レタスの分類とリーフレタス
リーフレタスは、グリーンリーフやサニーレタス、フリルレタスなどの、主に葉がゆるく開いた状態で生育する品種を指します。お肉と一緒に食べるサンチュを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、サンチュは「カキチシャ」という茎レタスに該当し、少し違う分類になります。
【玉レタス】

代表例:ヘッドレタス
【葉レタス】

代表例:リーフレタス
【立ちレタス】

代表例:ロメインレタス
【茎レタス】
代表例:サンチュ
リーフレタスの品種
リーフレタスの中には、様々な種類や品種があります。それぞれ食感や用途が異なるほか、耐病性や栽培適正期間にも違いがありますので、簡単に解説していきます。
種類を選ぶ
サラダ菜
厚みがあり柔らかい葉が特徴。苦味が少なく、手巻き寿司にも最適。
サニーレタス
葉先が赤紫色で、縮れが強い。彩りが良く、苦味も穏やかで使いやすい。
グリーンリーフ
全体が鮮やかな緑色で、葉のフリルが細かい。シャキシャキした食感。

グリーンリーフ
フリルレタス
葉先が鋭くギザギザしている。肉厚で非常に瑞々しく、食感が強い。

フリルレタス
育てる品種と種の選び方
種子を選ぶ際には、生育期間や耐病性、栽培適期などを考慮することが重要です。
低温伸長性の高い品種(低温でも育ちやすい)や、高温耐性の高い品種など、品種ごとにそれぞれ特性が異なります。また、同じ種類のリーフレタスでも、品種によって生育期間が変わります。播種後、なるべく早く収穫したければ、早生(わせ)系の品種が良いでしょう。また、なるべく葉数を増やしたい方や、大株に育てたい方には、中生(なかて)や晩中生(ばんちゅうせい)の品種が適しています。
リーフレタスを育ててみよう!
栽培に適した環境
リーフレタスの栽培に適した環境は、「水はけが良く、水持ちが良い場所」です。これはレタス全般に共通していえることですが、過湿に弱い作物のため、排水性の悪い圃場では根腐れや生育が鈍る原因になります。そのため、高畝栽培や土壌改良、畝の間に溝を掘るなどの物理的な改善を考えると良いでしょう。
【理想的な条件】
- 土性・・・壌土〜砂壌土
- 土壌酸度・・・pH 6.0〜6.5
- 地形・・・風通しがよく、水が溜まらない圃場
育苗準備
レタスは畑に直接種を播いても育ちますが、発芽率の向上や生育の安定化を図るには、育苗したのちに定植することをおすすめします。
育苗する場合、床土は市販の野菜用育苗培土を使用すると良いでしょう。また、床土を自分で作る場合は、ピートモスやバーミキュライト、パーライトなどを混ぜ合わせる方法もあります。
覆土は、保水性の高いバーミキュライトをおすすめしますが、床土をそのまま覆土として使用することも可能です。その場合、水分が蒸散しやすいため、水の管理に注意しましょう。
【理想の床土】
- 窒素・・・50~100g/1㎥当たり
- リン酸・・・300g/1㎥当たり
- カリウム・・・50~100g/1㎥当たり
- pH・・・6.0~6.5に調整
種まき・発芽
床土の準備ができたら、いよいよ種まきをします。
品種によって栽培日数が異なりますので、種まきのタイミングは、収穫したい時期から逆算して決めると良いでしょう。
リーフレタスの発芽適温は、15〜20℃くらいがベストです。30℃を超えると発芽不良になりやすいため、温度管理には注意しましょう。また、発芽後についても、日中は15〜20℃程度で、夜間は5℃以上を目標に管理すると良いです。
発芽後、高温にさらしてしまうと、徒長苗ができやすいほか、収穫適期の前に花芽分化やとう立ちしてしまうリスクが高まるため、適温での管理を心がけましょう。
育苗
リーフレタスの育苗期間は、季節や品種によって前後するものの、概ね20〜30日ほどになります。育苗中は温度管理に気をつけるほかに、以下のように光・水・風通しを意識しましょう。
【 光 】
日照不足になると、苗が光を求めて上に伸びようとするため、徒長や弱苗の原因となります。そのため、太陽の光を十分に浴びせ、丈夫な苗を作りましょう。
【 水 】
苗の根張りを良くするには、灌水量を適切に保つ必要があります。少なすぎると枯れてしまいますが、与えすぎも禁物です。水分が多いと、水を求めて根を伸ばそうとしなくなるため、根張りが悪くなります。根張りが悪いと土壌の養分を地上部の葉っぱに届けられず、軟弱な苗になってしまいますので、適切な水量にコントロールすることが重要です。
【 風通し 】
湿度が高いと、苗が蒸れてしまい病気の原因となります。また、トレイやポットの下部から空気を入れることで、根に酸素が供給され活発に呼吸できるようになります。そのため、苗場を高床にして空気の通り道を作ることで、根張りが良くなります。
育苗中に気をつけたい病気、害虫
・立枯病
リゾクトニア菌やフザリウム菌、ピシウム菌などの糸状菌が原因で発生する土壌伝染性の病気で、高温多湿によって発生しやすくなります。
・根腐病
植物の根が腐り、水や栄養分をうまく吸えなくなる病気で、過湿が原因で発生しやすくなります。
・ヨトウムシ、コナガ
地域や季節にもよりますが、ヨトウムシやコナガには警戒が必要です。どちらも食害による影響が大きく、苗の成長点を食べられると、成長が止まってしまいます。そのため、防虫ネットや農薬散布などによる対策が必要です。

