”田園都市

岩手県のほぼ中央、盛岡市の北西に隣接する滝沢市。盛岡市街地から車で20分も走れば、一面の田畑が広がります。都市の利便性と自然の豊かさ、その両方を手にできる暮らしこそが滝沢の魅力。東北自動車道の2つのインターチェンジやIGRいわて銀河鉄道など交通の便にも恵まれ、仕事と家庭、農業と生活のバランスを取りやすい環境が整っています。

気候は内陸型で、昼夜の寒暖差が大きく、四季がくっきり。冷涼な気候が野菜の甘みを引き出し、味を際立たせています。市の境を流れる雫石川や北上川、そして北にそびえる岩手山。自然が日常のすぐそばにある─。そんな心地よさが、滝沢らしさをつくっています。

風土と文化が息づく地域コミュニティ

滝沢の暮らしには、四季の行事と人の温かさが溶け合っています。初夏の風物詩「チャグチャグ馬コ」では、煌びやかな装束の馬が鈴の音を響かせながら行進し、夏は滝沢スイカ、秋になるとりんごの収穫でまちは賑わいます。直売所やマルシェでは農家と市民が言葉を交わし、旬をともに楽しむ光景も。農業がまちの文化として根付いています。

こちらは「ビッグルーフ滝沢」
「みんなでつくるふれあいの大屋根」をコンセプトとする交流拠点複合施設です

市の中心にある複合施設「ビッグルーフ滝沢」には、図書館やカフェ、産直市場が集まり、人々が自然体でつながる拠点となっています。伝統と新しい暮らしが穏やかに共存するその調和が、滝沢で農業を始める人々を引き寄せています。

まちのリズムに合わせて畑を耕す―。そんな暮らしをかたちにしているのが、田沼和俊さんです。次章では、その挑戦と手応えをたどります。

滝沢の土に根を張るー。ネギ農家・田沼さんの挑戦

滝沢市出身の田沼和俊さん。就農8年目で法人化し、現在は4人のチームでネギ栽培に取り組む

田沼さんは滝沢市の出身です。両親は兼業農家(水稲)でしたが、「農業は大変だからやめておけ」と反対されていたこともあり、高校卒業後は一般企業に就職しました。

「小さい頃から田んぼが身近にあって、農業を“かっこ悪い”と思ったことは一度もありませんでした。長男ということもあり、いつかは自分の手でやりたいという気持ちはずっとありました」と、田沼さんは振り返ります。

やがてその想いが強まり、就農を決意。「やるからには本気で取り組みたい」と、盛岡市内の野菜農家で1年間の研修を受けながら基礎を学びました。

その際に活用したのが、国の「就農準備資金」です。就農を目指す人が研修を受ける期間、年150万円を最長2年間受け取ることができるもので、生活の基盤を支える心強い仕組みです。

「研修中は収入がほとんどなく、この制度がなかったら続けられなかったと思います。ただ、制度の資金だけで暮らしていくのはやはり厳しかったのが本音です。就農をするにあたり、軌道に乗るまではある程度の蓄えが必要だと実感しています」。

現場の厳しさを体で覚える日々のなかで、地域の人たちとのつながりも少しずつ生まれていきました。その経験が、今の農業経営の礎になっているといいます。

滝沢の土が教えてくれた、ネギという選択

ほ場にしゃがみ、土の状態を目で確かめる田沼さん

就農当初、田沼さんは両親が続けていた稲作に加え、スイカやレタス、キュウリなど、季節ごとにさまざまな作物を育てていました。

「最初のころは、とにかく“できることは全部やってみよう”という感じでした。でも、品目が多いと作業の段取りも管理も難しくて、どこかに集中したいと思うようになりました」。

そうして少しずつ力を入れるようになったのがネギでした。作付けや出荷の見通しが立てやすく、需要も安定している。何より、手をかけた分だけしっかり応えてくれる作物だといいます。

「土の特徴を知り、向き合ってこそ、作物が応えてくれるようになります。だからこそ、毎年同じ畑でも“今年の土”をきちんと見るようにしています。土と向き合うことがいちばん大切です」と、田沼さん。

滝沢市周辺は、岩手山に由来する火山灰が長い年月をかけて堆積した地質帯にあります。その火山灰土壌は、保水性や通気性に優れた一方で、細やかな管理が求められます。

そうした土地の特性を読み取りながら、田沼さんは土と対話するように日々畑に立ちます。作付けから収穫、出荷までを年間で計画し、チームで安定した出荷体制を築く―。積み重ねた経験の先に、田沼さんの“今”があります。

法人化とチームの力

専用の機械で外皮をむき、一本ずつ手作業で仕上げを確認する。チームの息が合った動きに、和苑らしい丁寧な仕事が光る

就農から8年目の令和6年、田沼さんは野菜部門を法人化し、「株式会社和苑(わえん)」を設立しました。現在は社員2名を含む4人のチームで営農しています。

「ひとりでやっていたころは、自分のリズムで動いていました。でも、今は従業員の生活も背負っている。“自分だけの農業”ではなく、“みんなで続けていく農業”に変わりました」と、話します。

現在のネギのほ場は約3.5ヘクタール。年間出荷量は60トンから80トンにのぼります。畑の規模が広がるにつれて作業の効率化も欠かせなくなり、法人化によって分業体制やスケジュール管理がより明確になったといいます。

「作業をチームで分担し、繁忙期は互いにフォローできるようにしています。自分の考えが形になっていく過程を、みんなと共有できるのがうれしいです」

「一方で、責任も大きくなりました。天候や市場価格に左右される世界ですから、安心して働いてもらうには安定した経営が欠かせません。それでも、“ここで働いてよかった”と思ってもらえる会社にしたいです。チームでやる農業は、ひとりの頃よりもずっと奥が深い。それぞれの頑張りが実を結ぶ瞬間を見られるのが、この仕事のいちばんのやりがいです」。

地域に還す力。メンターとしての歩み

農業は、自然相手の仕事です。天候や資金繰り、機械導入など、思い通りにならないことも少なくありません。それでも、思い描いた畑に作物が実り、仲間と喜びを分かち合う瞬間が、田沼さんにとって何よりの原動力です。

その経験を、次の世代へとつなぐために、田沼さんは滝沢市の新規就農メンター制度に携わり、新規就農者の支援を行っています。この制度は、経験豊富な農家が就農希望者の相談役となり、現場での技術指導や経営面のアドバイスを行う仕組みです。

「新しく農業を始める人に、“最初の一歩”を諦めてほしくない。自分が経験してきた苦労も、いまは誰かの役に立てると感じています。相談を受けながら、こちらが学ばせてもらうことも多いですね」と、田沼さんは語ります。

挑戦を続ける姿勢、そして地域の人とともに歩む誠実さ。田沼さんは、滝沢で農を志す人々にとってのロールモデル。静かな言葉のひとつひとつに、土地と人への信頼がにじみます。

滝沢市の支援制度と、新しい挑戦を支える環境

滝沢市では、国や県の補助事業に加え、現場の声をもとにした独自の就農支援制度が整っています。特に、収益性の高いネギ栽培を推奨しており、機械導入時の助成金や営農支援など、経営の安定化を後押しする取り組みが行われています。

また、就農初期に必要となる機械や資材への補助、販路拡大に向けた支援など、規模に応じたサポートも受けられます。

滝沢市の農業関連補助・支援制度の詳しい内容はこちら

さらに、メンター制度を中心とした“人のつながりによる支援”も滝沢市ならでは。田沼さんのように、現場を知る先輩農家が伴走してくれることで、孤立せずに技術と経営の両面を学べます。制度と人、その両輪が、滝沢の新規就農を支えています。

滝沢で見つける、自分らしい農のかたち

寒暖差のある気候が、甘みとみずみずしさを育んでいる

滝沢市には、山と川、そして肥沃な土があります。そこに息づくのは、自然と人が寄り添い合う暮らしです。田沼さんのように「自分らしい農業」を目指す人にとって、このまちは確かな土台になります。

まずは一度、滝沢の風を感じてみてください。あなたの新しい暮らしの芽が、この地で静かに花開くかもしれません。

お問い合わせ
盛岡地方農業農村振興協議会(盛岡農業改良普及センター)
〒020-0023 岩手県盛岡市内丸11-1
TEL:019-629-6726
FAX:019-629-6739
E-mail: CE0015@pref.iwate.jp

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