・チップバーン
葉のふちが枯れて茶色くなる生理障害です。これは、根から吸収するカルシウムが、葉面に行き届かないことによって起こり、特に高温や乾燥状態が続いた時に生じやすいです。そのため、適切な水分管理が重要になります。カルシウム剤を葉に直接かける『葉面散布』が効果的な場合があり、家庭菜園では霧吹きを使って葉にやさしく吹きかける方法でも代用できます。
また、肥料の中でも窒素分が多すぎると発生しやすくなるため、窒素はやや控えめにすることもポイントです。

チップバーンが発生したレタス
軟腐病
株がドロドロに腐る細菌性の病気で、高温多湿の環境下で起こりやすくなります。特に葉の生育が進み、株間隔が狭くなることで風通しが悪くなり、発生リスクが高まります。対策としては、高畝で排水性を良くしたり、株同士の間隔を開けて通気性を良くすることが重要です。ほかにも細菌性病害に対応した薬剤散布も効果的です。
ベト病
葉に淡黄色の斑点が付く、糸状菌(カビ)による病気です。低温多湿条件下で発生しやすく、特に風通しが悪く葉が長時間濡れる環境で発病が助長されます。また、ベト病は伝染するため、病気が発生しないように予防することが効果的です。
対策としては、適切な株間の確保や排水性の向上によって通気性を確保することが重要です。また、対応する薬剤を予防的に散布することも有効です。

葉に黄色い斑点ができる
畑づくり
肥料
前述の通り、土壌酸度はpH 6.0〜6.5で、風通しがよく水が溜まらない圃場が理想的です。施肥量については、時期や圃場条件によって調整が必要ですが、基肥量は以下のようになります。
【春・秋どりの基肥量】※目安
窒素(N) 19g/1㎡あたり
リン酸(P) 26g/1㎡あたり
カリ(K) 19g/1㎡あたり
【初夏・夏どりの基肥量】※目安
窒素(N) 15kg/1あたり
リン酸(P) 20kg/10aあたり
カリ(K) 15kg/10aあたり
畝立て、マルチ
地域や季節などによって異なりますが、一般的には畝幅(うねの中心から隣の畝の中心まで)を100~120cmとり、床幅(実際に苗を植える上面の幅)80〜90cmの畝をつくり、株元の風通しをよくするために15〜25cm程度の高畝にします。また、雑草対策としてマルチを張ることもおすすめです。通常の黒マルチのほかに、表面が白色で裏面が黒色の「白黒マルチ」があります。これなら地温を上げすぎず、雑草対策もできます。
私の農場では、畝幅120cmで4条チドリ植え(交互にずらして植える)をしています。春先や秋に定植する分については、黒の生分解性マルチを使用し、夏場は白黒マルチを使用することで、雑草対策と地温調整をしています。
また、冬場や高冷地などで促成栽培をする場合には、トンネルや被覆資材(パオパオなど)を活用し、温度を高めて栽培します。


定植
・定植間隔
・被覆
畝幅100cm×株間30cmの4条植えが一般的です。
(1㎡当たり株数:7~8株程度)
収穫
リーフレタスの収穫は株元の低い位置を狙って包丁を入れます。高い位置を切り込んでしまうと、葉っぱがバラバラになってしまいますので注意してください。

収穫したレタスの株元
夏場の収穫は、朝の涼しい時間帯をおすすめします。日中は作物の水分が蒸散し、収穫と同時にすぐ萎れてしまうことが多くあります。そのため、夜露(よつゆ)によって水分が漲っている朝の時間帯に収穫することで、新鮮な状態のリーフレタスを採ることができます。
手軽に取り組める作物として、リーフレタスの栽培は始めやすいと思います。家庭菜園の方はもちろん、プロ農家の方も、葉菜のバリエーションの一つとして、導入してみても良いかも知れません。















